「ぐうたび北海道」編集長の村澤です。「令和」が発表になった4月1日、登別温泉の小さなお宿【花鐘亭はなや】に泊まってきました。
登別温泉は9種類もの温泉が湧き出す「温泉のデパート」で、日本有数の人気を誇ります。「地獄谷」を最大の源泉とする温泉郷で、大きな温泉ホテルが数々立ち並ぶなか、その一角に隠れ家のようにたたずむ和風の一軒宿が【花鐘亭はなや】です。
【花鐘亭はなや】は気配りの行き届いた、とても美味しい心尽くしの宿でした! リピーターが多いのも納得の、人気の理由をご紹介します。
■目次
人気の理由1:部屋食でゆったりいただける豪華でおいしい食事~地元名物「白老牛」の陶板焼きやスキなべ、料理長厳選の7点舟盛りなど~
「はなや」ならではの特徴は、地元の美味を、部屋でゆっくり味わえること!
客室は全21室。「だからこそお客様の希望に細やかに対応したい」との配慮で、まず予約時に、夕食を部屋でいただくか広間でいただくか、選ぶことができます。
この写真は、お宿イチオシの「白老牛陶板焼きプラン」の夕食。
「白老牛」は隣町・白老町の名物のみならず、今や北海道を代表する高級ブランド牛肉。その白老牛がこんなにたっぷり!生玉子にくぐらせて頬張ると、口の中でとろけていきます。
スキ鍋に加えて、コースのメインは「白老牛リブロースの陶板焼き」。
厚みがあって、サシの入り方のキレイなこと! 焼く前から美味しさがわかりますが、噛むとジュワッと溢れ出る脂の上質な甘さったら!目を見開いて友人と「美味しいね~」を連発。タレと塩、味わいの違いをもちろん楽しみます。
旭川男山の特別純米「北の稲穂」の食前酒に始まり、料理長厳選の季節のお造り3点盛りや茹たらば、金目鯛のかまくら焼きなど、全11品の豪華コースはボリューム満点!
こちら手前は一番人気の「舟盛りプラン」。料理長厳選7点の舟盛がメインで、白老牛こそないけれど、鮟鱇鍋や生ラムロースステーキなど、全10品の満足コース。
丁寧に仕上げられた料理が熱いものは熱いまま、タイミングよくお部屋に運ばれて来ます。器もオリジナルものを始めとして、可愛らしい素敵なものばかり。スタッフさんも常にニコニコと説明してくださり、久しぶりの部屋食は、なんとも贅沢で楽しい時間でした。
お米は道内中を探しまわり、生産者さんにも実際に会って選んだという、旭川なかや農場の雪蔵米のななつぼし。低農薬栽培で、土づくりから精米の時期までこだわったお米なんですって。
スイーツはこの日、北海道きな粉と黒蜜アイス、または完熟冬苺シャーベット。手間がかかるでしょうに、好きな方を注文できます。
この日はどちらも冬メニューでしたが、これからすぐに春メニューに切り替わるそうです。
せっかくの機会なので、白老牛のプランと舟盛りプランの両方をご紹介したく、実は今回、友人とひとつずつ、違う種類でお願いしたのです。我儘なオーダーに快くご対応いただき、どうもありがとうごさいました!
朝ご飯は会場食のプランを選択。広間のテーブルセットにひとりずつ二段重ねのお膳が用意され、ブッフェコーナーも充実しています。地元名物のぼりべつ牛乳や納豆、地元の豆腐を使った湯豆腐などと一緒に、手作りの惣菜がズラリと並んでいて、美味しそう!
私の朝ご飯。朝はあまり食べないのに、どうしても箸がすすんで、食べ過ぎてしまいます(笑)。誘惑に負けて、おかゆをお代わりしちゃいました!
人気の理由2:登別でも珍しい源泉100%かけ流しの硫黄泉。湯の花、たっぷり。乳白色のにごり湯露天で、あったまる~♪
見てください、この色! 朝、誰もいなかったので許可をいただいて撮ってみた露天風呂は、温泉好きならゾクゾクしてしまう、青みがかった乳白色の湯。視覚的に「温泉に入った~」と、1番実感できる色ですよね。
足下にはたっぷりと湯の花が沈殿していて、それをブワッと巻き上げると、ますます色が濃くなります。
「はなや」のお湯は、登別でも珍しい源泉100%かけ流しの硫黄泉なのです! 体が芯からじんわり温まり、お肌もツルツル。静かで、のんびりとできるのがいいですね。
私が泊ったのは「はまなす」という最近リニュアルした新しい和洋室。広々として和モダンな雰囲気が、とても落ち着けるお部屋です。
人気の理由3:野花がちりばめられた館内に、随所で感じられる心配り。小さなお宿だからこその居心地の良さは、リピート必至!
「はなや」の滞在には、小さな「うれしい」がいっぱい!やってみたかった「令和」発表のポーズで、ご機嫌な朝。ロビーから温泉に続く廊下は畳敷き。清潔感ただよう和の雰囲気が凛として清々しく、気持ちのいい空間です。
ロビーや廊下には、いつでも座って寛げるような椅子がいっぱい。朝7時から夜10時まで、コーヒーやお茶、ジュースなどが無料で置いてあり、お部屋に持ち込むこともOKです。
大きな窓からは四季折々の登別の自然が眺められ、珈琲を飲みながら新聞を読んだり、おしゃべりしたりしていると、時間がいつもより、ゆっくり流れているように感じられます。

まだ雪が残る遅い春、庭の鳥台にエサを啄ばみに来る野鳥たちが可愛い! このあとはムクドリが登場して、鳥台を占領していました。
館内は、いたるところに野花が飾られています。ほかにも、畳にスズメの刺繍、抹茶と菓子のお出迎え、温泉にたっぷり積まれたタオル、館内Wi-Fi対応、注文すれば近所から取り寄せてくれる笹かま土産など、小さな「うれしい」が集まって、大きな満足感につながります。
そして、さまざまな心配りの采配を振るっているのが、この可愛らしい女将!
「なるべくお客様との会話やふれあいを大切にしたい」という女将の山口さん。ほんわかした笑顔と雰囲気に癒されて、また会いに来たくなる方も多いと思います。
北海道は大きい温泉ホテルが多く、女将さんと直接お話しできる機会が少ないですよね。いろいろお話しを伺って、私も、いっぺんでファンになりました(^^)
名湯・登別の、おいしい心尽くしの宿【花鐘亭 はなや】。
もうすぐ桜の季節。登別温泉郷入口の桜並木が美しいアーチを作って出迎えてくれます。春の風に誘われて、登別の「美味しい温泉」に出かけてみませんか?