今年の日本は本当に暑いですね。北海道は他の地域に比較すると少しはましなのかも知れませんが、それでも例年の北海道に比べると地元の人間には信じられないような暑い日が続いています。
そして暑い日が続くとどうしても食欲も落ちてきます。体力を維持するためにも、少しでも食べやすいものを選んで、しっかり食事を摂るのが良いのではないでしょうか。
ということで今回は暑い日でも食べやすい「つけ麺」にスポットを当ててみたいと思います。
意外と知らない?「つけ麺」とは
札幌でも美味しいつけ麺を提供するお店が増えたとはいえ、もしかするとまだつけ麺を食べたことが無い方もいるかもしれません。
簡単におさらいしておくと、つけ麺は麺とスープが別々に提供され、いわゆるざるそばやもりそばのようにスープ(つけダレ)に麺をつけて食べるものです。
ざるそばやもりそばと違うのは「冷たい麺を”温かいスープ”につけて食べる」というのが一般的なスタイルという点です。
※中には冷たいスープで提供されるもの、あるいは麺も温かい状態で食べるものもあるが、一般的には冷たい麺+温かいスープが多い。
つけ麺の発祥はどこ?

▲2014年、2015年には山岸氏の東池袋「大勝軒」がさっぽろ東急百貨店のイベントに出店
日本のつけ麺の発祥には諸説ありますが、1955年(昭和30年)に東京都の大勝軒(中野店)にて山岸一雄氏が開発・商品化したという説が定説になっています。
最初は山岸氏が残ってしまった麺をためておき、湯のみ茶碗にスープと醤油を入れてそこに浸して食していた、まかない食が元になっているとのこと。
それをお客様の要望に合わせて「特製もりそば」として1955年にメニュー化したものがつけ麺のルーツと言われています。
その後さまざまなつけ麺が登場しますが、同じベクトル、あるいは違うベクトルなどがあるものの、つけ麺のルーツはこの山岸氏の生み出したものに何らかの影響を受けていると言ってもいいのではないでしょうか。
札幌につけ麺が定着し始めたのは2006年以降
1955年に生まれたつけ麺が札幌で市民権を得るのはずっと後になってからです。
2006年~2007年頃から徐々につけ麺を提供するお店が登場することで、少しずつ認知されてきたように思います。
2006年8月 あらとんがオープン

東京で修業をされた店主さんが、場外市場にあらとんをオープン。新鮮な魚のアラと豚骨をベースにしたつけ麺が人気となる。
2007年5月 麺処まるはの「特製つけそば」

麺処まるはにて東京の老舗製麺所「浅草開化楼」の麺を取り寄せて「特製つけそば」の提供を開始。食べ手側だけじゃなく市内製麺所やラーメン店にも刺激と影響を与えた。
2007年6月 らーめんeijiの「濃豚(のーとん)つけ太」

らーめんeiji(現MEN EIJI)にて「濃豚(のーとん)つけ太」の提供を開始。濃厚なスープに極太麺の組み合わせに多くの人が衝撃を受け虜になった。
札幌でつけ麺が登場してから15年以上が経ち、今では様々なお店でつけ麺が食べられます。美味しい店もたくさんありバラエティ豊かになってきました。
とはいえ、まだまだ「名前は知っているけど食べたことが無い」という人もいるようです。
今年の暑い夏、つけ麺を食べたことが無い方はこの機会に食べてみてほしい。つけ麺が好きという方は新しく登場した美味しいつけ麺に出会ってほしいです。
ということで、今回は比較的新しいお店にスポットを当てて4店ご紹介したいと思います。
※サービス内容、営業時間、定休日等は変更となる場合がございますので、来店前に店舗にご確認ください。
TSUKEMEN ICHI
「イマドキの若者は」なんて言葉を言うようになったら年を取った証拠!そしてそういう発言をする上司は嫌われるらしいです。


