いよいよ公開になった話題の映画「レオニー」、
その魅力を松井久子監督ご本人にお聞きしました!
11月20日(土)公開になった映画「レオニー」、もうご覧になりましたか?
今回、舞台挨拶に札幌に来られていた松井監督に、
直接、お話を伺うことができました
![松井監督](https://hokkaidoblog.gutabi.jp/wp/wp-content/uploads/2010/11/1011230.jpg)
忙しい時間を割いてインタビューに応じてくださった松井監督
物腰柔らかで笑顔の絶えない、すっごく素敵な方でした
Q.「レオニー」を映画化しようと決意したきっかけは?
A.高松のイサム・ノグチ庭園美術館を訪れた時、
古い武家屋敷を移築したイサム・ノグチのかつての住まい
<イサム家>の向かい側に、小高い丘のような庭がありました。
イサム・ノグチ曰く、「この庭は、母が世話になった
日本の皆さんへのプレゼントです」と。その言葉が、最初にイサム・ノグチの母、
「レオニー」に興味を持ったきっかけです。
その後、美術館で手にしたドウス昌代さんの本「イサム・ノグチ~宿命の越境者」を読み、
大きな感銘を受けました。
あの激動の時代に、こんなにもたくましく生きたレオニーの人生を、
今の日本の女性たちに伝えたい、と強く思ったのです。
Q.レオニーの生きざまが映画の中に凝縮されていましたが、同じ女性として、
レオニーをどう思われますか?
![映画「レオニー」](https://hokkaidoblog.gutabi.jp/wp/wp-content/uploads/2010/11/08e3d0815f95ccaf852a7b2ef4aee7f4.jpg)
A.人生は、若い頃に思い描いたようには決していかないものですよね。
レオニーは、どんなにつらい境遇にあっても、決して逃げない。目をそむけない。
きちんと受け止めて、明日へのエネルギーにしている。
そんな強さを持つ女性です。
正しい人生も、間違った人生もない。ただ一度の人生なら、自分で納得して、
自分で選択して生きる方が気持ちいい。そんな生き方がいい。
そう思わせてくれる、勇気をくれる女性ですね。
Q.7年もかけて日米合作映画を完成させた松井監督ご自身、意志の強さという点で、
レオニーと似たものを感じたのですが、いかがですか?
A.自分がこうと思ったら、やってみる。
難しそうだからやめておこうという選択肢がない。
私も「無謀だ」とよく言われるのですが、そういう行動力は似ているかもしれませんね。
人生の最後に後悔したくないんです。レオニーのように、自分の行き方を肯定して、
満足して一生を終えたいと思います。
Q.レオニーの心象風景を描いたような、モエレ沼公園のラストシーンが
とても印象的でした。監督はモエレ沼公園を訪れた時、どんな思いを抱かれましたか?
A.映画化を決意した時、真っ先に訪れたのがモエレ沼公園でした。
北海道ならではの青い空と緑。そしてイサム・ノグチ独特の石の白。
モエレ沼公園に立った時、この雄大な風景をレオニーが見たら、どれだけ感動し、
誇りに思い、満足するだろうかと。
イサム・ノグチは美術館に飾られる彫刻ではなく、人が触れることのできるものを
創ろうとしていました。その作品で子供たちが無邪気に遊んでいるのをみて、
イサム・ノグチの思い、母の思いが実現し、未来につながっているなあと。
その「思いが未来につながっている」ということを表現したいと思い、
ラストのイメージが、あっという間に湧いてきました。
この映画は、ラストシーンが最初に決まったんですよ。
Q.レオニーやイサム・ノグチの生き方から、さまざまなメッセージが受け取れたように
思います。映画は日本とアメリカを舞台にしていますが、描き出される場面・風景が
すごくキレイだったのですが、「ここをぜひみて欲しい」というポイントはありますか?
![映画「レオニー」](https://hokkaidoblog.gutabi.jp/wp/wp-content/uploads/2010/11/MG_4873_1.jpg)
A.映画監督としては、日本とアメリカを半分ずつ、両国の約100年前を
きちんと時代考証をして表現したという、そこを観て欲しいですね。
両国の魅力、風景や自然、暮らしや文化、それを再現して伝えようとすることは、
とても贅沢で楽しい試みでした。
あの時代に、この日本で育ったからこそ、イサム・ノグチの芸術が生まれました。
日本の美しさや素晴らしい文化を、しっかりと伝えたいなと思って映像を作りました。
Q.映画制作にはさまざまな苦労があったと思うのですが、「マイレオニー」という
応援団がありますね?松井久子監督の第3作・レオニーの制作を応援する会。
珍しいと思うのですが、監督にとって、どのような存在なのでしょうか?
「マイレオニー」は応援団とかファンクラブとは違うんです。私の相談相手であり、
励まされ、叱られ、支えられながら、一緒に映画を作ってきました。
私がマラソンランナーで、マイレオニーが伴走者といった感覚が一番近いかな。
一番身近で、なくてはならない存在でした。
Q.最後に、北海道の印象はいかがでしたか?
プロモーションで訪れた旭岳は素晴らしかったです。
温泉もいいですが、本州とは違う、黄金色の並木が本当に美しくて。
それを抜けると、降ったばかりの新雪にすっぽり包まれた白銀の山が現れて、
北海道ならではの魅力に触れることができ、感動しました。
今回、モエレ沼公園でロケをしましたが、この芸術が北海道にある、
札幌にあることの素晴らしさや意義を深く感じました。
イサム・ノグチのアートにふさわしい大地ですよね。
ぜひ、また訪れたいと思っています。
今回のインタビューはパネル展を開催中の札幌グランドホテルで、
モエレ沼公園のガラスのピラミッドをイメージした特製ケーキ
「KIZUNA」をいただきながら行いました
「可愛いケーキ!中のクリームも爽やか」と喜んでくださった松井監督、
ざっくばらんなお人柄に、私はすっかりファンになってしまいました
「レオニー」の詳しい情報・感想はコチラをみてね
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