つけ麺は札幌でも「ある一定の」市民権は得たように思います。
でもあえて「ある一定の」と書いたのは、個人的にはもっと注目されてもいいんじゃないかなぁと思っているからにほかなりません。
「つけ麺ってまだ食べたことがない」という人も多いんじゃないでしょうか?
その理由を聞くと「北海道は寒いから、やっぱり温かいラーメンが食べたいじゃない」なんて言われたりします。
一瞬納得するのですが・・・。
でも考えてみると、北海道って建物の中はとても暖かいですし、何より「暖かい部屋で冷たいものを食べたり飲んだりする楽しさ」をどの他県民の方より知っているのではないでしょうか。
真冬に暖かい部屋で飲む冷たいビールの美味しいこと・・・。
ということで、「真冬だってつけ麺を楽しもう」って提案はいかがでしょう?
今回は再びブームが来そうなつけ麺にスポットを当ててみたいと思います。
らーめん つけ麺 NOFUJI
まず最初にご紹介するのは「らーめん つけ麺 NOFUJI」です。
市内有名店での店長経験を経て2017年11月にオープンしたお店。
券売機から判断するとつけ麺もらーめんも同じぐらいのウリ度合いみたいだけど、券売機左上の法則から言えばややつけ麺上位って感じかな。
つけ麺は並盛・中盛・大盛が選べます!!
これが中盛。
そしてこれが圧巻の大盛!!
めちゃめちゃ迫力があります(^o^)
見て!この艶やかな麺。
お肌ツヤッツヤ!!
きっと麺の茹で汁には天然温泉を使っているね!
・・・ウソだけど。
でもこの麺とっても秀逸。
道産小麦100%の麺は製麺屋さんと何度も試行錯誤の上作り上げた苦心の作とのこと。
表面の滑らかさといい、食感の弾力といい、かなり好みです!
スープはかなりしっかり豚骨と煮干しの旨味が出ている。 醤油が立ち、ニンニクの風味も強めに活かしているものの、それらが高次元でバランスがとられているのが素晴らしい(^^)
これはオンリーワンだし秀逸だと思う!
ちなみにしっかりした魚介の風味がすること、店主の出自から考えて「鮮魚」も使用しているのかとも思ったが、アラなどの鮮魚は一切使用していないとのこと。
それぞれのうまみ成分の重ね方が独特で美味いですね~(^^)
大盛を頼んだ時にはその量に圧倒されて「失敗したか・・・」と思ったのだが、食べ終えてみると「もう少し行けるかも」という気にさせる。
濃厚なのに食べても食べても飽きがこないのも腕のなせる技でしょうね。
あーあ・・・麺がなくなっちゃったよぉ・・・。
そんな風にお嘆きのあなた!!
是非スープ割を注文してください。
実はここからが第二章と言ってもいいぐらいびっくりする。
提供されるスープ割にはシメジのバター炒めが投入されている。
シメジの美味さが加わり、極上のスープとなって出てくる。
これ・・・アイディアもさることながら、奇をてらっているだけじゃなく、ほんとに美味しいんだよね。
そしてもう一つの柱、「魚介醤油らーめん」!
これまた実に秀逸!