▲モノクロを基調にしたスタイリッシュな店構え
さて、すすきのに2023年5月にオープンした注目の新店。「TSUKEMEN ICHI」のお話。
クラウドファンディングでオープン資金を調達したことでも話題になっているお店だが、最近は味の評価もグングン急上昇中の注目のお店。

▲よく見なければちょっとしたバーのようでもある
で、この「ICHI」というブランドとロゴ。ピンと来る人もいるでしょう!
そう!既にすすきので行列になっている「RAMEN ICHI」の2号店なのです。
店名 | TSUKEMEN ICHI(つけめん いち) |
所在地 | 札幌市中央区南5条西4 |
アクセス | 地下鉄南北線「すすきの」駅から徒歩3分 |
駐車場 | あり(近隣にコインパーキングあり) |
営業時間 | 金・土曜日 18:00~27:00、ほか18:00~25:00 日曜営業 |
定休日 | なし(SNS要確認) |
席数 | 13席 |
(店舗情報の引用元:食べログ)
「RAMEN ICHI」の2号店

▲地下鉄南北線「すすきの」駅から徒歩3分
とはいえ「RAMEN ICHI」を知らない方も多いでしょうから、「RAMEN ICHI」の方からご紹介しておきましょうか。

▲この看板が目印
2021年4月という、まだまだ新型コロナが猛威を振るっているさ中にすすきのにオープンしたお店。立ち食いというスタイルもそうだが、店主さんが現役大学生ということでも話題になった。
現在は店主さんと同世代のスタッフさん数人と運営している、文字通り「今どきの若者」が経営も味作りも行っているお店。

▲待ち時間は状況によるが一人あたり5分程度と短め
私自身も興味はあったが時期と場所を考えると中々足を運びにくく、初訪問はオープンしてからずいぶん時間が経ってからのことだった。
少し行列に並んだ後に入店したら、そのスタイリッシュな店内と居心地の良い空間にちょっと驚いた。

スタイリッシュかつ美味しい「RAMEN ICHI」のラーメン

▲夜鳴き中華そば
さてさて、「RAMEN ICHI」で提供されるラーメン。「夜鳴き中華そば」と名付けられたそれは、お店の雰囲気同様スタイリッシュ!
だが、見た目だけじゃない!

▲スープは優しい味わいの煮干ベース
この動物系の脂と相まってパンチと上品さを兼ね備えた極上スープが美味しい!

▲円山製麺製の平打ち麺
麺は手もみすることによって適度な縮れができ、啜る時の食感がとても楽しい。
麺そのものの美味しさもあり、これは極上ラーメン。イマドキの若い者はまったく!なんてスタイリッシュで美味しいラーメンを作るんだ。
ウイスキーボトルが並ぶ「TSUKEMEN ICHI」の店内

▲シックなデザインののれん
さて、クラウドファンディングを活用してオープンしたのは既に書いた通り。これがまたいいお店なんだよね。

▲ボトルキープされたものもあるようだ
お店に入るとまず目に飛び込んでくるのが棚に並べられたウィスキーのボトル。

▲いさぎよい、こざっぱりとしたシンプルなお品書き
メニューの筆頭は「麺」ではなく「酒」なのはRAMEN ICHIと同じだが、お店の雰囲気はよりバーに近い印象だね。
まずは麺だけを塩で食べるべし

▲スープに浮かぶ油揚げが珍しい
いただいたのは「特製〆つけ麺」!


▲全粒粉っぽい平打ち麺
で、「TSUKEMEN ICHI」の麺。「RAMEN ICHI」同様に円山製麺の麺とのことだが、これが実に美味しい。

▲塩で食べるというのは初めての体験。どれどれ……
「まずは卓上の塩で食べて欲しい」とのアドバイスと共に麺が提供された。それに従って、卓上の塩を麺にパラリ。

▲純粋に小麦の風味を楽しめる食べ方だ
これが実に美味しいの!!!なんだったら塩だけでも一玉ぺろりと行けちゃうんじゃね?ってぐらい滑らかな食感と風味が素晴らしい麺。

