【札幌ラーメン最新事情2015③】教えて!大石さん、プチまとめ的 札幌ラーメンQ&A

札幌ラーメンコンシェルジュ 大石 敬

ぐうたび編集部(以下「編」):実は社内外から大石さんにいろいろな質問が寄せられておりまして、今回はそのQ&Aで最新事情3をジャックさせてもらいたいのですが・・。 あ、どこが一番おいしいですかといったものは除きますので(笑。

大石さん(以下「大」):紹介したいラーメン店がありすぎて、先に回を重ねたい気持ちもありますが、まぁ、いいですよ(笑)、ラーメン店の紹介も交えながらお答えしますね。

編:ありがとうございます! ではさっそく。ぐうたびの「札幌ラーメン最新事情」は、2012年からもう4年連続でお願いしておりますが、そもそもラーメンを年間300食以上食べ歩き、ラーメン通になられたきっかけというのは、いったい何だったのでしょうか!?

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大:小さいころからラーメンは好きでしたが、毎日のように食べるようになったのは就職してからですね。入社して二週間で東京に転勤することになって・・、3年の予定が結局19年も東京で暮らすことになりました。

で、東京では当時「札幌ラーメン」がそれなりにブームで、あちこちに「札幌ラーメン」の幟を掲げるお店があったんですが、ごく普通の札幌の食堂で食べられるような味噌ラーメンを食べたかっただけなのに、全然違う店ばっかりで・・・・。中には味噌汁のようなスープに縮れていないふにゃふにゃな麺が入っていて、コーンとバターを乗っけて「はい!札幌ラーメン」なんて店もありましたね。

まぁ今のように情報がない時代だから仕方が無いのかもしれませんが、あまりにもひどくてカウンターをひっくり返しそうに何度もなりました(笑)

そうこうしているうちに「札幌ラーメン」だけじゃなく、他のラーメンも食べ歩くようになったんですね。当時は「荻窪」が東京ラーメンの聖地でした。丸福、春木屋、丸信、作新、漢珍亭・・今だから言えますが、荻窪の名店と言われるお店で食べても「おいしい」と思えなくて、カウンターをひっくり返しそうにはならなかったけど「魚くさくて、知っているラーメンとは全然違う」と思ったものです。

・・・今なら、春木屋に対して「魚くさいラーメン」なんて思っていた当時の自分を殴ってやりたいですけどね(笑)

そんな感じで普通の札幌ラーメンが食べたくて探しているうちに、色々なラーメンを食べることになったというところでしょうか。営業で地方への出張も多かったので、だんだんと札幌ラーメンにとらわれず、色々なラーメンがあるのが楽しくなってきたというか・・・懐が広くなっていきましたね。