つけ麺に比較するとやや甘さを控えたスープはつけ麺同様コクがありながら、さらにすっきり飲みやすい。
こっちの麺も美味しいね(^^)
食べ応えがありながら、するすると胃袋に収まってしまう。
スープの底に残る骨粉は丁寧に豚骨を焚き上げた証拠。
味◎接客◎のとても満足できるお店でした。
ちなみに取材には年末と年始に訪問したんだけど、年末の最初の訪問があまりに印象に残ったからか、年明け早々にこのお店のことが夢に出た。
初夢で「一富士・二鷹・三なすび」という言葉があり縁起が良いとされているが、私の見た夢はここNOFUJIで大盛つけ麺を食べている夢。
「オオモリ・ノフジ・三シメジ」・・・。
なんとなくイイ一年になりそうじゃないですか?(笑)
【らーめん つけ麺 NOFUJI】
住所:札幌市豊平区平岸3条13-7-12
営業時間:11:00~15:00/17:00~23:00
定休日:月曜日
TEL:011-815-0101
麺やhide
ことわざに「好きこそものの上手なれ」という言葉があります。
好きだからこそ熱中できるし上手になれるってことですね。
でも、世の中にはその逆もあったりします。
2017年8月にオープンした麺やhideのお話。
今回のテーマは「つけ麺」にスポットを当てていますが、実はここの店主さんは「つけ麺は自分ではあまり食べない。」と伺っていました。
こちらの定番メニューにもつけ麺は載っていない。
壁のメニューを見ることで初めてその存在がわかるという・・・。
しかも提供時間が平日13時以降(土日はオープン時から提供)というのも中々ハードルが高い。
「店主さんが好きじゃなくて、メニューにも載っていないのに美味しい!!」と来たら・・・逆にそのつけ麺をご紹介したくなっちゃうのが私の性格のひねくれたところ(笑)
こちらがそのつけ麺。
美味そうなオーラを発しております。
わずかに全粒粉の粒々が見える麺。
実はこちらのお店は「自家製麺」。
その自家製麺は全部道産小麦をブレンドして使用しているとのこと。
初めてこのお店で味噌ラーメンを食べたときに麺がとても美味しく感じ、「これはつけ麺で食べてみたい」と思っていたんです!
ほのかな甘みを感じるとともに、気持ち良いぐらい弾力のある麺。
動物系+魚介系から強めに旨味を抽出されたつけダレ。
これらが合わさると口の中でうまさが踊りだす!
「ほらね!やっぱり美味しいよね!(^^)」とひとり納得。
炒め玉ねぎの甘さかな?
このアクセントも麺のおいしさを邪魔せず個性を出しているのもいいね!
香ばしくて食べごたえのあるチャーシューもGood!!
魚介風味の効いた割スープで最後まで大満足。
思うに、店主さんが「つけ麺をそれほど好きじゃない」というのは裏を返すとそれだけ「高いハードル設定をしている」ということなんじゃないかな?
自分が今まで出会ったつけ麺を越えるようなつけ麺を自分で作りたいと思って完成した一杯かも知れない。 とても極上のつけ麺でした!
とはいえ、店主さんが推してはいないようなのでせっかくだから他のメニューもちょっとだけご紹介。
濃厚な豚骨と魚介の旨味あふれる醤油ラーメン。
とろみを感じる程濃厚ながら無化調ゆえにくどさは全くない。
中細の自家製麺との絡みも良く、食べ進むほどに箸のスピードが上がるほど。
みじん切りの生の玉ねぎのアクセントがびっくりするぐらいに良く合う。
そして味噌ラーメンもオンリーワンな美味しさ。
塩や醤油ラーメンの麺に比較するとちょっと太目な麺。 濃厚な味噌の風味に負けていない。
濃厚な豚の旨味、そこに重なる節系の旨味。
そしてコクのある味噌そのものの旨味。
隠し味に蜂蜜やリンゴが使われているらしく、それがさらに旨味のハーモニーを作っているんでしょうね。
お米は新篠津村は南部農園さんの「おぼろづき」を使用しているとのこと。
これがまたとっても美味しいお米。
これはラーメンのお供に是非いただきたいところ。
上の写真は限定メニューの枕崎産マグロ節を使用した「マグロ出汁中華そば白 醤油仕立」
上品ながら旨味たっぷりのマグロ節が最高のラーメンになっていました。
ちなみにこのメニューは非常に反響が良いため2月から数量は限定ながら レギュラーメニューに加わることになったそうです。
オープンからまだ半年。
メニュー開発も積極的だし、丁寧な作りも伝わってくる。
何より熱心さが伝わってくるこちらのお店。
まだまだ伸びしろがたっぷりという印象。
最近私の記憶が「おぼろづき」な感じ(?)だが、この店の美味しさは食べた後も「はっきりくっきり」いつまでも印象に残っている。
食後の余韻もおいしいこちらのお店・・・この先がまだまだ楽しみなお店です。
【麺やhide】
住所:札幌市北区新川7条16-709-8
営業時間:11:00~15:00(L.O.14:45)/17:00~20:00(L.O.19:45)
定休日:水曜日(祝日の場合は翌木曜日休み)
TEL:080-8287-8858
つけ麺六芒星
「えー!どうしよう。あれも食べたいしぃ♪これも食べたいしで選べなーい♪」
デートの時にレストランで彼女にそんな風に言われたらちょっとカワイイと思ったりする人もいるんじゃないでしょうか?