▲薄切りの揚げも麺と一緒に
そしてこのスープ。つけ麺はしっかり濃厚系のものがどちらかと言えば多いように思うが、それは「濃厚系の方が印象に残りやすく、中毒性が高いから」という気がする。
だが、この淡麗系のスープは印象にも残るし、なんならすぐにリピートしたくなるから不思議だ。

▲途中、黒七味で味変
これ以上野卑たワイルド系のスープなら麺との相性が悪いだろうし、これ以上旨味が弱ければ物足りなさを感じるところ。
ギリギリのところで、麺とのピタリとした相性が考えられている感じだった。

▲焦げた皮目がたまらない
鶏チャーシューは直前にバーナーで炙られて香ばしさがプラスされている。
イマドキの若者は……?

▲海苔はちぎって散らしてもいいし、スープを含ませてそのまま食べてもいい
「RAMEN ICHI」も「TSUKEMEN ICHI」も共通して受けた印象の一つが……「厨房狭っ!」。
よくまぁこの狭い厨房で色々な工夫を凝らして仕込みと調理をするよなぁ、と感心する。

▲こんなに黒いけどちゃんと七味
そしてどちらのお店も、その狭い厨房で楽しそうに働く若者の姿が印象に残ったことも書いておこう。


▲スープ割はつけ麺の醍醐味
ちなみにシメのスープ割はなんと番茶という、これまたサプライズ。でもこれが実によく合うんだよね。まさに「〆のつけ麺の〆」にぴったり。

まったくもってイマドキの若い者は……すげーじゃねーか!!そう思わずにはいられないのでした。
らーめんTOMEJI

「ちょっと目を離すと……」と書くと普通は子供が迷子になった時などに使う枕詞かも知れない。やんちゃな手のかかる子供にはありがちだよね。

▲お店はミニスーパー全日食チェーン北18条店が入っている建物の地下1階
だけど今回はこのお店の枕詞に使いたい。「らーめんTOMEJI」です!
店名 | らーめんTOMEJI(とめ治) |
所在地 | 札幌市北区北18条西4-2-20 北18条ハイツ B1F |
アクセス | 地下鉄南北線「北18条」駅から徒歩約3分 |
駐車場 | なし 近隣にコインパーキングあり(20分100円) |
営業時間 | [月・火・水・金・日]11:00~13:50(L.O.)、17:00~19:50(L.O.) [土]11:00~13:50(L.O.) 日曜営業 |
定休日 | 木曜日、水曜日は不定休 |
席数 | 15席(カウンター7席) |
(店舗情報の引用元:食べログ)
またたく間に進化していくお店
今回の札幌ラーメン最新事情では必ず載せたいと思っていたお店。メニューはあれもこれも美味しく、どのカテゴリーで紹介しようか迷っていたお店。

▲現在ののれん
そして、なんせ進化のスピードがハンパない。だから、撮った写真もすぐ古くなるし、味もどんどん変わるから紹介のタイミングがなかなか難しいと思っていたお店。

▲オープン当初ののれん
のれんもオープン当初とは変わっています。

▲海老味噌ワンタンそば
増毛産甘海老を使用した「海老味噌ワンタンそば」は海老の旨味が爆発し、パンチと上品な旨味にあふれた一杯だったし、

▲溜まり醤油鶏そば
「溜まり醤油鶏そば」は鶏の香りと旨味、そして醤油のコクにあふれた極上の清湯ラーメンだった。
ほのかな香ばしさを感じる鶏油でオンリーワンな美味しさ。
独学でつくったラーメンがオープン当初から話題に
さて、ここ「らーめんTOMEJI(とめ治)」の店主の大森氏はラジオパーソナリティやミュージシャンとしても活躍されており、ラーメン以外の分野でご存じの方も多いだろう。


▲溜まり醤油と鶏の旨味と強いコクを感じるスープ
その彼がお店をオープンさせたのは2021年4月。独学でスタートしながらも当初から独自の美味しいラーメンで評判を呼んでいた。
調理の腕が立つとか経験が豊富というのではない。なんせ未経験なんだから。あくまで手探りのスタートだったと思う。
色んな試行錯誤を繰り返し、ラーメン好きのご自身の舌が「いい」と思ったものはどんどん取り入れていったのだと思う。その結果、食べに行くたびに「進化」しているんだよね!