編:なるほど。「札幌ラーメン」への強い想いがきっかけだったのですね。それにしても味噌汁風ラーメンというのは衝撃ですね・・。さて、そのころからでしょうか、関東圏に、ご当地ラーメンや伝統的なラーメンの手法にこだわらない、いわゆる「トレンド系」といわれる作り手が登場するのは。
大:あ、それはちょっと違うんですよね。東京で「個性的なラーメンが多くあった」のと「刺激を受けた」のは事実なんですが、もともと関東圏はバラエティに富んでいて、私が転勤で札幌に戻った2005年~2008年頃からかな、札幌のラーメンがバラエティ豊かになってきたのは。そのころの、新しい味を積極的に取り入れだした動きを「トレンド系」と、私が勝手に呼んでいるんですよね。
編:そうだったんですか。札幌を離れて、昔ながらの札幌ラーメンを探しあるいた大石さんだからこそ、久しぶりに戻った札幌のラーメン業界の変化とスピード感をそういう言葉で表現されたのですね。で、そのころの印象についてもう少し教えていただけますか?
大:そうですねー、印象に残っているのは当時西岡にあった「麺処まるは」かな。
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「札幌では魚介系スープは流行らない」と言われていた中で、「中華そば」、いわゆる魚介が香る東京風のメニューを出して、さらに「つけ麺」を積極的に改良し始めたあたり。
ちょうどmen-eijiや山嵐など、今の札幌ラーメンの中心的存在で勉強熱心な若い店主さんたちがお店をオープンした時代でもあったし、何より店主さん同士がお互いに刺激しながら切磋琢磨して、どんどん新しい味が生まれていましたね。それにつられて食べる側も新しい味を楽しめるようになっていったと思います。
「札幌では魚介系スープは流行らない」と言われていた時代って10年前ぐらいのもんで、そんなに昔のことじゃないんですよね。それを考えると、今の札幌のバラエティに富んだラーメンって、予想をはるかに上回るスピードで進化している気がします。
編:そうですね、今の札幌はバラエティ豊かでほんとうに色んな味が楽しめますよね。でも昔ながらの札幌ラーメンと言われるようなお店は少しずつ減っている気もするのですが、その辺はどう思われますか?
大:そうですね、老舗が後継者問題などで少しずつ減っているのも事実で、新しくオープンするお店は、どちらかと言えばトレンド系のお店が多いという現状もあります。そう考えると今のバランスが崩れて、札幌定番系ラーメンがどんどん少なくなるんじゃないかなっていう心配もありますね。
とはいっても、その一方でいわゆる札幌らしいラーメン店も実は「進化」もしているし、支えるための「努力」もものすごくしているんですよね。
編:たとえばどんなお店ですか?
大:そうですね、まず「彩未」
札幌ラーメンのある意味「頂点」に立つお店とも言えるお店なんだけど、香りの決め手になる生姜やニンニクは国産のものにこだわっているし、豚肉だって道産のものにこだわっている
価格は当然高くなるけど、そこは文字通り「惜しみなく」素材にお金をかけていますよね。
特に青森産のニンニクなんかは外国産の価格の5倍・・・いや、下手をしたら10倍ぐらいするものを惜しげもなく使ってる。
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(※写真は上段が一番人気の味噌らーめん・下段が昨年新登場した辛醤油らーめん。これだけ定番メニューが支持されているのに、さらに新メニューを出すのもスゴイところだと思います。)

