編集部の林原です。7月にしては涼しいくらいのある日、ニセコの昆布温泉へ夫婦二人で泊まってきました。美しい緑に温泉、評判のハーフビュッフェのお食事、そしてロビーコンサートなど、ちょっとくたびれ気味の私たちを優しく癒してくれた「ホテル 甘露の森」、1泊2日旅のレポートです。
■目次
名水の里、ニセコ昆布温泉郷の深い緑に包まれたホテル
札幌を車で出発して約2時間、2018年に小樽の先の余市まで高速で行けるようになったので、「ニセコも近くなったね~」と話しながらモイワエリアへ到着。
道道66号線の右手、“ようこそニセコモイワ”のゲートをくぐらずにもう少し行くと、ホテル名の由来にもなったニセコの名水、「甘露水」の湧き出る場所があります。昭和29年に昭和天皇ご巡幸の際に甘露であるというお言葉があった名水です。ひんやりとして柔らかいお水、とっても美味しい~!
この甘露水が湧き出る坂本公園の奥がホテルです。あいにくのお天気で羊蹄山も雲に隠れていましたが、その分小雨に濡れて緑が濃い!そんな深い森の道を行くとすぐに、レンガ色の低層の外観と、赤を効かせた印象的なエントランスが見えてきます。
ホテル内も、所々で赤い色をアクセントにした設えが品の良い華やかさを演出していました。温泉前の2階ラウンジでは、大きな窓の外に3階まで届きそうな高い針葉樹がそびえ立ち、ニセコの大自然の中にいることを実感できます。
ラウンジ正面の階段を上ると、宿泊者無料のフィットネスジムがあり、スタジオではヨガなどのプログラムにも参加できます。さらにビリヤードや卓球台、屋外にはテニスのハードコートが6面も。早目に来てひと汗流すのも気持ちがいいでしょうね~(といいつつ私たちが前回テニスをしたのは何十年前だったかな・・・)
・ビリヤード 1時間1000円(税込) 11:00~24:00
・卓球 1時間500円(税込) 11:00~24:00
・テニス 1面1時間1500円(税込) グリーンシーズンのみ11:00~日没迄 ※レンタルラケットあり
露天風呂付き特別室はお風呂の大きさとかけ流しの湯量に驚く!
お部屋は1階の一番奥、70㎡の露天風呂付き特別室です。入ってすぐのお部屋はツインベッドルームで、手前に3畳ほどの畳スペースがあります。ちょうど椅子の高さなのでちょっと腰かけて荷物を広げたりするのに便利でした。
続きのリビングは和室で、テレビを見ながら座椅子のようなソファでくつろぐことができます。
アメニティはこんな感じ。DHCです♪ もともと2室だったお部屋なので、トイレも洗面所も2か所あります。人数が多いときは助かりますね(客室定員2~5名)。洗面所の横に、洗い場のあるお風呂も一つあります。
そして!和室の窓の外には大きな露天風呂が湯気を上げて湯を湛えています。部屋に入った時には感じませんでしたが、露天風呂へのドアを開けるとほんのり硫黄が香ります。
浴槽は二人でも広すぎるくらいの大きさで、入ると底に薄くたまった湯の華に自分の足跡がくっきり。湯口からは常に温泉が流れ出ているので(なんて贅沢!)、毎日お湯を抜いて清掃しても少しずつたまっていくそうです。とはいえお湯が白濁するほどではなく、肌はすべすべとして、とても柔らかいお湯。メタケイ酸もたっぷり含まれているそうです。これが美人の湯なのね~(と顔にもシャバシャバします)。
源泉は少し熱めなので、(もったいないと思いつつ)少しだけ水道の水を足しましたが、翌朝は外気が低かったのか、かけ流しのまま楽しめました。ちょろちょろと温泉をかけ流す音、かわいい小鳥の声、そして御簾越しの柔らかな朝の日差しと木々の緑、朝イチで極上の癒され体験を満喫しました。
すぐ近くの宿では鉄分の多い褐色の温泉、こちらはほぼ無色透明、といった具合に同じ昆布温泉でも宿ごとに引いている源泉が異なるので泉質も違うそうです。さすが温泉天国ニセコ、お湯も個性的です。
もちろん大浴場と露天風呂にも入りました。こちらもニセコの広大な美しい森と、極上温泉を満喫できる、とっても気持ちのよい露天風呂があるので、露天風呂付きのお部屋の方もぜひ入ってみてくださいね。
美味しくて、いろいろ“ちょうどいい”ハーフビュッフェの夕食
おまちかねの夕食ですが、その前に・・、
お部屋に通された時に教えていただいた、温泉まんじゅうを蒸かして食べます・笑。
お饅頭をせいろで温めて食べるなんて、楽しそうで美味しそうで、夕食前ですが我慢できませんでした。固形燃料の簡易鍋のようなもので温めること数分、せいろから湯気が上がって甘い香りが鼻をくすぐり、あっという間におなかにおさまりました。
予期せぬちょっとしたアミューズ♪ 嬉しくなってお土産にも買っちゃいまいした(当たり前ですがせいろは付いていません)。
お部屋にはお茶やコーヒーの用意もありますが、冷蔵庫にはあの、甘露水も冷えています。ピッチャーの甘露水がなくなったらお代わりもいただけます。
