さて、1月下旬から一月半に渡りお届けしてきました「札幌ラーメン最新事情2014」もいよいよ今回が最終回となってしまいました。
毎年この特集は「出来るだけ」前年オープンのお店から最新事情を探ろう!との考えで書いております。
ところが、毎年80店~100店ものお店がオープンする札幌・・・・加えて、既存のお店も新しい取り組みをしていたりするものだから、テーマ分けとお店の選定が大変(*o*)
ということで、最終回の今回はテーマ分類ができなかったけど、大注目の2013年オープンのその他のお店をご紹介したいと思います。
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らーめんのくきつ
昨年9月オープンのお店。
実はオープン直後に訪問した際に塩ラーメンと醤油ラーメンをいただいておりましたが、オープン直後とは大きく味が変わり「すごく美味しくなった!」との評判を耳にしていたお店。
ということで、つい先日あらためての訪問。
「食材・調味料は道内産・国産の生産、製造経路が追跡できるものを使用し安全安心して食せるメニューを提供」とのこと。
良い食材を使っていれば美味しくできるというものでは無いけれど・・・そういう「気持ち」って味に現れると思うんだ。
女性の店主さんにスタッフさんも女性ばかり。
だからというわけではありませんが、ドンブリもオシャレさん(^^)
ちなみに冒頭の画像は「塩ラーメン」、こっちが「醤油ラーメン」です。
どっちも美味しそう!
ラーメン好きの間には「迷ったら両方(食べる)!(`・ω・´)」という格言(?)がありまして、一人で訪問するときには時間差で2杯オーダーなんて無茶もすることがありますが・・・
この日は同行者あり。
両方を注文して「好みの味を私がいただく」といういうわがままを言ったのでした(^^;
まずは塩・・・。
おおお!
鶏の旨みに時間差で鰹節など魚介風味。
実に美味しい(^o^)
塩で決まりかな・・・と思ったのだが。
醤油はこれまた鶏の旨みに溢れていて秀逸。
べたつかない程度のほのかな甘さが醤油のキリリ感と相まって、これまた塩に負けないぐらいに美味しい!
醤油にするか塩にするか・・・久しぶりに悩んじゃいましたね(^^;
そしてこのスープ、揚げネギのアクセントが実にイイ!
ストレートの細麺もこのスープに実に良くあっている。
塩ラーメンはむしろスープ単独よりも、麺をすする時の方が魚介の香りが口の中に広がるし、相性の良さがホントいい相乗効果を生んでいますね。
チャーシュー美味っ(*o*)
どうやら「美水豚」というブランド豚らしいけど、肉そのものの甘さがいいね!
あとユニークなのがこれ。
なんと揚げ芋もち!(*o*)
ラーメンの具材に「いも類」はあまり使われることはないけど、実はスープにはじゃがいもが使用されることも多いですよね。
そんなこともあるのか、思った以上に「アリ」な具材ですね~(^ー^)
スープが美味しくて思わず飲み干してしまいましたよ。
で、ドンブリに書かれている「感謝」の文字をよく見ると・・・
「ありがとうございます」という文字で構成されているんですね。
美味しいラーメンをいただくとこっちの方が「ありがとうございます」と言いたくなりますね。
【らーめんのくきつ】
住所:札幌市豊平区月寒東1条10-6-25
営業時間:11:30~15:00 17:00~21:00
定休日:不定休
TEL:011-374-5470
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あらとんブッチャー
札幌場外市場近くにある「あらとん」と言えば、今やラーメン好きなら誰もが知る有名店。
そのセカンドブランドとして登場したのが、こちらの「あらとんブッチャー」
2013年7月オープンのお店です。
看板メニューはベーシックな「白ブッチャーらー麺」に特製オイルやスパイスを加えることで生まれた「赤ブッチャーらー麺」と「黒ブッチャーらー麺」。
その他につけ麺の「つけブッチャー」なんてのもあります。
どんどこ焚いた豚骨スープはあらとんの得意とするところ。
それがどのように新しい変化を生んでいるか楽しみ(^o^)
で、こちらが黒ブッチャー。
その名の通り、黒いオイルが特徴。
見た目のインパクトもありますが、何よりその味にびっくり!
黒胡椒を使ったペッパーオイル!(*o*)
これが濃厚な豚骨スープにビシッと一本筋を通してくれます。
美味しい(*o*)
こっちは赤ブッチャー。
オイルだけじゃなく、トッピングや薬味にも違いがあり、かなり雰囲気が変わります。
えびの風味が豚骨スープと良く合います。
ベースのスープは同じなのに、こちらは黒ブッチャーに比較すると全体に丸い印象。
ユニークなのがこのパクチー!
