【札幌ラーメン最新事情2017②】やっぱりキテる?汁ナシの波

一昨年の特集で「麺の実力、タレの旨さにトッピングの妙! 汁ナシの麺が来ている!・・・かも?!」というタイトルで記事を書かせていただきました。

■過去の特集はこちら
「一昨年の特集」 
「麺の実力~かも?!」

その後「大ブレイク」とはなっていませんが、じわじわじわじわと汁ナシ麺を提供するお店が増えてきています。
ということで、汁ナシ系の麺を提供しているお店を今回再びご紹介!

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米風亭アマノ

札幌で「油そば」と言えばまず真っ先に名前が挙がるのが「米風亭」ではないでしょうか?
本店は札幌の老舗で、古くからファンの多い店。 個人的には「ビール+油そば」という麺をつまみに飲めちゃうというありがたいスタイルを確立してくれたお店でもあります(^^)

ちなみに左が「米風亭(本店):(和田ビル1F)」右が「油そば屋 米風亭:(フロンティア札幌ビル10F)」。
どちらも中央区南3条西1丁目にある。

その札幌における老舗油そば店「米風亭」の3番目のお店として「米風亭アマノ」がオープンしました。
こちらも前出2店とそう遠くない、中央区南2条西1丁目。

こちらの「米風亭アマノ」は初ののれん分け店とのこと。
米風亭で修行された店主さんが独立してオープンしたお店になるそうです。

場所は狸小路一丁目のL字街の奥。
L字街、知っていますか?
地元民でも意外と知らない、いかにも穴場的なスポット。

個人的にこの隠れ家感が大好きなエリアです(^^)

看板には「油そば&ビール」の文字。

早速油そば760円を注文。
今日はお仕事中だからビールはナシ・・・。

ってことはないよね(^^;;
一枚目の写真の右上に映りこんじゃっているし(^^;

油そばを一口食べて、ビールをゴクリ・・・。

ぷっはー!!!(*o*)=3

これ以上ないってぐらいのため息が出るよ。
表の看板だけど
『油そば”&”ビール』は『油そば”安堵”ビール』だね!きっと(^-^)

ややウエーブのかかった黄色い縮れ麺・・・。
いわゆる「札幌麺」と油そばのタレとの相性の良さったらないね。

油そばは東京の武蔵野エリアで生まれた食べ物というのが定説。
でもこの札幌麺との相性の良さは発祥の地の皆さんも知らぬはず。
是非食べてもらいたいね。

お好みで酢やラー油を垂らしていただきましょう!
私はちょい辛めが好き(^^)

ちなみにこちらの米風亭アマノさん。
しっかりと本店の味とスタイルを踏襲している。
いわば「札幌における正統派油そば店」と言っていいんじゃないかな。

ややこじんまりしたスペースは独りでもふらりと立ち寄り易い雰囲気がある。

そして、ここの油そばはツマミとしてだけじゃなく〆に使ってもいいんじゃないかな?

他のお店で飲んだ後に軽く立ち寄って油そばで〆るなんてのもありでしょう(^^)

まぁ・・・もっとも私は〆まで今日はレポートできそうにありませんが・・・(-_-)
「すみませーん!!次はシンハービールくださーい!」

【米風亭 アマノ 】
住所:札幌市中央区南2条西1-6-1 第3広和ビル 1F
営業時間:19:00~翌3:00
定休日:不明
TEL:011-233-3023

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天匠山吉

続いてご紹介するのは2016年4月すすきのにオープンした「札幌油そば 天匠山吉」です。
天匠ってなんだかカッコイイ響きですし字面もステキですよね(^^)

実はこちらのテン・ショウ・ヤマ・ヨシ、漢字を逆から読むとヨシ・ヤマ・ショウ・テンになります。

そうこちらのお店は札幌の名店「吉山商店」がプロデュースした油そば専門店なんです!!

上の写真は昨年オープン10周年を迎えた吉山商店。
吉山商店はラーメンだけじゃなく油そばもファンの多いお店ですからね(^^)b

メニューは大きく4種類。
「レギュラー」「ベジタブル」「ピリ辛チーズ」そして「がっつり肉盛り」なんてのもあります。

写真はレギュラー。
盛り付けがキレイですね。
分厚いチャーシューが2枚乗ってます(^^)

直前に炙られたチャーシューはトロトロで香ばしい!
これだけでご飯のおかずになりそう(^-^)

よーく混ぜていただきましょう!

味はさすが吉山商店プロデュース。
複雑なタレの味わいが口に広がりながらすっきりした味わい。
最後まで油に邪魔されることなくサラリと食べられるのがスゴイ!

