創業70年、函館湯の川の老舗和風旅館「竹葉 新葉亭」でひとり時間を満喫

「ぐうたび北海道」副編集長の木村です。函館・湯の川温泉の憧れ宿「竹葉 新葉亭(ちくば しんようてい)」が、今年で創業70周年を迎えたと聞いて、泊まってきました。

私も函館には何度も足を運んでいますが、実は「竹葉 新葉亭」は初めての宿泊です。出張疲れを癒しつつ、自慢のお食事と、落ち着いた和のしつらえと庭園、そして宿の歴史を感じる滞在の様子をお伝えします。

純和風の佇まいで中居さんがお出迎え
室内庭園のあるロビーで函館の今と昔を知る

竹葉新葉亭の中居さん

静かで落ち付いた門構えと玄関。
老舗宿ということで少し緊張していたけれど、
着物を着たスタッフの笑顔のお出迎えにほっこり。

和服でのお出迎えにホッとするのは年のせい?
今日は一日中、函館市内を歩き回ったので、くたびれた身体が少しだけ癒されます。

竹葉新葉亭の館内庭園

「竹葉」という名がつく通り、北海道では珍しい竹林の庭園を持つ純和風の旅館。
玄関を入るとすぐに枯山水を配した屋内庭園が目に飛び込んできます。
ほんのり漂うお香の香りに気持ちもすっかりリラックス。

竹葉新葉亭のラウンジ

屋内庭園のそばにあるラウンジには、函館の歴史を知る写真集や書籍が揃っています。

私が函館に行くたびに手に入れる「peeps」も。
函館蔦屋書店で編集していて、ほかの情報誌よりもさらに1歩も2歩も踏み込んだ取材をしていて、行ってみたくなるお店がたくさん見つかりる地元でも評判のフリーペーパーです。

壁にはかつて皇室の方が滞在された時の写真が飾られていて、
由緒正しい旅館であることがわかります。

竹葉新葉亭の客室

チェックインを済ませ、向かった客室は12.5畳の和室です。
入口左手には次の間があって、大きな荷物を置いておけます。

和室の窓からはライトアップされた庭園が見え、扉を開けて外に出ることができ、庇のついた濡れ縁があります。

温泉の後はあそこでお茶でも飲んで涼もうか、朝風呂の後のコーヒーでもいいかもな・・・
なんてイメージがふくらみます。

道南の食を満喫する会席料理を
部屋で周りを気にせずゆったり堪能

竹葉新葉亭の食事

「竹葉新 葉亭」の食事はすべて部屋か個室でいただくスタイル。周りを気にせずに食事ができます。
カップルや夫婦でゆっくり食事をしたい方には特にオススメです。
もちろん、私のようにひとり旅で自分へのご褒美な旅、ひとり時間を満喫したい人にもぴったりですね。

日ごろの運動不足がたたってか、私のひとり時間は足を崩したり、ゴロゴロと横になったり、酔いが回って窓際で涼んでみたり。ちょっとお行儀が悪い素行もご愛敬ということで・・・

さて、今回、私がいただいたのは「暦の膳」。
地産地消をテーマに地場産の旬の食材を使い、一品一品料理長が拘った会席膳になります。

竹葉新葉亭の肴菜

前菜のワカサギは七飯町・大沼、イカ飯は森町の名産。お吸い物のじゅん菜も、大沼の特産品です。
道南の食を口にしながら、かの地に想いを馳せるのも、函館観光の醍醐味ですよね。

森町は、幕末・維新の時代には箱館戦争に先立ち、旧幕府軍の榎本武揚や土方歳三らが上陸した場所。七飯町はドイツ人貿易商ガルトネルが、箱館戦争と同時に榎本武揚率いる幕府軍と条約を結んで開拓し、西洋式農業を伝授した町。幕末の歴史にまつわる話には事欠かないのも道南・函館観光の魅力。

竹葉新葉亭のじゅんさい

私の大好物「じゅん菜」を使ったお吸い物。
じゅん菜は隣町・七飯町にある大沼国定公園の特産品の一つ。
ゼリー状のぬめりに覆われていて、つるんっとした喉越しと、ぷるぷるの食感に、私は目がないのです。

竹葉新葉亭の刺身

なんと贅沢な「蝦夷鮑ウニ焼」。アワビの上にウニが乗ってます。
至福の瞬間!