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お米だって「赤井川産のゆきさやか」という非常に希少価値の高いお米を選んで使っているんですよね、ラーメンが美味しいのはもちろんだけど、ごはんもホントに美味しい(^^)
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豊かな香味野菜の香りにつつまれて・・・豚肉をヒトかじりしてご飯をかっこむ!
彩未のラーメンライスはホントに至福です(笑)
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そうそう!実は先日常連さんがニンニクを別皿で注文しているのを見て、店主さんに後日
「忙しい中そんなサービスもやっているんですね!」なんて言ったら、
「言われたらニンニク多めとか生姜多めとか、出来る範囲でのサービスはやってるんですよ」
もうね、サービスではなくホスピタリティ・・・「おもてなし」の域ですよね。
あと最近「てつや」が麺を変更したのも驚きました。
あれだけ安定的にお客さんがついていて、その味に慣れている常連さんが多いと、麺を切り替えるのはかなり勇気がいるはずなんですが。
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まぁ個人の好みもあるでしょうが、かなり美味しく感じましたね。
スープとの相性もいいし、私の好みの味に進化してました(笑)。久しぶりに中毒になりそうな「ショッパウマ!」を体感しましたよ。
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こういう記事やテレビの取材なんかだと、どうしても新しいお店や新しい味を紹介しがちだけど、
今回は折角だから老舗のお店にもスポットを当てたいですね。
「テレビや雑誌では紹介されないけど近所の○○が好き」っていう人は実はたくさんいると思うんですよ。
私自身にももちろんそういうお店がいくつもあるんですけど、この辺はあとの回でスポットを当ててみようかと思ってます。
編:楽しみです、その辺もぜひ制覇してみたいと思います!
さて、ずいぶん多岐にわたってお話しいただいて、気のせいかお腹もふくれてきたような気もしてきましたが、
そういえば道外の方によく聞かれるのが、朝からラーメンを食べられる店はないの?という質問です。
北海道に来たからには、夜はお寿司もジンギスカンも食べなくちゃならないから、ラーメンは朝食べて飛行機に飛び乗りたいんだけど
千歳空港のお店は行き尽くしたし、なんてことを時々言われるのですが・・・。
大:ラーメン好きの道外の友人が札幌に来る際に必ず聞いてくるフレーズですね(笑)
「朝ラーでどこがオススメ?」
これだけラーメン店がありながら、札幌って朝ラー(朝ラーメン)ができるお店が意外と少ないんですよね。
実は何度か「朝ラー」を提供する動きやお店が登場したんだけど、残念ながら長く続かなかったお店も多くて。
個人的には出社前にラーメンを一杯手軽にヒトすすりできたら・・・かなりありがたいんだけどね。
そんな中で昨年「弟子屈ラーメン」が朝ラーを提供しはじめたのはちょっと嬉しいニュースでしたね。
残念ながら土日祝日だけの営業で9:30~というスタイルなので「出社前にヒトすすり」は叶わないけど。
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小あじを使ったスープに道産小麦(ゆめちから)の自家製麺。
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シンプルで低価格だけど、中々に気合が入ったメニューですね。
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それから「山岡家」は、24時間営業だけど朝だけ提供しているメニューがあって、個人的に結構お世話になってます(笑
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400円というリーズナブルなお値段も魅力的なんだけど、朝ラー専用の細麺がとても食べやすいんですよ。
トッピングの「練り梅」の効果でさっぱり食べられるから、食欲の無い朝でもスルスルいけちゃいます。
つい「替え玉くださーい!」なんてね。
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編:あの、食欲の無い朝だったんのでは・・(-_-)?
大:わはは。ちなみに替え玉は一玉100円と半玉50円なんですよね。ニンニクや豆板醤を加えたら・・・
もはや朝食とは思えないパワフルメニューになりますね。
編:はい、さすが大石さんです!
大:ええ、大盛りがないので・・・。
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大:あと、個人的にもっともオススメしているのが「とらや」
ラーメン店ではなく、街の食堂という感じのお店なんですが、朝の8時から営業しているのでホントにありがたい。
ここのラーメンはかなり絶品で、「朝から開いているから行く」というより「美味しいから行く」お店。
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ポイントは「豚の甘さを感じるスープ」かな。どことなく喜多方ラーメンに通じるところがあるスープで、
あっさりしているけど、実に旨みに溢れてます。
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ちなみに、喜多方では朝の7時から営業しているラーメン店が多く、朝ラーが当たり前の土地なんですよね、うらやましいなぁ。
また、喜多方ラーメンは平打ち麺ですが、こちらのお店で食べたときに
『この手の豚骨清湯スープと札幌らしい中太縮れ麺との相性だって意外といいんだ』って事を実感しましたね。
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そのほか、昨年紹介した「あらとんブッチャー」も朝ラーが食べられます。
