みなさんは「アイヌ文化」についてどのくらい知っていますか?
最近では、漫画の題材になったり、アイヌ文化にふれることができる施設が増えたりと、よりアイヌのことを目や耳にする機会が増えているのではないでしょうか。
今回はアイヌにゆかりのある場所や、
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、臨時休館、イベントの中止、サービス内容が変更される可能性があります。必ず公式サイトをご確認の上、お出かけください。
アイヌ文化について
アイヌ民族は12~13世紀頃から北海道で暮らしを営んできた人々のこと。自然界のすべての物に神々が宿っていると強く崇拝していたそうです。
祭りや家庭での行事などに踊られ神々に対し敬意や感謝を表す「古式舞踊」、魔よけの意味があるとされている独特の「アイヌ文様」による刺繍など、固有の文化を発展させてきました。
アイヌ文化は、北東アジアなどの周辺の民族との交流や、世界各地の先住民族との交流を通じて、現代に継承されています。
あの言葉も!?日常に潜むアイヌ語
アイヌ語は北海道、樺太、千島列島などの言葉で、日本語とは別の言語です。
しかし、アイヌ語と日本語には大きな繋がりがあり、アイヌ語を由来として日本語となったものがあるのを知っていますか。
代表的なものだと、北海道の各地の地名の数多くは、アイヌ語に由来しています。
札幌:「サッ・ポロ・ペッ」乾燥した広大な川
稚内:「ワッカ・ナイ」水の豊富な沢
十勝:「トカプ」よく晴れる場所
小樽:「オタ・ル・ナイ」砂が融ける川
登別:「ヌプ・ペッ」水の色の濃い川
また、アイヌ語がそのまま日本語になった言葉も存在し、「トナカイ」、「昆布」、「シシャモ」などが該当します。
アイヌ語は、表記する方法が定まっていないため、アイヌ語には文字がないともいわれているそうです。
アイヌにゆかりのある北海道の神秘的スポット
北海道に存在する様々なスポットの歴史をたどると、アイヌと深い関わりがあります。
その成り立ちを知ることでより、北海道の旅を楽しむことができるのではないでしょうか。
百人浜/えりも町
悲しい歴史を今に伝え、静かな砂浜で沖を見守る「一石一字塔」
切り立った断崖と岩礁が特徴的なえりも岬とは対照的に、岬の北東に10kmに渡って続く砂浜「百人浜(ひゃくにんはま)」。
名前の由来は諸説あり、古くは1791年「東蝦夷地道中記」に、金掘り百人が捕らえられ処刑されたことから名づけられたことが記されています。
北海道の命名者である松浦武四郎の東蝦夷日誌では、アイヌ同士の戦いで百人余りの犠牲者が出た説などがあることを伝えています。
悲恋沼/えりも町
結ばれぬ恋に散った乙女の涙を湛える静かな沼
襟裳岬から7km、百人浜の北側に、静かに水を湛えた小さな沼、悲恋沼(ひれんぬま)。
その名は、和人「久作」とアイヌ人の「マエラ」の悲しい恋の物語が由来となっています。
江戸時代・寛文年間の頃、アイヌ同士の民族争いが起こり、時を同じくして久作は内地へ帰ることになりました。
この世では結ばれない運命と知った二人は、あの世での再会を誓い別れます。
久作の舟を幾日も浜辺で見送り泣き続けたマエラ。その姿が無くなり、後にこの沼が生まれたそうです。
瞰望岩/遠軽町
町を一望する大岩は遠軽町のシンボル
遠軽町のあらゆる場所から見ることができる地上約78mの瞰望岩(がんぼういわ)は、町のシンボル的な存在です。
アイヌの人々の古戦場となったという伝説が残るこの岩は、見る場所によって表情が大きく変わり、北海道自然百選にも選ばれています。
開拓碑が建設されている頂上からは絶景を、麓からは瞰望岩の雄大さを楽しむことができます。
神居古潭/旭川市
紅葉期の景観も見事な旭川を代表する景勝地
神居古潭(かむいこたん)は、1997年に旭川の代表的な風景を選定した「旭川八景」の一つにも数えられた景勝地です。
アイヌ語で「カムイ(神)コタン(住むところ)」を意味し、神聖な場所とされていました。
急激に川幅が狭くなり川の流れが速い場所なので、かつて交通のほとんどに川を使っていたアイヌ人は、よく事故にあっていたそう。
なので神聖といってもいい神様でなく、アイヌの人々は峡谷に住む魔神だと恐れていたようです。
展示を見る・アイヌ文化体験ができるスポット
アイヌ文化や世界観に実際にふれてみませんか。北海道ではアイヌ文化にまつわる展示がある博物館や民族博物館が多く存在します。
