ニセコの古民家ギャラリー・レストラン「そもざ」でアートなランチ体験

そもざのギャラリー

編集部の林原です。紅葉がキレイな10月中旬、ニセコドライブに行ってきました。
目的はギャラリーも素敵な「そもざ」でのランチ。夏に続いて2回目の訪問です。

紅葉のニセコドライブ、アーティスティックな非日常空間「そもざ」へ

 

山も道路脇も紅葉が美しい10月のニセコ

黄金色を中心に赤や緑の山々が綺麗な10月中旬のニセコ。「そもざ」から南へ進む道は岩内に抜けるパノラマラインへと続きます。

場所は国道5号線の倶知安駅あたりから道道58号、倶知安ニセコ線に入ってHanazono Resortのさらに奥へ上がっていったあたり(下部のマップ参照)。あれ?ここでいいのかなとちょっと心細くなるくらいの山道の中に、忽然と現れる小さな看板。隠れ家っぽい感じにちょっとワクワクします。

敷地に入って右側が駐車場。左側の奥に「そもざ」の建物が見えてきます。

そもざの外観

栃木県から移築した築150年の古民家。さすがに茅葺屋根は豪雪対応の北海道仕様になっています。

「そもざ」は写真家でクリエイティブディレクターの英国人、ショウヤ・グリッグさんが手掛けた施設で、築150年の古民家を移築、リノベーションした建物内にはギャラリー、カフェ、レストラン、ショップ、茶室など、隅々まで彼の世界観が体現されたアーティスティックなスペースが広がっています。

エントランスホール

エントランスホールのような場所、前回はここに大きな鷹のはく製がすごい眼力で鎮座していました。壁の作品はグリッグさんの写真

暗い玄関から一歩中に入ると、室内はほとんど壁のない開放感のある空間で、一面ガラス張りの窓からはチセヌプリの山麓を彩る美しい紅葉が目に飛び込んできます。

器や調味料などのショップコーナー

形や質感はさまざまですが、そもざの雰囲気をさらに素敵に演出するような器たち、ほとんどが購入可能です。

しばし錦繍の山々に見とれたあとは、窓際のショップコーナーを一回り。全国の作家の陶器や、鉄器、写真集、そしてそもざオリジナルの調味料など、グリッグさん選りすぐりのものたちが並んでいます。

また、ランチタイムで席に着く時は、ニセコの絶景も味わえるようにと、カップルでも窓に向かって隣同士に座ることを勧められます。室内がダーク系の色合いで、照明も最低限になっているので、この開口部からの眺めに浸ることができます。

目の前の紅葉とお皿の秋、五感を満たす幸せなランチタイム

平取和牛のたたき

10月のランチ、一皿目は平取和牛のたたき、紫蘇と柿のピクルス、じゃが芋のフリットとともに

いよいよランチです。びらとり和牛は柔らかく味の濃い、北海道絶品ブランド牛肉の一つです。美味しい平取和牛のタタキに甘い小さな柿がとっても合ってほんとうに美味しい・・・一皿目から五感で秋を味わっている気がします。

かぼちゃのポタージュ

そもざファームのかぼちゃのポタージュ、自家製ベーコンとミョウガとともに

二皿目は、ポタージュ。これも秋らしい一品。あたたかでまろやかなかぼちゃに、ローストシードとスモークされたベーコンがいいアクセントになっています。

お魚料理はアイナメ

道産アイナメと根セロリのピューレ、赤キャベツを添えて

三皿目は、ほわほわの白身魚と、意外と力強い根セロリのソース、小さなポーションに見えますがしっかりと食べ応えのあるアイナメでした。

知床チキンソーセージのパッケリパスタ

知床チキンソーセージのパッケリパスタ、白バルサミコとキノコのクリームソースで

四皿目はパッケリという筒状の大きなパスタの中に、鶏肉が入っていているのですが、「ナイフを入れようとするとつるんと中身が出て、ちょっと・・事故的な感じ(笑)になってしまうこともあるのでお気を付けください」とサーブしてくれたお話し上手の松原さんは、とっても面白い方です。

ということで、しっかりフォークで押さえて事なきを得ました。白バルサミコの酸っぱくない深みのあるソースにキノコの風味が重なって、ボリュームのある美味しくて楽しい一品でした。

デザート

スティッキートフィープディングと洋梨のコンポート、焼き林檎を添えて

五皿目。お腹がいっぱいになっても、デザートは嬉しいもの。ケーキ、コンポート、アイスクリームと、異なる温度と食感のスイーツをコーヒー(または日本茶)とともに楽しみました。これでランチコースは終了、のはずなのですが・・

