延期になっていた「ウポポイ(民族共生象徴空間)」のオープン日が7月12日(日)に決まりました!そこで、「ウポポイ」特集の第2弾は、一足先にお邪魔した「ウポポイ」の様子をレポートします。
東京ドーム約2個分の広大な敷地を有する「ウポポイ」。今回は中核施設の一つ「国立アイヌ民族博物館」の中をご紹介していきます。
「国立アイヌ民族博物館」はアイヌを主題にした日本初の国立博物館です。先住民族アイヌの歴史・文化等に関する正しい認識と理解を促進することを理念にしています。
工夫を凝らした展示は見応え十分!触って学べる体験型の展示もあり、大人も子供も楽しめます!
「ウポポイ」の基本情報は第1弾を、「国立民族共生公園」の様子は第3弾をご覧ください。
※新型コロナウイルスの影響により、展示方法やプログラムが変更となる可能性があります。最新情報は「ウポポイ」公式HPをご確認ください。
■目次
アイヌを主題にした日本初の「国立アイヌ民族博物館」
エントランス棟の入場ゲートを抜けると目の前に見えるのが、先住民族アイヌを主題とした日本初の国立博物館「国立アイヌ民族博物館」です。
展示室の手前にあるパノラミックロビーはポロト湖が一望できる絶景スポット!連続する山並みの雄大さに思わず足が止まります。
向かって右側の奥には「伝統的コタン」のチセ(アイヌの伝統的な住居)が見えます。
施設内ではアイヌ語が第一言語になっています。そのため、案内掲示板や解説パネルでは一番先にアイヌ語、次に和人の言語としての日本語、外国語と表示されます。
日本語が地域によって方言があるように、アイヌ語にも方言があると知っていましたか?博物館では「多言語」の多様性を大切に守るため、館内にある案内板や展示コーナーをそれぞれ違うアイヌ方言で表示しています。
方言を比べてみると、その多様性にびっくりします!ちなみに、アイヌ語の小さいカタカナは息を閉じて発音するそうです。結構むずかしいです…。
現代に息づく多様なアイヌ文化に触れられる「基本展示室」
アイヌ語を交えた歓迎の映像が映し出される廊下を進んだ先にあるのが基本展示室です。
他博物館からの寄贈や遺跡で発見された伝統の品だけでなく、現代を生きるアイヌの方が製作した民具を数多く見られるのも魅力の一つ。
国宝や重要文化財はありませんが、アイヌ民族の生活に密着したものなどを「アイヌの生の声」として大切に展示しています。
所蔵資料数はなんと約1万点!基本展示室の大テーマは「ことば」「歴史」「世界」「くらし」「しごと」「交流」の6つ。アイヌ文化とそれにかかわる人々が様々な視点で紹介されていました。
アイヌの人達にとって動物は神様のような存在で「カムイ」と呼ばれます。
展示室の頭上には展示テーマに合わせた鳥の模型が吊るされています。
例えば、様々な文化や民族との交流をテーマにした展示の上には、和人との交易で羽が重宝されたというオオワシの模型が吊られています。
ほかにも口承文芸やアイヌ語由来の地名を紹介する言葉がテーマのコーナーには、雄弁なカムイとされたミヤマカケスがいました。
展示方法がとてもユニークで、動物の模型やぬいぐるみを見つけるたびに「どういう意味を持つ動物なんだろう?」と考えながら見て回るのが面白かったです。
アイヌ語のクイズができるタッチパネルもありました。館内には楽しみながらアイヌについて学べる工夫がたくさん!