でも、いい年をしたワタクシがラーメン店で心の中で同じことを考えていたら・・・。
ちょっとドン引きですよね(^^;
・・・実はしょっちゅう思っています(-_-)
さて、そんな私と同じようにメニューを見ながら迷子になっているそこのあなた!!
そんなあなたに朗報です!
いきなり何を言っているの?と思われるかも知れませんね(笑)
「つけ麺 六芒星」のお話です。
実はこちらのお店はつけ麺のスープが2種類選べるようになっているんです!
基本の「王道」の他に6種類あるスープから1種類をチョイスできるという素晴らしいシステム。
優柔不断なワタシにぴったりなシステム。
この日は王道の他に「鶏塩」をチョイスしてみました。
つけダレにつける前に麺を一口・・・
おお!これは美味しい麺だなぁ(^o^)
冒頭のプロローグで書いた通り、札幌では「それなりの市民権」は得たものの、まだまだつけ麺未経験者も多いことと思います。
そんな方に是非食べてもらいたいのがこの「王道」つけダレ。
東池袋大勝軒に端を発する古き良きつけ麺は「甘辛酸」がある程度強調されているものが多い。
昔ながらのその系統に比較すると甘さと酸味は控えめだが、その分素材の旨味がしっかり出ていて物足りなさは全くない。
上品ながら濃厚な魚介の風味が香るこのスープは、まさに「今の時代の”王道”」と言っていい味わいだと思う。
「鶏塩」は鶏と男爵イモを長時間炊いたものらしく、ジャガイモの風味がとても良く活きている。
シチューやポタージュのような親しみやすさを持ちながらきちんとつけダレとして美味しく仕上がっている。
卓上に置かれた「海苔」の無料サービスも嬉しいね。
ちょこんと1枚乗せるだけでワクワク気分が発動しちゃう(笑)
その他のスープもまだまだこれから制覇予定だが、トマトとスパイスの効いた「薬膳」もスープカレーのような味わいで癖になりそうだった。
〆は当然割スープを入れてゴクゴクと飲んじゃいましょう(^^)
昆布だしの良く効いた割スープはつけダレを飲みやすく美味しく仕上げてくれます。
個人的には鶏塩にあらびきブラックペッパーを一振りしたら極上ポタージュスープのようになりかなりツボだったね。
寒い冬に身体を芯から温めてくれる感じで、ほっこりしました(^^)
六芒星のこだわりとして書かれている「つけ麺の美味しさを知っていただき、北海道につけ麺文化を定着させたく専門店としてオープンいたしました」という店主さんの意気込みが素晴らしい!
寒い冬に冷たく絞められた麺を温かいスープにつけていただく。
そして最後にはスープ割を飲み干して最後は身体もポッカポカ。
考えようによっては北国ならでは贅沢なのかも知れません。
つけ麺初心者の方にまずは食べてもらいたい「王道」も、つけ麺大好きで普通の味に飽きた方に選べる楽しさを与えてくれる「6種類のつけダレ」も両方を満足させてくれる味だと思います。
まだ2回しか訪問できていませんが、さっさと全種類制覇したいと思います。
そうそう。
前回も今回も食後同じく後悔したこと・・・。
「なんで大盛にしなかったんだろう(T_T)」
ってこと。
体脂肪をため込むのも北国の冬の楽しさ(?)なので、次回から大盛だな!!