麺と昆布水だけでも美味しいつけ麺!〆はスープ割で

▲「溜まり醤油つけそば」
そんなTOMEJI。今回は是非つけ麺でご紹介したい。
そもそも、つけ麺は一般的には麺の茹で時間も長めだし、水で麺を〆るという工程も必要となる。
少なくともワンオペの多いこの店でメニュー化しようと思った時点で既にすごいと思ったね。

▲円山製麺製の麺
だが、これが実にクオリティが高いのである。まず麺がめちゃめちゃ美味しい!唇で引っ張ると伸びるような弾力のある麺。

▲ひたひたに入っている透き通った昆布水
これが昆布水に浸されていて、麺だけ啜っても十分に美味しい。この弾力と滑らかさは秀逸!

▲具はバラ海苔、ネギ、麩
溜まり醤油のコクと鶏の旨味。口の中に広がる抜群の香り。どれをとっても美味しいつけダレ。
これが先ほどの昆布の旨味をまとった円山製麺の滑らかな麺と組み合わさるとため息が出るほど美味しい。


▲スープが浸かっていた昆布水を残しておいた
店主さんに言えば〆のスープ割を提供してくれる。が、この麺が浸っていた旨味たっぷりの昆布水で割っても十分すぎるほど美味しい!

▲スープ割、美味しくも濃いスープを最後までいただける素晴らしいサービスだ
スープ割をお願いすれば、スープが熱々になってまた一段香りがふくらみ、大満足の〆スープとなる。
冷たい昆布水を使うのも、熱いスープ割でいただくのも、シメとして満足できること間違いなし。
溜まり醬油つけそばがあまりに美味しかったので「また近いうちに必ず来ます!!」と言ってお店を後にしたのであるが……
レモン酢でがらりと変わる「伊吹いりこのつけそば」

▲「伊吹いりこのつけそば」
近いうちにどころか、翌日来てしまいました(笑)この日は「伊吹いりこのつけそば」をいただきました。


▲煮干の旨味に背脂の甘さが加わったスープ
こっちはさらにぶっ飛ぶ美味しさ。一見すると脂が多いように見えるが、これが麺と一緒にいただくと実に良いバランスのコクと旨味になる。

▲キリっと引き締まった味わいになり美味しさが加速する
ちなみにつけ麺は途中で卓上のレモン酢を麺に垂らすと、これまた表情が一変!これも試して欲しいです。
あくなき探究心と進化にこれからも期待

▲スープまで飲み干したい美味しさ
さて、「伊吹いりこのつけそば」だが、煮干の旨味と複雑な風味がすごく良い。店主さんに伺うと「実は伊吹産のいりこだけじゃなく、長崎産のアゴと焼きアゴ、四国産のウルメイワシなど4種類を使っている」とのこと。

独学とは言え、もちろん色んな方のアドバイスがあったのだと思う。だって、これだけ正面から向き合っている人だもの、応援したくなるよね。

▲新しいのれんに登場した愛らしい笑顔の裏には血の滲むような努力が……あるにちがいない
それでも、最終的には自分で味を作り上げていくしかない。「ラーメンに真摯に向き合い」「素材を試し」「調理を試し」……相当な努力と苦労をされたのだと思う。
これからも、どんどん進化していくであろうらーめんTOMEJI。この先もホント目が離せない。できればずっと進化する姿を追い続けていきたいと思うのでした。
つけめんしんちゃん

▲店の前を通りかかる度にまだかまだかと首を長くしていた
2023年6月9日に厚別区に話題のお店がオープンした。「つけめんしんちゃん」というお店である。
実は、東京は蒲田の超人気店「煮干しつけ麺 宮元」で修業された方がオープンされたお店ということで、オープン前からラーメン好きの間では話題になっていた。