油そばと言えばどうしても油の重たさが気になり、後半食べ疲れたりもするんですよね。
この「油が重要だけど、油が邪魔をする」という『油そばにおける油パラドックス問題』は国会でもしば
しば取り上げられるから皆さんもご存知のことと思う。
・・・え?知らない?
コホン(-o-)=3

いや、とにかくその油の種類なのか油とタレとのバランスなのか、最後まですっきりした味わいなのだ。

それともう一つ。
タレの味わいの奥底に「札幌ラーメン」を感じるんだよね。

油そばはその生い立ちが東京は武蔵野地区発祥というのは前述の通りだが、それが中華料理店の流れを
汲むのもあるのだろう。

味のベースにオイスターソースの旨みを立たせているお店が多い気がする。

ところがこちらの油そばはキリッとした札幌醤油ラーメンの醤油風味が中心で、味噌ラーメンの風味も
遠くに感じるってところかな。

もちろん自分好みに酢や・・・

ラー油で調整していただくもよし!

そして、もちろん札幌麺の食感もばっちり。
言うなら『食感秀逸(ショク・カン・シュウ・イツ)』ですね。

逆から読んで『一蹴完食!(イッ・シュウ・カン・ショク)』ってとこかな(笑)
軽く完食してやりました┐(´∀`)┌

・・・次回はガッツリ肉盛り+ライスで行きたいと思います。

【札幌油そば 天匠 山吉】
住所:札幌市中央区南五条西4-9-1 バッカスビル 1F
営業時間:22:00~5:00
定休日:日曜日(祝日)
TEL:011-521-8044

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麺屋つむぎ

最後認定ご紹介するのは、南平岸駅近くの麺屋つむぎ。 2015年8月オープンのお店だ。

こちらのお店、豚の旨味に溢れた「濃豚醤油」や、「濃厚焼き味噌」、オリジナルの煮干しラーメンである
「つむにぼ」などラーメンメニューでは人気の商品が並ぶが、今回はこちらの油そばにスポットを当てたい。

メニュー名は「賢吾麺」と店主さんのファーストネームがつけられています。
きっと自信の表れでしょうね^_^

ひき肉にニラ、中央に卵黄という見た目は「台湾混ぜそば」のそれと似ているね。

ビジュアルから勝手に「台湾混ぜそば」の味を思い浮かべていたのだが…

食べてみると全然違う!
良い意味で裏切られた(^^;;
鶏油のほのかな香りが食欲をそそり、甘辛いタレが食欲を一層増進させてくれる。

見た目はたっぷりだった唐辛子はそれほど辛くなく、むしろほのかなアクセントになっている程度だ。

意図して強調された「甘さ」と醤油の「しょっぱさ」は結構思い切ったバランスの取り方だと思う。
この辺は店主さんのセンスと思い切りの良さが伝わってくる。

残りわずかになったら…
そう!お楽しみの追い飯のお時間だ!
特徴的なタレだけに、これはご飯に合いそう^_^

ほらね(笑)
思った通り相性抜群!

甘じょっぱいタレとチー油のほのかな香りはご飯との相性も抜群。
いや、これは追い飯必須ですわ。

麺は大盛りでも無料だし、追い飯も無料だし・・・。
とってもありがたいけど、これはまた太るな・・・と考えると追い飯ならぬ「負い目」を感じる今日この
頃(-_-)

さすが店主さんのファーストネームを付けたメニューだけあって、秀逸な出来栄え。 汁ナシ系好きには是非食べてもらいたい一杯です。

【麺屋つむぎ】(閉店)
住所:札幌市豊平区平岸3条13-7-12
営業時間:11:00~21:00(20:30LO)
定休日:不定休
TEL:011-818-7788

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さて、ということで静かにブームが続いている汁ナシ&混ぜそばを改めて取り上げてみました。
台湾まぜそばというジャンルが誕生した時に「その手があったか!」という思いがありました。
1970年以降長く台湾ラーメンを食べていながら、混ぜそばにしようという考えに30年以上も至らなかっ
たように、もしかしたら「あ、こういう汁ナシってアリじゃね?」ってのがまだまだあるのかも知れません。

麺屋つむぎのように見た目は台湾まぜそばだけど、全く違った味わいに仕上げている混ぜそばも面白い
し、麺匠山吉のように「札幌ラーメン」を強く意識した「札幌油そば」にも可能性を感じます。
札幌生まれの新しい汁ナシ&混ぜそばが今後もともっと生まれてくれたら楽しいですね。

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WRITER/大石 敬(札幌ラーメンコンシェルジュ)

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