独特の香りは苦手な人もいるかもしれませんが、私は大好きなんです(^o^)
えびにパクチー・・・どこか東南アジア系の香りを漂わせつつ、きちんと「ラーメン」として成立しているのがいいね。
ピンボケですが、中細ストレート麺も美味しい!
黒と赤・・・どちらを食べるか毎回迷いそうだけど、どちらも間違いなく「個性的だけど美味しい」ラーメンですね。
麺を食べ終えた時にチラッと見えてしまった・・・。
替え玉の文字(*o*)
うう・・・ココロが揺らぐ。
でも、ここで替え玉をしたらデブまっしぐら。
ここは我慢我慢・・・。
席を立ち「替え玉一丁」の文字を見ずにわき目もふらず、店を出る。
・・・思いを断ち切るように。そのままわき目もふらず、一直線にズンズン進む!
ずんずん進む・・・ん??(*o*)
お店を出て、ずんずん突き当りまで進むとそこはあらとん本店(^^;
そう、実は「あらとんブッチャー」と「あらとん本店」は駐車場を挟んで向かい側。
あれ??
あれれれ???
せっかく替え玉を我慢したのに。。。
何故私は違うお店でつけ麺をすすっているんだ?(-_-;
あらとんブッチャーで素直に替え玉をしておくべきだった。
替え玉より性質の悪い「替え店」ってのをやってしまった(-_-;
「わき目もふらず、デブ街道まっしぐら!」です。
【あらとんブッチャー】
住所:札幌市中央区北11条西22丁目1-1 北町プラザ1F
営業時間:9:00~16:00
定休日:月曜日※祝日は営業、翌日休み
TEL:011-644-2710
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らーめん心繋
心を繋ぐと書いて「しんわ」と読みます。
店主さんは東京は池袋の名店「BASSOドリルマン」で修行をされ2013年6月にここ札幌で独立オープンしたお店。
あっさり・こってりの他にまた食べたい味・麺を楽しむ味というカテゴリー分け。
毎回何を食べようか迷ってしまうお店です(^^;
加えてこちらの店主さん、「Mr.ストイック」という異名を取るほど、こだわりが半端じゃない。
素材から調理、醤油にいたるまでこだわりにこだわり日々進化させている。
写真はこってりの濃厚ラーメン。
濃厚な名の通り、スープには豚骨の旨みと魚介の旨みがぎゅっとつまっています。
その反面飲み口は優しく、食べやすさが印象に残る一杯。
煮干のあっさりもつけ麺もご紹介したいところですが・・・。
ここはひとつ個人的な好みの一杯をご紹介したいと思います(^ー^)
その名も生姜醤油ラーメン。
当初は期間限定で冬だけの提供予定でしたが「もうしばらくは提供を続ける」とのこと。
嬉しい!(^o^)
ドンブリが運ばれてくると生姜のイイー香りが食欲を刺激してくれます(^^)
実はこれ、店主さんが新潟は長岡在住時に好きだった新潟4大ラーメンの一つ『長岡系生姜醤油ラーメン』をイメージして作られたもの。
私も東京出張時に秋葉原の「青島食堂」という「長岡系醤油ラーメン」のお店の支店でラーメンを食べるのですが、ホントはまると癖になっちゃう味なんです。
この脂の感じ(^^)
くー!見ているだけでお腹がなってしまうな。
ちょっと甘めの醤油ダレ、生姜の香り、ちょっと濃い目の醤油の味と風味・・・。
たまりません(^^;
麺はmen-eijiの製麺ブランド「KONA粉倶楽部」の中細麺。
ラーメン向きというより、うどん向きと言われる中力粉を使用した加水率高めの麺。
この柔らかな食感が独特な個性を出し、食べる人を虜にしてしまいます。
現在心繋店主さんとKONA粉倶楽部さんで新しい麺の開発に取り組んでいるらしく、近々違うタイプの麺で提供になると思われます。
スープだけじゃなく麺に対しても「Mr.ストイック」ぶりを発揮しているようです。
普段提供しているラーメン用の細麺に変更することもできますので、お好みやその日の気分でチョイスするのもいいかも知れませんね。
そしてこのトロトロのチャーシュー・・・。
あー・・・濃い口のスープにこのチャーシュー・・・。
ライスと一緒に食べたら美味しいだろうなぁ・・・。
そうそう。
普段はあまりコショウは使用しませんが、このラーメンにはブラックペッパーが良く合う。
味付けはやや濃い目のスープなので飲み干さない方がいいのかも知れないけど・・・。
途中でこのペッパーを振り掛けちゃったりすると。。。
ほらね┐( ̄ヘ ̄)┌
また飲み干しちゃった。
私は「Mr.ストマック(胃)」の異名をいただけるかも知れない(-_-)
【らーめん心繋-SHINWA-】
住所:札幌市豊平区区月寒東5条8丁目5-12
営業時間:11:00~15:00 17:00~21:00※土曜・日曜・祝日は通し営業
定休日:火曜日
TEL:011-856-5516