▲個性が強い豚のキャラクターは……ベーススープの豚骨にかかっているのかな?
ちなみに「宮元」の店主さんは「麺屋一燈」というこれまた超有名店出身で、「凪」という名店での修行経験もあるお方。
つまり、この「つけめんしんちゃん」は、有名&人気店の系譜を持つある意味サラブレッドのようなお店というわけだ。


▲つけ麺の量は並盛~特盛の4段階
ワタクシは既に何回か訪問済み。このお店のオススメをもし聞かれたら……「大盛か特盛」と答えるね。
「メニュー名じゃなく麺量かよっ!」ってツッコミが聞こえてきそうですが(笑)それぐらい麺が美味しい!
店名 | つけめん しんちゃん |
所在地 | 札幌市厚別区厚別西5条1-16-1 |
アクセス | JR「厚別」駅から1,180m |
駐車場 | あり(店前7台) |
営業時間 | [月・木・金・土・日]11:00~15:00、17:30~21:00 [火]11:00~15:00 日曜営業 |
定休日 | 水曜日 |
席数 | 24席(カウンター8席) |
(店舗情報の引用元:食べログ)
受け取った瞬間ずしりと感じる特盛450g

▲「しんちゃんつけめん(1,000円)」の特盛(300円)。写真ではわかりにくいがすごい麺の量だ
ということで、「しんちゃんつけめん+特盛」でございます。カウンター席でお盆を受け取る時に「重っ」と思ってしまった。
ずっしりとした手ごたえはボリュームの多さを表しているので、受け取った瞬間からワクワクする。

▲極太のストレート麺。モッチリとしていて食べごたえがすごい
見て!このつややかな麺!特盛だと麺の量が多すぎてわかりにくいかも知れないが、実は麺の一本一本がかなり太い。


▲とろみがある、濃厚な豚骨魚介系のつけだれ
そしてインパクトがある麺に負けないぐらいインパクトのあるつけダレ。写真でもその濃度の高さが伝わるかと思う。
お店が推奨!まずは麺だけ食べる

▲初来店時はこのオススメに従って食べてみよう
オススメの食べ方が書かれていて、まずは「麺のみで食べる」とのこと。
最近ネットでとある店主さんが「つけ麺の麺だけ食べてどうする!」的な発言があり炎上したが、私はここであえて言いたい。
まずはぜひ麺だけで食べて!!

▲北海道産の小麦をブレンドしているとのこと
この麺、モッチリとした弾力の極太麺は噛みしめるとほのかに甘みさえ感じる美味しさ。これは極上麺!

▲濃厚なつけダレにくぐらせると最高に幸せな気分になる
豚骨に鶏や煮干しなどの魚介を加えて作られたというつけダレは確かに「濃厚」なのであるが口当たりはとてもまろやか。
そしてイヤな魚介の臭みなどは皆無!濃厚な旨味だけが口の中に広がる。
美味しい麺を味変で味わい尽くす

▲カウンター上に配置された調味料
卓上には一味、山椒、酢などが並んでいて味変も楽しめる。

▲中にはレモンが入っているようだ
季節ごとに調味料の一部が変わるそうで、直近で訪問した際はりんごレモン酢が置かれていた。
ベースのスープが美味しいので味変するのがもったいないぐらいであるが、麺にちょっとかけたりレンゲに少したらして様子を見ながら楽しむのもいいと思う。

▲一味をトッピング
私は一味や山椒を麺にふりかけ、酢やりんごレモン酢などもちょいと麺に垂らして楽しんだが、どれもこれも魅力ある変化があって楽しかった!
つけダレは温めなおしで最後まで美味しく

▲半分ほど食べたところでスープの冷たさが気になってきた

楽しみがまだまだ続くから嬉しい一方で、つけ麺の唯一の欠点である「途中でつけダレがぬるくなる」という問題が登場する。

▲箸入れに貼られた「つけだれ 温めなおしできます」の文字
でもご安心ください。ここでは温めなおしをしてくれるんです!!
再び温められたつけダレで気持ちもあらたに美味しくいただけるのはありがたい。

