北海道の夜空に、神秘的な光の帯が舞う—。
通常は高緯度地域でしか見られないオーロラが、今、北海道で観測されています。これは「低緯度オーロラ」と呼ばれる現象で、太陽活動の活発化に伴う太陽フレアの増加が原因です。2024年には北海道で10回ものオーロラが観測され、この傾向は2025年末頃まで続くと予想されています。
肉眼での観測は難しいものの、カメラを使えば美しい姿を捉えることができます。本特集では、オーロラの発生メカニズムから北海道での観測チャンス、さらには道内の天文台やオーロラ観測スポットまで、詳しくご紹介します。
りくべつ宇宙地球科学館やなよろ市立天文台「きたすばる」、しょさんべつ天文台など、星空観賞の名所も必見です。北海道の夜空で繰り広げられる自然の神秘をぜひ体験してください。
■目次
Q1 オーロラはどうして発生するのか?
太陽風と呼ばれる太陽から噴き出すプラズマが地球に届き、地球の大気と衝突することで発光するのがオーロラです。通常はオーロラ帯と呼ばれる緯度60~70°付近で見ることが出来ます。
オーロラの観光地で有名なカナダのイエローナイフなどの地域では、大体常時オーロラが発生していますが、夏は白夜で明るいため見ることができなかったりします。
Q2)北海道でどうしてオーロラが見られるのか?
北海道で見られるオーロラは、低緯度オーロラと呼ばれるものです。
太陽表面の爆発現象である太陽フレアが起こると、通常よりも強い太陽風が地球に向かってくるために普段はオーロラが見られない北海道でも見ることが出来るようになります。太陽は約11年周期で活動が活発になります。
太陽は昨年末ころから活動が活発な時期に入っているため、太陽フレアの発生が多くなり、北海道でもオーロラが見られるチャンスが増えています。
Q3)今年の冬、北海道でオーロラが見られる可能性はありますか?
2024年は北海道で10回くらいオーロラが観測されています。2025年末くらいまで太陽の活動が活発な状況が続くと予想されていますので、概ね2025年いっぱいくらいまでは低緯度オーロラの観測が期待できるといえそうです。
ただし、ほとんどのオーロラは肉眼で見えず、かなり規模の大きなオーロラの場合に真っ暗な場所でぼんやりと赤く見える程度です。
でもカメラの性能がかなり良くなっているので、肉眼では見えない暗いオーロラも写真撮影することが出来ます。お手持ちのスマートフォンでも十分に撮影可能ですのでチャレンジしてみてください。
取材協力:りくべつ宇宙地球科学館(銀河の森天文台)・なよろ市立天文台「きたすばる」
りくべつ宇宙地球科学館(銀河の森天文台)
陸別の森の中にある天文台。日本最大級の望遠鏡でみる天体の神秘と星の美しさは感動ものです。また、人工オーロラ発生装置や宇宙やオーロラについて学べるコンピュータもあり、オーロラについてもくわしく知ることができます。
所在地 | 陸別町宇遠別 |
問合せ先 | 0156-27-8100 |
営業時間 | 4月~9月14:00~22:30、10月~3月13:00~21:30 |
定休日 | 月火(5月3日~5日、8月14日~16日は特別開館) 5月第3週月曜~第4週金曜、12月28日~1月3日 |
料金 | 昼間(4月~9月14:00~18:00、10月~3月13:00~17:00)大人300円、小人200円 夜間(4月~9月18:00~22:30、10月~3月17:00~21:30)大人500円、小人300円 |
アクセス方法 | 帯広から車で約2時間、北見から車で約1時間 |
ホームページ | https://www.rikubetsu.jp/tenmon/ |
ぐうたび観光情報 | https://www.gutabi.jp/spot/detail/299 |
なよろ市立天文台「きたすばる」
北海道大学が設置した国内最大級の望遠鏡「ピリカ望遠鏡」と最新式プラネタリウムは必見。2Fの屋上天体広場からは、国内屈指と言われる星空を肉眼で眺めたり、鏡の直径50cmの大型望遠鏡を使って様々な天体を楽しめます。
所在地 | 名寄市日進(にっしん)157-1(北海道立サンピラーパーク 星見の丘) |
問合せ先 | 01654-2-3956 |
営業時間 | 4月~10月 13:00~21:30、11月~3月 13:00~20:00 |
定休日 | 毎週月曜、祝日の翌日、毎月最終火曜(いずれも祝日の場合を除く) |
料金 | ・観覧料(プラネタリウム料金含む) 一般410円、学生310円、65歳以上200円、高校生以下無料 ※団体割引あり・年間パスポート 一般1,250円、学生1,040円、65歳以上620円 |
アクセス方法 | JR名寄駅から車(タクシー)で約10分(約5.5km)、名寄市内の北にあるサンピラーパーク内「星見の丘」へ |
ホームページ | https://nayoro-star.jp/kitasubaru/index.html |
ぐうたび観光情報 | https://www.gutabi.jp/spot/detail/582 |
しょさんべつ天文台
都市から遠く離れているしょさんべつ天文台、まわりが真っ暗で天の川や流れ星はもちろん、オーロラの観測に適した環境です。しょさんべつ天文台のマイスターズシステムに登録すると、なんと!名もない星のひとつを個人で所有し名前をつけて永遠に保管することができます。
所在地 | 初山別村豊岬153-7 |
問合せ先 | 0164-67-2539 |
営業時間 | 14:00~21:00(4月~9月)・12:00~19:00(10月~3月) |
定休日 | 12月~2月は休館 定休日:火曜・水曜 |
料金 | 200円(高校生以上)100円(小中学生) |
アクセス方法 | 留萌市から国道232号線を利用し車で1時間半、札幌から特急バスで4時間 |
ホームページ | http://www.vill.shosanbetsu.lg.jp/shtenmon/ |
ぐうたび観光情報 | https://www.gutabi.jp/spot/detail/193 |