さて、今度こそ夕食です。その日も曇りとはいえ、まだ外は明るさの残る18時前、レストラン、カリネットは2面がガラス張りで素晴らしく美しい緑が広がっています!本当にこの景色もごちそうですね。
しばしうっとりしたあとは、選べるメインなど3品がテーブルにサーブされるハーフビュッフェスタイルの夕食です。この日の3品ですが、まずはお造り。
甘い牡丹海老に、鯵、紅とろ。生姜と山わさびでいただきます。テーブルにセットされていた梅しょうゆもさっぱりとして鯵に合う!続いて火を入れてくれた陶板料理、この日は甘露豆腐と野菜の豆乳鍋。
上品な出汁と野菜の甘さ、そしてゴマがたっぷりでコクのあるお鍋でした。濃厚な甘露豆腐は、かぼちゃ甘露豆腐としてビュッフェコーナーでも発見、甘みと大豆の味がしっかりあってそちらも美味しくいただきました。
メインは、夫が肉料理で私は魚料理をチョイス。お肉を味見させてもらいましたが、やはり牛フィレのサクっとした柔らかさと、ちょうどいい多過ぎない脂(しかも甘い)が美味しい。お皿の端に山わさび味噌や香草塩などが添えられているので味の変化も楽しいです。
私の魚料理はホタテと鮭、烏賊、海老のバター焼きでした。好きなものばっかり。バター焼きも大好き。
いいなと思ったのはイカの風味が濃厚に出ていてアツアツだったこと。そして(ビュッフェも楽しみたいので)量が多過ぎないこと、そして座ったままでOKなこともくたびれ気味の私には嬉しいポイントでした。
ということでここからはビュッフェに参戦!
◆一段目
・魚介の野菜ジュレがけ、国産鶏のコンフィサラダ仕立て、くらげの冷製
・冷製カッペリーニ
◆二段目
・いくらの乗った紅とろろ
・ごはん3種はニセコの平松さんが作ったゆめぴりか、ゆめぴりかとななつぼしのブレンド、筍の炊き込みご飯
◆三段目
・海老とそら豆の冷製茶碗蒸し
・日本酒や焼酎のラインナップ(別途料金)
・クレームブリュレ、ダブルベリーケーキ、フレッシュフルーツなどのデザート
ほかにもサラダ、おでん、カレー、天ぷら、生ハムetc.やはり食べきれないほどの種類が並んでいましたが、これは食べたい!というものはほぼすべて食べました。どれも美味しくて大満足♪
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初めてのハーフビュッフェでしたが、
★ 少しずついろんなものを食べたい
★ 広い会場で何度も立つのは、お腹がふくれてくるとちょっと面倒
★ すべてではなくてもなるべく出来立てをいただきたい
という私のワガママな願望をほぼすべて満たしてくれました。席を立つことが少ないので、テーブルでおしゃべりする時間も増えますね。
それから、食いしん坊なのに食べ過ぎてはいけない年齢になってきた私たちは、種類が多いほど食べきれなかった時の残念感(笑)も大きいので、美味しいものをほどよく食べられてちょうどよかったです。
旅の印象がぐっと深くなる夜のコンサート
甘露の森では、地元アーティストによる「森の演奏会」が毎晩ロビーで開催されていて、謌、ギター、サックス、ウクレレなどさまざまな音楽を生演奏で楽しむことができます。
今夜はヴァイオリンとピアノのデュオ、ご夫婦による演奏でした(徳永夫妻は2005年から14年間もコンサートを続けられてきたそうです、すごいです・・)。
この日は19時半から1時間以上、ポピュラーな曲を中心に、ご主人のクスっと笑えるトークと、奥様のゆったり包み込むようなピアノ、ご夫婦の人柄が伝わるようなあたたかな音色にうっとりと聴き惚れました。
ソファ席は早くから待っていたお客さんで埋まり、臨時のベンチにもお客さんがいっぱいです。テーブルにはブランケットが用意されていて、温泉であたたまった身体を冷やすことなく、お腹もいっぱいでまさに至福のひととき♪ 素敵な演奏とお客さんのあたたかな拍手がロビーに響いていい夜になりました。
※コンサートの一曲、「美女と野獣」の途中から。
朝の湯浴みと美味しい朝食で温泉三昧旅の総仕上げ!
朝は早起きしてもう一度お部屋の露天風呂と、欲張って男女入れ替えのあった大浴場にも行ってきました。甘露の森の大浴場は天井が高くて開口部も大きく、気持ちがいいです。もちろん露天風呂も!
朝食は7時から。朝もカリネットはきれいな緑がひろがって爽やか!
お風呂の後なのでしっかりお腹もすいて朝ごはんがすすみます。新鮮な野菜や白いごはんにニセコの納豆、ニセコの牛乳も美味しいです。パンは12種類もあって、りんごのデニッシュをデザート代わりにいただきました。
ジムやテニスコートがあって、冬はもちろんスキーも楽しめる甘露の森。思い切りアクティブにも過ごせますが、私たちはコンサートを聴くゆったりした時間や、温泉にたっぷり浸かってリフレッシュできました。美味しいものを味わって、温泉の香りや音楽、鳥の声に癒され、緑が美しい自然も満喫。まさに五感を癒される温泉旅になりました。