▲私は麺にお酢をたらして味変をするのが好みでした
特盛は450gで普通盛150gの3倍。さすがにお腹は結構いっぱいになっているはずなのに箸が全然止まらない。
いつまでも食べ続けていたい、という気持ちにさせる危険な食べ物でもある。

▲スープ割でフィニッシュ!
卓上のポットに入ったスープ割で締めくくり。このスープ割も昆布や魚介の風味の効いている極上品。

▲特盛の麺を平らげ、そしてスープも……
スープ割でまたこのつけダレの魅力が最後にもう一度花開く感じ。最後の最後まで楽しめるつけ麺だった。


▲お店のキャラクター。名前はあるのだろうか。もしや「しんちゃん」?
やっぱり「つけめんしんちゃんのオススメは何?」と聞かれたら「大盛か特盛」と答えると思う。
極太麺だけに茹で時間も長いし、既に人気店になりつつあるので並びも覚悟する必要があるが、待ってでも食べる価値がある。

麺Style三嶋
北海道庁と植物園に挟まれたエリアにある、昭和の風情の残る緑苑ビル。道庁が近いだけあってオフィスワーカーの多いエリアである。

▲「地下名店街」というネーミングも良い
そこに2022年7月にオープンしたのが「麺Style三嶋」。

▲こういう雰囲気は個人的に大好き
地下へ降りていく階段は狭く、まさにレトロな昭和風情。
とはいえ、地下の飲食店はどこもキレイに改装されたお店が並び、昭和風情というより現代風の穴場のお店が多い印象かな。
さて「麺Style三嶋」は、釧路の人気店「麺屋 武双」出身の店主さんがオープンさせたお店。ちなみに麺屋武双は東京の名店「麺屋武蔵」ご出身の方とのこと。
「麺屋武蔵」と言えばサンマ節を使い一世を風靡したことでも有名。

▲お店の外観
麺屋武蔵には東京在住時はずいぶん通ったお店だが、サンマ節に限らず色んな素材をスープに取り入れラーメンもつけ麺も美味しいお店だった。
ということで、その名店~人気店の流れをくむお店とのことで期待大!!
店名 | 麺Style三嶋(めんすたいるみしま) |
所在地 | 札幌市中央区北3条西7-1-1 緑苑ビル B1F |
アクセス | 地下鉄「さっぽろ」駅から502m |
駐車場 | なし |
営業時間 | [月~金]昼11:30~14:30、夜17:30~19:30 [土・祝]昼11:30~14:30 |
定休日 | 日曜日 |
席数 | 14席 |
(店舗情報の引用元:食べログ)
店長のオススメは「DXつけ麺」

▲店外の券売機で購入する食券制だが店内にもメニューがある
ラーメンもつけ麺も提供しているが、お店のオススメとして「DXつけ麺」に印がつけられている。実際つけ麺を食べた人の間では評価がうなぎのぼりのお店。

▲「DXつけ麺」
ということで「店長オススメ」と書かれていたDXつけ麺をいただきましょう!


▲麺に乗っている具はチャーシュー2枚とハーフ味玉1つ
麺はカネジン食品の全粒粉を混ぜた道産小麦100%とのこと。これが実に美味い。

▲魚介はアジやアゴを使っているらしく、濃厚で複雑な旨味がいい
併せるスープは鶏白湯が主体の模様。それに豚骨や魚介の風味がする濃度が高めのスープ。

▲とろりとしたスープが麺にまんべんなく絡む
濃厚な旨味にあふれているがクセやエグミは皆無のスープ。道産小麦100%の麺は弾力といい滑らかさといい、つけ麺にぴったり!
全体としてものすごく食べやすいつけ麺に仕上がっている。
大石流ライスの楽しみ方をご紹介

▲低温調理ならではのこの赤身が食欲をそそる
低温調理で仕上げられたチャーシューはしっとりしていて旨味が凝縮されている。実は、このチャーシューも評判だったのでライスを注文していたりして。

▲タレにくぐらせてライスにどーん!
これがやりたかったんだよね、極上チャーシュー丼!これ、ヤバ美味です。

▲染み具合が断面から伝わると思う
味の良く染みた卵もいいね。2枚乗ったチャーシューに味玉プラスの「DXつけ麺」にして正解!