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麺処まるはBEYOND
2013年は嬉しい話題と悲しい話題の入り混じった年でもありました。
もっとも悲しい出来事は、過去にこちらでもご紹介したことがある、麺処まるは健松丸の初代店主の長谷川氏が病気で急逝されたこと・・・・。
故長谷川店主の札幌に於ける影響力はとても大きく、魚介系ラーメンやつけ麺など、それまでの札幌ではあまり受け入れられていなかった味を広げたのも氏の存在があったからこそだと思っています。
彼がいたことで、札幌のラーメンシーンが大きく変わり、色んな味が楽しめるようになったと言っても過言では無いと思っています。
そんは長谷川店主の意思を継ぐ格好で中の島に昨年12月にオープンしたのが麺処まるはBEYOND。
昨年の最も嬉しいニュースのひとつと言えるんじゃないかな。
こちらのお店、故長谷川朝也店主の息子さんである長谷川凌真(りょうま)氏が営むお店で
店名のBEYONDは「越える」「凌ぐ(しのぐ)」という意味があります。
彼の名前「凌(しのぐ)」という意味、父の味を「超える」という意味を持った素敵な店名ですね。
まだ麺処まるは本店が西岡にあったころからの人気メニューをベースに、二代目が先代の味を越えようと日々精進しているお店。
オープン直後にいただいた写真の背脂みそラーメンをいただいた時には、色んな思いが過ぎりちょっとホロリとしてしまいました(T_T)
麺は健松丸時代から取引をしている京都の「麺屋棣鄂(めんやていがく)」というところの麺。
京都の製麺処が作る札幌の麺。。。。
札幌らしい引き締まって透明感のある麺が実に美味しい(*o*)
マー油と呼ばれるにんにくを焦がして作る油もその苦味がアクセントとしていいんですよね。
あー・・・同じ味ではないけど、同じDNAを感じるなぁ。
味噌ラーメン好きなら是非食べてもらいたい一杯です。
そしてもうひとつの看板メニューが中華そばの醤油と塩。
中華そば醤油も背脂みそ同様に西岡に本店があった時代からの人気メニュー。
追い鰹の手法を加えるなど時代とともに味も少しずつ変化を遂げて行ったが、一貫して
「クリアで魚介の風味と動物系素材の高次元でのバランス」
を取ってきたラーメン。
あー・・・その考えは受け継がれているなぁ。
煮干の香りと旨み、豚骨由来の動物系の素材。
クリアで透明な味わいだが、動物系素材の低音部と煮干の高音部が強調されたハーモニーは「まるは」の名前を語るにふさわしいんじゃないかな。
こちらの中華そば塩は西岡本店時代もすすきのの健松丸時代もなかったメニュー。
まさにこれが二代目凌真店主の味なんだろうね。
「麺屋棣鄂(めんやていがく)」の麺との相性も抜群。
先代が病に臥されてから、すすきのの麺処まるは健松丸を実質仕切っていた二代目。
先代が決めた「毎週週代わりで限定メニューを提供する」という課題も引継ぎ、途中から彼が限定メニューを考え、作ってきたとのこと。
病院にスープを持参し、先代に味を確かめてもらいながら・・・。
恐らくは食事も喉を通らない状況だったと思うのだが、最後まで先代が二代目を鍛え上げようとしていたのかも知れない。
まだ20代前半の若き店主。
限定メニューで鍛えた腕もあるし、色々な選択肢はあったと思うのだが、背脂みそや中華そばなど
「まるは時代の味で勝負」
という心意気が嬉しい・・・。
この先が本当に楽しみなお店です!
オープン間もないのにこの評判と人気を見て、きっと先代は嬉しいような照れたような笑顔をしているんじゃないのかな。
【麺処 まるは BEYOND】
住所:札幌市豊平区中の島1条3丁目7-8
営業時間:11:00~15:00 17:00~21:00(L.O.20:45) [土・日・祝]11:00~20:00
定休日:火曜日
TEL:011-812-0688
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全7回に渡りお送りしてきた「札幌ラーメン最新事情2014」いかがでしたでしょうか?
冒頭にも書きましたが、できるだけ前年オープンのお店を中心に傾向を探るようにしていますが、なんせ人気店もその人気に胡坐をかくことなく、新しい味を生み出している札幌。
食べる側としては嬉しい限りですが、こうやって記事にまとめていくのは大変(笑)
贅沢な悩みだと思います(^^;
沢山のお店が存在する札幌。
自分の好みの味のラーメンに出会うのは「お宝発見」のような喜びがあります。
この特集が皆さんのお宝探しの一助になれば幸いです・・・。
今年も本特集にお付き合いありがとうございました(^o^)
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