秋から春にかけてが旬の「あぶらぼうす」は、白身で柔らかく、脂がたっぷりのっていて、ほんのり柚子の香り付けがしてあり食欲がわいてきます。

身がたっぷり詰まったタラバガニはバジルソースで。和の味付けが続くなかで、洋風のバジルソースの味はちょうど良いアクセントになるし、程よい酸味は日本酒にもよく合うのです。

竹葉新葉亭のデザート

締めのデザートは濃厚なブドウのジュレをスプーンで掬うと、下に爽やかな味わいの洋梨のムースが現れます。
アクセントに添えられたドライトマトと3つの味を同時に楽しめる、贅沢な味わいのデザートです。
口の中もサッパリ爽やか。

お腹いっぱい、酔いを少し覚ましたあとは、体を温めに温泉です。

庭園を眺めながら長湯がしたくなる露天風呂
縁側がある客室に座って夕涼み

竹葉新葉亭の露天風呂

温泉は四季折々の花を楽しめる「萬葉の湯」と、竹の庭園を望む「竹林の湯」の2種類があって、朝と夜とで男女入れ替え。この日の夜の男湯は「萬葉の湯」。

露天風呂から正面に見える庭にはリンゴの赤い実を眺めながら、のんびり湯あみ。
泉質は少しトロっとしていて、お湯が肌にしっとりと絡みます。

ラウンジでくつろぐ

湯上り後はラウンジでのんびりしても良かったけれど、せっかくの一人時間。
部屋に戻って濡れ縁で、温かいお茶を片手に夜風にあたってみた。

俳句でもひとつ読んでみたくなる風流な時間。
才能があればね。

朝獲れイカ、塩辛、タラコ、いもバター
朝食もお部屋でゆっくり

竹葉新葉亭の竹林の湯

昨日の夜に朝ご飯の時間を730と伝えておいたので、その前に朝風呂へ。
昨日の夜と男女が入れ替わり、今朝は「竹林の湯」。
風にそよぐ竹の葉音が和みます。

竹葉新葉亭の朝食

部屋に戻ると布団が上げてあり、すぐに朝食が部屋に用意されました。
イカ刺し、イカの塩辛、タラコ、鮭。
朝食の食材も一品一品シンプルだけど上品な味わいなのは、さすが老舗料理宿。

竹葉新葉亭の朝食2

やっぱり美味しい朝獲れイカ。旨味がギュッと詰まったイモにバター。
函館乳業のビン牛乳、竹葉新葉亭のロゴ入り。
朝食で印象に残った3品です。

竹葉新葉亭のラウンジでコーヒー

食後のコーヒーはラウンジで。
私はどこをみてるんでしょうね。

竹葉新葉亭の館内

そう、館内には創業70年の歴史を感じる置き物が、そこかしこに展示してあるのです。

「あ〜、もう1泊したいな〜」
ラウンジに誰もいないのをいいことに、思わず呟いてしまいました。

さて、ぐうたび北海道では、憧れ宿「竹葉 新葉亭」の特別プランを販売中です。
通常1泊2食で2万円以上はするところを、
ぐうたび限定で、1万円で泊まることができるプランを用意してもらいました。

今回体験したプランとはちょっと違いますが、
はじめて「竹葉新葉亭」に泊まる人にはぴったりの、この冬の期間だからこその特別企画です。
もう、こんなお得なプランはないかもしれないので、この機会にぜひ予約してみてください。

WRITER/木村 一哉(ぐうたび北海道 副編集長)

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