▲お楽しみはまだまだ……
で、ほんのちょっぴりライスを残して、

▲スープ割りをしたつけダレにドボン!
極上の〆です。

▲アジやアゴなどの魚介の風味がしっかり漂う極上の割スープ
ちなみにスープ割をお願いするとレンゲと共にこういう器で提供されるんだけど、この割スープが激ウマ!
これをつけダレに入れて割ったらそりゃ美味しい〆スープになるよね。塩分濃度も決して高すぎず、オフィス街で食べるつけ麺としてはまさにベストな調理とチューニング。
だが実は、優等生過ぎてワイルド系が好きな人にはもしかしたら物足りなく感じるかもしれないな。
……と少し前振りをしておこう。
個人的オススメはパンチが効いた「辛つけ麺」

▲つけ麺よりたった10円しか違わない
はい!後日いただいた辛つけ麺。辛さはレベル1~3で選べるんだけど、最初からレベル3でいっちゃいました。

▲麺は通常のつけ麺と同じ
相変わらずの美しい麺。


▲唐辛子の辛さが加わったスープ
なにこれ!極上のパンチが加わるじゃない!あんなに優等生に見えた君が、こんなにヤンチャになるなんて。
ノーマルつけ麺では感じなかった魅力というかスープの輪郭が改めてくっきり浮かび上がった印象。

▲相変わらず濃度高いスープは麺に良く絡む
麺を持ち上げると、濃厚なつけダレと一緒に唐辛子も拾ってくれるのがいいんだよね。

▲辛つけ麺も、上品な魚介スープ割で最後まで楽しむ
シメはもちろんスープ割。パンチの効いた辛いスープが穏やかに姿を変えていく。

ノーマルのつけ麺ももちろん美味しい。でも、個人的にはこれに辛味のアクセントの効いた辛つけ麺が非常に気に入った。
ちなみに、つけ麺の大盛りと特盛りを注文するとなんとスープのお代わりが一杯できるそう。そして、辛つけ麺のお代わりスープは辛さのレベルも変更可能とのこと。

落ち着いて食べたいなら夜の訪問がおすすめ

▲「まぜそば」
ちなみに「まぜそば」も美味しかったですよ。通常の混ぜそばよりちょっと汁気が多く、この麺との相性も良かったね。
まだラーメンは未食だけど、いかにも丁寧にスープを取っていることがわかるだけに絶対それらも美味しいに違いない。

▲タレと麺をよく混ぜてからいただく
接客も抜群のご夫婦が営むお店。昭和を感じるレトロなビルの地下飲食街の穴場的なお店。
ランチタイムは周辺のオフィスの方で混雑しますが、夜は比較的すいているようなので、落ちついて食べたいお客様は夜の訪問もいいかも!

さいごに
ということで、つけ麺の美味しいお店で比較的新しいお店4店をご紹介させていただきました。
今回紹介したお店以外にも、美味しいつけ麺を提供しているお店はたくさんあります。
個人的な考えですが、つけ麺はラーメン以上に麺の美味しさがわかりやすく、麺の重要性も高いように思います。
札幌でつけ麺が徐々に市民権を得てきた背景には、麺が美味しくなったということもあると思います。そしてその背景には道産小麦の品種が増え、しかも美味しいものが増えてきたことも。
製麺会社各社がしのぎを削って美味しい麺を開発したこと、そしてそれらを小ロットでも提供するようになったこと。そして、もちろん店主さんの努力。そんなことも関係あるように思います。
北海道のつけ麺シーンがますます面白くなってきました。ぜひ暑い今だからこそ、つけ麺を食べてみませんか?
既に今年の特集でご紹介している下記のお店でも美味しいつけ麺が食べられます。参考にしていただければと思います。