【札幌ラーメン最新事情2013③】札幌ラーメンの新潮流は「あっさり系ラーメン」にあり!

国民食堂

『札幌ラーメン最新事情2013』の今週は3回目です。

今回のテーマは「あっさり系ラーメン」にスポットを当ててみたいと思います。
本日も「札幌ラーメンコンシェルジュ」こと大石がご案内役を務めさせていただきますm(_ _)m

 

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『札幌ラーメン=油が多く、こってり』というイメージを持つ方が多いかも知れませんね。

確かに味噌ラーメンならガツンとニンニクやショウガが効いていて、醤油ラーメンならいわゆる「札幌ブラック」と呼ばれる黒に近い醤油色・・・。

どちらも北国の気候風土から生まれたやや濃い目の味わいを連想する人も多いはず。

脂多めのスープは冷めにくく、冬には特に最高ですよね(^o^)

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(写真は麺屋マルニの醤油ラーメン。実は色は真っ黒なスープだが、南茅部産の昆布がたっぷり使われており、味は非常にマイルド)

でも実は札幌の端麗系のあっさりスープも高いレベルにあることをご存知ですか?

透き通ったスープ・・・・中でも特に今回は「端麗系醤油ラーメン」を中心にご紹介したいと思います。

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コクミンショクドウ K-shock!

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最初にご紹介するのは今年の1月中旬に移転オープンしたばかりの「コクミンショクドウ」です。

新川の人気店「国民食堂」がここ太平に移転して早くも話題を集めております。

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こちらのお店は「ごまから麺」という辛くてややこってり系のラーメンや「魚介パンチAKR」といった、パンチの効いた旭川系ラーメンなんかも提供しておりますが・・・。

やっぱり真骨頂は「あっさり系」メニューでしょう。

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個人的にイチオシなのが、このしょうゆらーめん(白)です(^^)

見てくださいな、このスープの色・・・。
塩ラーメンじゃないんですよ!!
これでもれっきとした「醤油ラーメン」なのです。

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口の中に広がる鶏の旨味・・・。
「あー・・・鶏のスープってこんなに美味しいんだ・・・」

あらためてそう思ってしまう美味しさ。

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メンマじゃなくタケノコを使っている工夫も面白いですね。

昔から鶏の旨味の引き出し方には定評があった店主さん。
移転して非常に繁盛しているご様子で、もしかしたらスープの味も雑になっているんじゃないか・・・。
なんて不安がちらりと頭をよぎったけど・・・・。

とんでもない!!

数段レベルアップした印象のクリアで奥深いスープにびっくり(*o*)

丁寧に丁寧に下処理をして、火加減にも細心の注意を払わないとここまでのスープは取れないと思う。

あらためてその実力に脱帽。

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健康のためできるだけスープを飲み干さないようにしているのだが、ここのスープを残すなんて、私には絶対無理だわ・・・。

このスープを飲み干さずに我慢できる人は相当意思が強い人だと思う(-o-)

 

【国民食堂】
住所:北海道札幌市北区太平4条3丁目3-3 ノースリバービル 1F
営業時間:11:00~15:00 18:00~20:00(木曜日~月曜日)
定休日:水曜日
TEL:090-2053-9510

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らーめん千太

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2軒目も「移転」したばかりのお店です。

お店の名前は「らーめん千太」。
中央バスターミナルの地下にあった知る人ぞ知る名店でしたが、2012年3月に惜しまれつつ閉店。

私も非常に残念に思っていました。

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ところが、2012年11月、「らーめん千太復活」というニュースが飛び込んで来ました(^^)

嬉しい!!

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鶏の旨味と煮干の旨味をじんわりやさしく引き出したそのスープ。

二日酔いの時には随分お世話になりました(笑)

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見て!このクリアなスープ(^^)
写真撮影の技術は無いけど、それでもなんだか美味しさが伝わってきませんか?

一番人気は塩ラーメンだと思うが、個人的にはここの醤油も是非食べてもらいたい!
旨味の出たスープにほのかな醤油の懐かしい香り・・・細胞一つ一つに染み込む感じなんですよ。

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細めのストレートの麺がこれまた相性抜群!

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スープが残り少なくなったところで是非試してもらいたいのが以下です。

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その名も「〆メシ」です!