【つけ麺六芒星】
住所:札幌市中央区南6条西9-1024-44 パインスタービル 1F
営業時間:
【平日】11:00~15:00/18:00~24:00
【土・日・祝】11:00~24:00
定休日:不定休
TEL:011-205-0885
らーめんさいとう
最後にご紹介するのは「らーめんさいとう」です。
2016年12月のオープンですからすでにオープンから一周年を経過したお店。
カウンター7席の小さいお店ながら、「自家製麺」「無化調」というこだわりと、CPの高さでじわじわと評判になってきているお店。
店内には手回し式の自家製麺機が鎮座。
個人的な好みですが・・・この無骨ながら力強さを感じるフォルム!!
このむき出しの歯車とかめちゃめちゃテンションが上がります(^^;
子供の頃にこれの存在を知っていたら絶対サンタさんにお願いしているだろうカッコ良さだと思いませんか?
・・・あまり書くと危ない人に思われそうなのでやめておきます(^^;
さて、ラーメンもつけ麺も美味しいですが、まずは「つけめん(しょうゆ)」からご紹介しましょう!
自家製麺が美味しそうなオーラを発していますね(^^)
『ラーメンはスープから、かけそばは麺から食べるべし!』
頻繁に国会でも論争になる「麺類は何から食べるのが正解か?」問題ですがつけ麺はつけ汁につけずにまずいただくということで昨今決着がつきましたね!
もちろんウソ(-_-)ですが、まずこの麺を最初に食べてほしいってのはホント!
一言でいうと「すなおーな味わい」の麺。
飾らず、気取らず・・・もしかすると店主さんの性格がそのまま味に反映されているもかもしれない。
丁寧な作りが伝わってくる、つけ麺。
無化調のスープの優しさとも相まって、とても美味しいつけ麺に仕上がっている。
昆布の旨味が良く効いた割スープも優しさに溢れている。
そしてこちらが「しょうゆらーめん」
豚骨鶏ガラに厚削り節あたりが主役かな。
色んな複雑な美味しさがしっかり効いているが、あくまで味わいと口当たりは優しい。
個人的にはこの麺の本当の美味しさを感じるにはつけ麺に軍配があがるかも知れないが、もちろんラーメンにしても麺はばっちり美味しい
低温調理でじっくり時間をかけたチャーシューは肉の旨味に溢れ・・・。
優しい優等生的味わいもこれでパンチが加わる。
2種類のチャーシューに自家製麺に無化調。
そして、卓上調味料にまで配慮が行き届いて、「らーめん」も「つけめん」も650円?
CPの高さに驚きです!
時に「手間を惜しまぬ努力」は「とっちらかった味」になりがちだと思う。
でもここの味は「優しさ」にきちんとつながっている。
例えて言うなら「どんなに仕事が忙しかろうとも、家庭内ではあくまで優しい理想の夫」・・・って全然例えにもなっていないし、意味も不明だね(-_-)
できればツッコミも優しめにお願いします。
【らーめんさいとう】
住所:札幌市白石区中央1条6-9-1 成晃ハイツ 1F
営業時間:11:00~15:00/17:00~20:00
定休日:木曜日
TEL:011-826-5538
~~~
ということで、札幌ラーメン最新事情2018の第二回は「つけ麺」をテーマにしてみました。
冒頭にも書きましたが、「寒いからつけ麺はパス」じゃなく「寒い季節でも冷たいものを楽しむことができる道産子」だからこそ、試してみるのもいいんじゃないでしょうか?
麺を温かくして食べる「あつもり」という食べ方もありますし、それを提供しているお店もありますが・・・それでも最初は是非「冷たい麺」で食べてほしいです。
~~~~
[…] […]