さわって学ぶ体験型の探究展示「テンパテンパ」
お子様連れのファミリーや体験型の展示が好きな方にオススメするのはコチラのコーナーです!「テンパテンパ」はアイヌ語で「さわってね」という意味で、アイヌに関する色々な要素が詰め込まれたスペースです。
※「テンパテンパ」はオープン当初は新型コロナウイルス感染対策のため触れることができません。
アイヌと関係の深い動物のぬいぐるみや図鑑、楽しい仕掛けを通じて、アイヌに興味を持つ入口になってくれます。
「テンパテンパ」で興味を持ったら展示物コーナーでさらに知識を追求してみるという楽しみ方も「国立アイヌ民族博物館」ならでは。
他にも、毛皮を防寒具にしたり、角をマキリ(小刀)の落下を防止する留め具に使ったりと、アイヌの生活に欠かせなかったシカの活用方法が一目でわかるコーナーもあります。
アイヌの首飾りをデザインして遊べるコーナーもありました。実物を見ながら好きなように色とりどりのパーツを並べていきます。
パーツはマグネット製なので、小さなお子様でも簡単に遊べます。
博物館の展示に関連したグッズが買える「ミュージアムショップ」
博物館の1階にはミュージアムショップがあります。オープン前ということで商品は少ない状態でしたが、アイヌの工芸品や展示資料をモチーフにしたオリジナルグッズや関連書籍などが販売されるとのこと。
店内ではコーヒーも提供するそうなので、併設されている休憩スペースでポロト湖を眺めながらひと休みすることもできます。
商品のラインナップは乞うご期待です。
博物館には基本展示室のほかに特別展示室もあり、オープン当初は開館記念特別展「私たちが受け継ぐ文化~アイヌ文化を未来へつなぐ~」を開催。
継承されてきた技術や感性を現在活躍中の作家や担い手を中心に紹介しています。
7月12日オープンへ向けた「ウポポイ」の取組
今回は、オープンに向けて鋭意準備中の「国立アイヌ民族博物館」の中をご紹介しました。
「ウポポイ」では来場者が安心して楽しめるように、新型コロナウイルス感染拡大予防に取り組んでいます!
■対策例■
・来場前にサーモグラフィーで体温を測定
・従業員のフェイスシールドやマスクの着用
・パンフレットやチラシの手渡しを控える
・屋内施設の定期的な換気 など
※今回ご紹介したアイヌクイズが出来るタッチパネルや「テンパテンパ」など一部展示は、接触感染を避けるためにオープン当初は利用禁止となります。
次回の第3弾は、広~い「国立民族共生公園」をぐるりと紹介します!
更新は近日中!お楽しみに♪
施設概要&アクセス情報
・バリアフリー対応
・無料wi-fi
・エントランス棟ショップ:来訪記念の各種お土産品に加え、お弁当やパン、ドリンク類、日用品まで幅広く販売されます。
・国立アイヌ民族博物館ミュージアムショップ:アイヌ工芸品や博物館の展示に関連した書籍、軽食なども販売。公園を眺めながらくつろげるスペースもあります。
期間 | 開園時間 |
7月12日(日)~7月19日(日) 9月1日(火)~10月31日(土) |
平日 9:00~18:00 土日祝日 9:00~20:00 |
7月20日(月)~8月31日(月) | 9:00~20:00 |
11月1日(日)~3月31日(水) | 9:00~17:00 |
※閉園日/月曜日(祝休日の場合はその翌日以降の平日)および年末年始(12月29日~1月3日)
個人 | 団体(20名以上) | |
大人 | 1200円 | 960円 |
高校生 | 600円 | 480円 |
中学生以下 | 無料 | 無料 |
※博物館と公園の共通券の料金です(博物館の特別展示や一部の体験メニューを除く)
◆空路
東京▶新千歳空港:約1時間40分
大阪▶新千歳空港:約2時間
◆道内各都市から
札幌▶【札幌北IC】高速道路利用で約65分
札幌▶【JR札幌駅】特急列車利用で約65分
旭川▶【旭川鷹栖IC】高速道路利用で約2時間20分
旭川▶【JR旭川駅】特急列車利用で約2時間30分
新千歳空港▶【新千歳空港IC】高速道路利用で約40分
新千歳空港▶【JR新千歳空港駅】特急列車利用で約40分
函館▶【大沼公園IC】高速道路利用で約2時間50分
函館▶【JR函館駅】特急列車利用で約3時間
※上記時間は目安です。乗換時間は含みません。
◆白老町内からのアクセス
JR白老駅から徒歩で約10分
白老インターから車で約10分
◆駐車場
園内駐車場:一般駐車場 246台 一回500円
園外駐車場:一般駐車場 311台 一回500円
※障がい者本人及びその介護者1名が乗車する車両1台分が無料。窓口で障がい者手帳等を確認後、サービス券が1枚交付されます。大型バス駐車場は除きます。
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