ブーム到来!札幌の「朝ラーメン」文化|札幌ラーメン最新事情2023 第5回①

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「出張や旅行に行く時に真っ先に調べる事って何ですか?」

質問するまでもないかな?そんなもの決まっていますよね?

「その土地で朝から営業しているラーメン屋さんをチェックすること」ですよね。

え?違うの?

ちなみに私は初めての地に出かける時には「朝ラーメン」を100%チェックします!

執筆者は旅行前に朝ラーメンを提供しているお店をチェックするのが習慣になっている

これは!という朝ラーメンのお店を見つけたら、素泊まりプランにして浮いたお金でちょっといい宿に泊まったりして。

大石さん
ちなみに普通の方が知りたいであろう、宿のお得なプランだったり、ホテルの施設やお食事だったりはぐうたび北海道にたくさん情報が載っているのでそちらをチェックしてください

ということで、第5回となる今回は「札幌の朝ラーメン」をご紹介していきたいと思います。

朝ラーメンってなに?

札幌で「朝ラーメン」がちょっとしたブームになっていることをご存じですか?

朝ラーメン、通称「朝ラー」はその名の通り、朝から食べられるラーメンのことです。

もしかすると札幌の人にはあまり馴染みはないかも知れませんね。

朝ラーメンが盛んな地域では、朝食はご飯でもパンでもないラーメン派が存在する

でも、全国的には「朝ラー文化」が盛んな土地もあり、朝食は「パン派」「ご飯派」だけじゃなく「ラーメン派」なんて人がいたりするのです。

北海道外の朝ラーメン事情

代表的なところでは静岡県志太地域(藤枝市、焼津市、島田市周辺)や福島県喜多方周辺などの地名が挙げられます。

坂内食堂(所在地:福島県喜多方市細田7230)

▼坂内食堂(所在地:福島県喜多方市細田7230)

数年前に喜多方を訪れた時のこと。「坂内食堂」という有名店は7時オープンなのだが、平日の朝にも関わらず7時には行列ができていて驚きました。

喜一(福島県喜多方市関柴町上高額境田635 -7)

▼喜一(福島県喜多方市関柴町上高額境田635 -7)

2軒目に行った「喜一」というお店には10時前に到着。ぎりぎりラーメンにありつけましたが、店を出た10時半には既に完売になっていたことです。

大石さん
「この土地の人たちはどんだけラーメン好きなのよ」とつぶやいたら、同行者に「お前もな!」と突っ込まれたのは懐かしい思い出です

上記の代表的な地域のほかに、青森市や秋田県由利本荘市などでも朝ラー文化は盛んらしい。

このように「朝からラーメンを食べる」というのは、特定の地域においては「普通の事」であり「その土地の食文化」の一つだったりするのです。

朝ラーメン文化の特徴

朝ラーメンが根付いている地域に共通するのは以下の2つだと思うのです。

一つ目の共通項は「あっさり系の味が中心」ということ。

もちろん例外もありますが、基本的には「朝ラーメン=あっさり系ラーメン」が中心と言えそうです。

そして、もう一つの共通項は「朝早くから働く人(活動する人)がいる」という事。

当たり前ですが、人がいないことには商売は成り立たないわけで、その地の産業構造と密接な関係があったりするようです。

早朝からの仕事のイメージ

藤枝市周辺では、お茶の栽培が盛んです。そのお茶摘みが早朝から行われるため、一仕事終えた方がラーメンを食べるようになったと言われています。

喜多方では諸説あり、
「市内の3交替制の工場の人たちが夜勤明けに立ち寄るため」
「朝早く農作業に出た農家の人が一仕事終えて食べに来た」
「冬、出稼ぎから夜行列車で帰ってきた子どもを暖めるために家に帰る前にラーメン屋に立ち寄ったから」
という3つが有力説のようです。

その他のエリアでも「早朝から開いている市場がある」とか「漁師さんが帰港してくる時間に合わせて」など、深夜や早朝に働いている人がいる土地で根付いていると言えそうです。

札幌で朝ラーメンが増えてきたのはなぜ?

冒頭で「札幌で朝ラーメンブームが来ている」と書きましたが、ではなぜ今までは少なかったんでしょうね?

朝ラーが増えた理由①:札幌ラーメンのバリエーションの変化

ここで第一回の「札幌ラーメンってナンだ!?」を思い出して欲しい。

ご当地ラーメンである「札幌ラーメン」はニンニクが効いてパンチが強いのが特徴です。

しかも、ほかの地域のご当地ラーメンと比較してボリュームが多めです。

確かに札幌ラーメンのこってりしたラーメンだと「朝からラーメンは重いわ!」ってなるよね。

大石さん
私は家で朝食に札幌スタイルのラーメンを自分で作ってよく食べるけどね。私のことは置いておこう

ところが、札幌ラーメンがどんどんバラエティ豊かになってきている昨今。煮干し系のあっさりラーメンや鶏ガラ清湯系の名店もどんどん登場してきています。

いわゆる「あっさり系のラーメンも好んで食べられるようになってきた」のです。札幌っ子の懐の深さにバンザイだよね。

かくして一つ目の条件である「あっさり系の味が朝ラーメンに向いている」という条件はクリアしたのです。

朝ラーが増えた理由②:コロナ禍によるライフスタイルの影響?

問題は2つ目の条件。「朝から活動する人たちがいるか?」という点である。

札幌の産業構造がここにきて変わったのでしょうか?多分そうではないですよね。

大石さん
ここから先はあくまで私の個人的な見解というか想像でしかないので違うかも知れないけど許してください

勝手な想像ですが、コロナ禍で人々のライフスタイルの変化があったのではないかと思っています。

「ライフスタイルの変化」というと大袈裟かも知れないが、テレワークや在宅勤務が増え、「時間の使い方を見直す人が増えた」ような気がしています。

これは何も仕事をさぼって自分の時間を確保するという事ではありません。

自分で時間の管理をきちんとしなくてはならない状況になったという意味です。

コロナ禍における時間の使い方の変化

仕事の時間や効率を自分で管理する裏では「自分で使える時間」にあらためて気づいた人も少なくないと思います。

それが結果として「朝活」や「朝食にラーメンを食べてから仕事をする」という選択になっているような気がするのです。

次回より朝ラーメンのおすすめ店を紹介!

理由はどうあれ、現にこうして朝ラーメンを提供するお店が増え、それを歓迎するムードが札幌に生まれているのは事実です。

これは一過性のものではなく、札幌のラーメン文化の一つとして根付くような気がしている……いや、ぜひとも根付いて欲しいと思うのです。

「…で、どこで食べられるのよ!」とそろそろ思われているかもしれませんね(笑)

前置きがやたら長くなってしまいました。

ということで、今回の第5回は本記事を含めた3本立てでお届けする予定です!

次回より、札幌の朝ラーメンの注目店をピックアップしてご紹介します。

WRITER/大石 敬(札幌ラーメンコンシェルジュ)

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