ご飯にチャーシューに海苔にネギ・・・。

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残りわずかのスープにこれらを投入すると・・・。

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「至福」の一言です(^_^)

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健康のためできるだけスープを飲み干さないようにしているのだが・・・って、あれ?
前の「コクミンショクドウ」でも同じことを書いていたね(^^;

〆メシを頼むと必然的にスープも一滴残らず飲み干すことになっちゃうんだけどね。

悔いはなし!!です。

 

【らーめん千太 】
住所:北海道札幌市豊平区平岸3条9-9-18
営業時間:11:00~16:00(※スープが無くなり次第終了)
定休日:月曜日

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雨は、やさしく

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最後にご紹介するお店はコチラ。
店名は「雨は、やさしく」。

およそラーメン店の名前とは思えないような詩的なネーミングですね。

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畑仕事が好きな店主さん。
雨によって作物が生育していく姿に感動し、感謝の気持ちを持っている・・・というのがネーミングの背景らしいですね。

さて、ここのイチオシメニューは実は味噌ラーメン(^^;

味噌ラーメンと言ってもそんじょそこらの味噌ラーメンとは一線を画すものなんです。

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そもそもコチラのお店、実は動物系スープを焚いていないんです!!

店舗の上が住居となっており、その方とのお約束とかで動物系スープが焚けないという・・・。
普通に考えると「ラーメン店としては致命的な立地」ですよね。

ところが、この店主さんはそれを逆に自分に課したテーマとして捕らえたようで、
「動物系スープを使わずに美味しいラーメンを作る!」
と決意。

魚介を中心に昆布や椎茸など様々な素材を組み合わせて見事なスープを作りあげてしまったんですよね。

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で、味噌に関してはどうしても「動物系のコクを加えたい」ということから生み出されたのが、外の看板にも書かれている「白肝ペースト」なるもの。

これは鶏のレバーや玉ねぎなどから作られたオリジナルのペーストらしいですが、コレを溶きながら食べると、深みやコクが増して、すばらしい味噌ラーメンに変身するんです!!

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ということで、このお店の味噌ラーメンに関してもっと語りたいところですが・・・。

今日は私が「醤油ラーメン縛り」というテーマを自分に課してしまったので、ここからはこのお店の醤油ラーメンの美味しさを語っていくことにしよう(苦笑)

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先に書いた通り、動物系のスープを焚いていないこの醤油スープ。

下手をすると蕎麦かうどんのスープになってしまうところ、鶏油(チーユ)を使うことで、実に上手く動物系のコクをプラスし、美味しいラーメンスープに仕上げている。

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細くてストレートの麺との相性も抜群。

茹で時間は数十秒と短く、その分パツッとした食感・歯ごたえが心地よい。

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大葉だったり、一番出汁を引いた後の昆布とゴマのペーストだったり、独創的な具材もこのラーメンを守り立ててくれているのだが・・・。

何より驚いたのがこの長い具材。

最初メンマかと思ったら、なんと牛蒡(ごぼう)(*o*)

ラーメンに牛蒡?そんな違和感も最初の一口で消し飛んだ。
歯ごたえのいい食感と優しい味付けはこのラーメンには欠かせないアクセントになっている。

オープンして間もないお店ながら、色々と可能性を秘めたお店であることは間違いない。
これからも目が離せない一店です(^^)

 

【雨は、やさしく】
住所:北海道札幌市厚別区大谷地西3丁目3-3
営業時間:11:00~15:00 17:00~19:30(土・日・祝は通し)
定休日:月曜日(祝日の場合は営業/翌日休)
TEL:011-895-0607

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ということで「札幌ラーメン最新事情2013」はあっさり系ラーメンにスポットを当ててみました。

出張で東京に行く機会も多い筆者、最近は歳のせいもあり「あっさり系」のお店を中心に食べ歩いています。

確かに首都圏で話題になっているあっさり系ラーメンは美味しいお店が多いです。
でも、そんな中、感じるのは「札幌のあっさり系ラーメンも美味しいのに・・・もっと観光客にも食べてもらいたいなぁ・・・」というジレンマにも似た思い。

観光でいらっしゃる方はどうしても「こってり味噌」に食指が動くのもわかりますが・・・。
『札幌のあっさり系ラーメンだって全国トップクラスなんですよ!』
とあえてアピールしておこう(^o^)

 

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WRITER/大石 敬(札幌ラーメンコンシェルジュ)

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