ウポポイ(民族共生象徴空間)/白老町
先住民族アイヌを主題とした国内初の国立博物館
2020年7月にオープンした白老の豊かな森に抱かれたポロト湖畔に佇む博物館で、アイヌ民族の文化の復興・創造等の拠点となるナショナルセンタ
また、将来に向けて先住民族の尊厳を尊重し、差別のない多様で豊かな文化を持つ社会を築いていくための象徴として整備され、「民族共生象徴空間」と名付けられました。
東京ドーム約2個分の広大な敷地を有しています。
アイヌを主題にした日本初の「国立アイヌ民族博物館」
中核施設は先住民族アイヌを主題とした日本初の国立博物館「国立アイヌ民族博物館」。
「ことば」「歴史」「世界」「くらし」「しごと」「交流」の6つのテーマをもつ基本展示室で、アイヌ文化を知ることができます。
また、シアターがあり高精細・大画面映像でアイヌ文化をわかりやすく学べます。
体験型フィールドミュージアム「国立民族共生公園」
古式舞踊の公演や多様な体験プログラムを通じてアイヌ文化を体感できる「国立民族共生公園」。
見学や参加を通じてアイヌ文化を五感で体験でき、1日2組限定の調理体験「ポロトキッチン」を開催中です。
四季折々の素材を用いた料理の調理・実食を楽しめます。
また「体験交流ホール」では、演者によるアイヌ古式舞踊や伝統楽器の演奏などアイヌの伝統芸能の上演を見ることができます。
休園日:月曜日
料金:大人1200円・高校生600円・中学生以下無料(博物館と公園の共通券)
※入館整理券の事前予約を推奨している
アクセス:札幌より高速道路利用で約65分
駐車場:あり (普通乗用車557台/有料)
ウポポイのぐうたびスポット情報
北海道博物館/札幌市厚別区
北海道の自然・歴史・文化を紹介する総合博物館
札幌市中心部から東へ約15kmにある自然豊かな野幌森林公園のなかの総合博物館です。
北海道の自然・歴史・文化を「北海道120万年物語」「アイヌ文化の世界」「北海道らしさの秘密」「わたしたちの時代へ」「生き物たちの北海道」という5つのテーマで紹介しています。
アイヌ文化エリアではアイヌ民族の現在や昔の暮らしを展示
アイヌ民族の伝統的な衣服の素材に実際に触れることができ、アイヌ民族の口承文芸や芸能の映像を実際に視聴できるコーナーもあります。
説明を文字で見るだけでなく実際にアイヌの世界を体験できるので、より楽しみながらアイヌ文化を知ることができます。
料金:一般 600円、大学生・高校生 300円、小中学生 無料
アクセス:JR新札幌駅からバスまたはタクシー、森林公園駅から徒歩約20分またはバス
駐車場:あり (105台・無料)
北海道博物館のぐうたびスポット情報
釧路市立博物館/釧路市
充実の資料と映像で釧路の自然・歴史・文化を五感で学ぶ
釧路市立博物館は東北海道屈指の規模と歴史を持つ総合博物館です。エントランスホールではマンモスの骨格標本がお出迎え。
アイヌ民族資料の展示は4階。アイヌの人々が暮らしや儀式に使っていた道具、樹皮衣などを展示しています。
また他のフロアでは、釧路湿原とその周辺に見られる植物・動物などの標本が見られる「釧路の自然」フロアや、産業を中心とした「釧路の近世・近代」フロアなど釧路を知り尽くせる展示が揃います。
休館日:月曜日
営業時間:9:30~17:00
料金:一般・大学生 480円、高校生250円、小・中学生110円
アクセス:JR釧路駅からバスで約15分「市立病院」下車、徒歩約5分
駐車場:あり (30台・無料)
釧路市立博物館のぐうたびスポット情報
旭川市博物館/旭川市
北海道内屈指の豊富なアイヌ文化資料を、リアルな模型展示でわかりやすく紹介
アイヌ文化や、アイヌに関わる資料を豊富に展示する旭川市博物館。
多数の人物模型により、アイヌの人々の伝統的な生活の様子を、臨場感いっぱいに再現しています。
暗めの場内に浮かび上がるリアルな模型展示は、ダイナミックで迫力満点。
アイヌの人々以外の北方民族の貴重な資料も展示しています。
料金:大人 350円、高校生 230円、中学生以下 無料
アクセス:JR旭川駅より車で約5分
駐車場: あり (約400台・無料)
旭川市博物館のぐうたびスポット情報
北海道立北方民族博物館/網走市
北方民族の文化がわかる、国内唯一の北方民族専門博物館
網走市街を見渡す天都山に位置し、アイヌやイヌイト、ウイルタなど、北方地域の諸民族の文化を紹介する国内唯一の北方民族専門の博物館です。