肉料理はルスツ豚

柔らかくてしっかりした味わいのあるルスツ豚。留寿都はニセコの東側にある村です。

実は途中でお肉料理を一品、追加しました(+1500円)、ルスツ豚のローストです。一皿をシェアしたのでちょうどいい量になりました。たっぷり味わいたい方はもちろん一人一皿で。

結局、お魚1種とお肉3種もいただいたのでしっかり満足感があってリーズナブルな感じでした。本当はワインもいただきたかったけれど、運転があるので我慢です。実は敷地内にずーっと工事中の宿泊棟があって来年か・・再来年にはオープンしたいとのこと。隣接しているのでお酒も飲めるし、グリッグさんのセンスにあふれた素敵な宿泊施設になりそうで楽しみですね。

lunch information
夏季:2019/11/2までの金・土・日曜と祝日 ※3800円(税別)のランチ1コースのみ
冬季:2019/12/3~2020/3/31まで ※ランチ・ディナーはネットにて要予約。詳細はコチラ

 

アイヌの作品や道内作家のコレクションが素晴らしい、ショウヤ・グリッグ氏の世界観を体現するギャラリー

2階の茶室

手前が茶室。板張りのスペースの向こうは梁がむき出しになっていて、1階がそのまま見えます。

食事のあとは、まず2階の茶室を見に行きました。古い日本家屋らしい、幅の狭い傾斜の急な階段の途中には仏像があり(!)、2階に上がると蹲(つくばい)にあたるのか手を洗う場所があって、板張りのスペースにはシノワズリな家具、そして水屋と床の間のある和室があります。

和室との境にはアイアンのパーテーションがあり(茶室への入口がちゃんと小さい)、もうどこの国とか文化とかではなく、グリッグさん自身の世界観が創り上げたとても面白い空間になっていました。流木なのでしょうか、床柱もものすごい造形でこれはぜひ行って触ってみてください。

地下のギャラリー

左手前から奥の作品は、和紙にプリントされた水墨画のようなグリックさんの写真、冬のニセコです。

続いて地下にあるギャラリーへ。地下といっても1階同様一面がすべて窓になっていて、明るい自然光が入る眺望のいいスペースになっています。

地下のギャラリーに並ぶ油彩

左手の壁一面には道内作家の絵画作品が無造作とも思える並びで置かれています。

驚くのはそのコレクション、三岸好太郎、佐藤忠良、本郷新、国松登、砂澤ビッキ、小川原脩などなど、北海道出身の画家や彫刻家、またはゆかりのあるアーティストの作品がたくさん並んでいて、本物?など興奮して声高に話していた私たちの横に、ふと気が付くとグリッグさんがひょっこりと現れて、いろいろお話ししてくださいました。

そもざのショウヤ・グリッグさん

とても気さくなショウヤ・グリッグさん。この土地の自然とアートが好きでたまらないのが話していて強く伝わります。ニセコの坐忘林、SEKKAも彼のプロジェクトです

聞くところによると、子供の頃にイギリスからオーストラリアに渡り、アートを勉強して、その後縁あって日本へ。札幌にも長く住み、その間もさまざまな人と知り合う中でアート作品を蒐集されてきたそうです。

地下のギャラリー2

手つかずの大自然が目の前にあるので、展示してある1万年前のメノウなど(!)太古の装飾品もすぐそこに眠っていたかのような不思議な感覚になります。

絵画にとどまらず、彫刻作品やアイヌの工芸品、動物の剥製、縄文土器から鏃(やじり)まで、コレクションは多岐にわたっていて、いろんな空想に思いをめぐらせていると、あっという間に時間が経っていました。ランチやカフェでご利用したい方、ぜひ時間をたっぷりととって、時間に余裕を持って訪れてください。

こちらのスペースは、ワークショップや企画展、コンサートなどが催されることもあるそうです。冬になれば外は一面の銀世界になって、グリッグさんの写真のような世界が広がるでしょう。四季折々の絶景とアートと美味しい食事、ここだけを目的にニセコを訪れたくなるほど素敵な空間でしたが、ニセコの温泉旅を楽しんだあとの、チェックアウト後のランチにもおすすめです。

そもざ somoza
住所/北海道虻田郡倶知安町花園78-5
営業期間/カフェ10:00~16:00、冬は11:00~ ※ランチタイムは12:00~ 要予約
電話/0136-55-8741
ウェブサイト/http://somoza.jp/ja/
※入館無料

 

泊まって満喫しよう!秋冬のニセコ超得プランはコチラ!

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク
そもざのギャラリー