でもほんとはもっとたくさんのお店に取り組んで欲しいし、できれば根付いて欲しいですね。
編:夜遅くまでやっているお店もほしいし、朝も開いててほしい・・・お店にとっては大変だと思いますが、
飲んだ次の日なんて、朝からやってくれるとうれしいですよね~。
大石さん、あともう一つだけ。そろそろ雪まつりも近いので、道外だけでなく世界中から札幌にたくさんのお客さんがいらっしゃいますが、
これだけバラエティに富んでいると、おすすめを教えてって言われても正直困っちゃうんですよね・・
大:観光の帰りや合間の短い時間で食べられるオススメ・・・。
やっぱりそれなら「札幌らーめん共和国」がいいんじゃないでしょうか。
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札幌の人気店は割と郊外に点在していますが、ここは一箇所で食べられますし、何より札幌駅直結という立地が魅力的ですよね。
2015年1月現在、札幌のお店が4店、小樽、旭川、函館、森から各1店の合計8店、また年に数回1~2店舗のお店を入れ替えたり、季節ごとのテーマを決めて全店でオリジナル限定メニューを提供するといった、地元のラーメンファンも何度も足を運びたくなる工夫がされているのもありがたいですね。
本当は全店ご紹介したいところですが、ちょうど1月22日に森町から「次郎長」がオープンしたばかりなので、そちらのお店だけご紹介しましょうか。
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函館近く、道南は茅部郡森町に本店を構えるお店で、らーめん共和国へは二度目の出店です。
味噌・塩・醤油3種類いただきましたが、どれもオススメできる味わいでした。
北海道産の三種類の味噌をブレンドした味噌ラーメンは少しトロリとして、濃度を感じるコクがありながらとてもすっきり。
野菜を炒めるときにラードを焦がすことで引き出した香ばしい香りは北海道のラーメンらしくて食欲中枢を刺激されますね。
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「塩」はやや濁りのあるタイプで一瞬味噌ラーメンと間違えそうな、いかにも旨味が凝縮されているタイプ。
見た目通り複雑に重なりあう旨味がすごく美味しい一杯。
「醤油」はどこか懐かしさを感じるすっきりした印象の一杯。
スープのベースは同じだと思うけど、三味それぞれが違った味わいなので数人で行って食べ比べをしたらとても楽しいと思いますよ。
共通しているのは好き嫌いの分かれるような突出した個性を出したタイプではなく、誰が食べても美味しいと感じるタイプ。
しかもちゃんと北海道のラーメンらしい「香り」や「コク」が閉じ込められていて、良い意味で「北海道で美味しいラーメンを食べた」と幅広い世代の方が感じる味わいだと思います。
共通しているのは好き嫌いの分かれるような突出した個性を出したタイプではなく、誰が食べても美味しいと感じるタイプ。
しかもちゃんと北海道のラーメンらしい「香り」や「コク」が閉じ込められていて、良い意味で「北海道で美味しいラーメンを食べた」と幅広い世代の方が感じる味わいだと思います。
編:友人を連れて行くだけでなく、地元の私たちも楽しめるような工夫もいろいろあるのですね。店舗の入れ替えもあるということなので定期的に行ってみたくなりますね。
大石さん、今回はいろいろお聞かせいただいてありがとうございました。
次回は通常通り、大石さんのブログ形式でお届けします。来週水曜日をお楽しみに!
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今回紹介したお店データ
【麺処まるは】
※店主の長谷川朝也さんが2013年に逝去され、現在は息子の長谷川凌真さんが「まるはBEYOND」を営業されています。(昨年の下記ブログ参照)
【men-eiji HIRAGISHI BASE】
住所:北海道札幌市豊平区平岸2条11丁目1-12
営業時間:11:00~15:00 17:00~19:30
定休日:水曜日、第3火曜日
TEL:011-813-7233
【山嵐】
住所:北海道札幌市豊平区平岸1条9丁目6-1
営業時間:11:30~15:00 17:00~22:00
定休日:月曜
TEL:011-815-3030
【彩未】
住所:北海道札幌市豊平区美園10条5-3-12
営業時間:11:00~15:15 17:00~19:30
定休日:月曜日・他月2回不定休あり
TEL:011-820-6511
【てつや】
住所:北海道札幌市中央区南7条西12丁目2-19
営業時間:11:00~翌3:00
定休日:水曜日
TEL:011-563-0005
【弟子屈 札幌発寒店】
住所:北海道札幌市西区発寒9条13丁目9-1
営業時間:11:00~22:00(LO.21:30)
定休日:原則無休
TEL:011-668-0505
【ラーメン山岡家 大谷地店】
住所:北海道札幌市厚別区大谷地東2丁目1-1
営業時間:24時間営業
定休日:無休
TEL:011-895-3788
※札幌市内の24時間営業は大谷地店のほか6店舗有り。
【洋食・中華 とらや】
住所:北海道札幌市中央区南14条西8丁目5-27
営業時間:8:00~22:00
定休日:火曜日
TEL:011-511-2355
【あらとんブッチャー】
住所:北海道札幌市中央区北11条西22丁目1-1 北町プラザ1F
営業時間:9:00~16:00
定休日:月曜日※祝日は営業、翌日休み
TEL:011-644-2710
【札幌ら~めん共和国】
住所北海道:札幌市中央区北5条西2丁目エスタ10階
営業時間:11:00~22:00(LO.21:45)
定休日:無休
TEL:011-209-5031
【ラーメン次郎長】
住所北海道:札幌市中央区北5条西2丁目エスタ10階
営業時間:11:00~22:00(LO.21:45)
定休日:無休
TEL:011-213-2715

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WRITER/大石 敬(札幌ラーメンコンシェルジュ)

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