衣食住や交易、精神世界など細かいテーマごとに展示がされています。
5~13世紀にかけてオホーツク海沿岸で栄えていたオホーツク文化を伝える土器などの貴重な資料も見ることができます。
料金: 大人550円、高・大学生200円、小・中学生・65歳以上 無料
アクセス:JR網走駅よりバス(観光施設めぐり線)で14分
駐車場: あり (100台・無料)
北海道立北方民族博物館のぐうたびスポット情報
阿寒湖アイヌコタン 伝統・創造オンネチセ/釧路市
自然と共に暮らすアイヌ民族の文化と歴史にふれる
阿寒湖アイヌコタンの坂の上にある、かつて舞踊などを公演されていた劇場「オンネチセ」が2020年11月リニューアルオープン。阿寒湖アイヌのアートミュージアムです。
オンネはアイヌ語で「大きな・完成に近づいた」、チセは「家」を意味しています。
建物内には当時の生活用具や衣服、装飾品などが展示され、自然と共存していたアイヌ民族の暮らしがうかがえます。
定休日:4月~10月無休 11月~3月平日休み
アクセス: 釧路駅から約80分(国道38号線・240号線経由)
駐車場:あり (50台・無料)
阿寒湖アイヌコタン 伝統・創造オンネチセのぐうたびスポット情報
札幌市アイヌ文化交流センター(サッポロピㇼカコタン)/札幌市南区
手にとって触れることで実感できるアイヌ民族の文化
アイヌ民族の生活や歴史、文化を見て・触れて・体験して、楽しみながら学べる施設です。
札幌のアイヌの方々が製作した数々のアイヌ民族伝統工芸品や衣服などを、写真を撮ったり触れたりできるので、より身近にアイヌ文化を感じられます。
館内のほとんどの展示物に触れることができ、素材感や質感を実感。
また無料で、アイヌの衣服と民具を身に着けた記念撮影や、刺繍・木彫り・ストラップ製作などのアイヌ文化体験もできます。
屋外にある歴史の里では「チセ」という、人々が暮らしていた家が当時のように再現されています。
まるでタイムスリップしたかのような雰囲気を味わえます。
料金:入場無料、ただし展示室観覧料のみ有料(一般 200円、高校生 100円、中学生以下 無料)
アクセス:札幌市中心部から車で約40分
駐車場:あり (54台、大型バス5台・無料)
札幌市アイヌ文化交流センターのぐうたびスポット情報
川村カ子トアイヌ記念館/旭川市
大正5年に作られた日本最古で唯一の私立アイヌ資料館
川村カ子ト(かねと)は、上川地方を代表するアイヌの旧家として知られる川村家の第8代として生まれ、鉄道測量技手として活躍した人物。
鉄道施設の測量の先頭に立ったが、晩年に目を患いました。
公職を辞した後に全ての私財を投じて、アイヌ文化を後世に伝えるための記念館として1916年に「川村カ子トアイヌ記念館」を設立しました。
アイヌの文化や習慣を今に伝える生活用具などの貴重な資料が数多く展示されているほか、測量技師時代の測量機材や資料なども展示されています。
営業時間:9:00〜17:00(7・8月は18時まで営業)
入館料:大人 500円、中高生 400円、小学生 300円、小学生以下 無料
アクセス:JR旭川駅から車で約20分
駐車場:あり (無料)
川村カ子トアイヌ記念館のぐうたびスポット情報
平取町立二風谷アイヌ文化博物館/平取町
北海道のルーツ、アイヌの人々の文化、生活に触れる
アイヌの人々の使用した約1000点の民具資料が展示されており、文化や生活をうかがい、知ることのできる博物館。
常設展示ゾーンは4つに分かれています。
日常生活に使う民具類を集めた「アイヌ」、祈り・信仰など精神文化に触れる「カムイ」、農耕・狩猟・葬送などに関連する資料を展示した「モシリ」、美しいアイヌ文様に注目した「モレウ」。
チセ(アイヌの伝統民家)などで行われる講演や体験も通して、アイヌを理解する貴重な時間を過ごすことができます!
営業時間:9:00~16:30
定休日:4月16日~11月15日 無休
11月16日~4月15日 月曜定休
12月16日~1月15日 休館
入館料:高校生以上 400円、小・中学生 150円
アクセス:札幌から日高自動車道(日高富川IC下車)→国道237号の道順で約1時間50分
駐車場:あり (50台・無料)
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