【札幌ラーメン最新事情2019④】やっぱり美味しい!札幌「味噌ラーメン♡愛」再浮上

「札幌ラーメン=味噌ラーメン」ではないのですが、北海道以外の方にとってはそういうイメージが先行しているのも事実だと思います。
「札幌と言えば味噌ラーメンだよね」なんてフレーズを口にする観光客の方も多々お見掛けします。

ちょっと乱暴な言い方をすれば「味噌ラーメン」が札幌ラーメンを有名にし、今でも札幌ラーメンの看板を背負っているとも言えるかもしれません。

とはいえ、割と身近な存在の味噌ラーメン。
今更「味噌ラーメンがキテる」と言われても地元民にしてみたらピンと来ないかも知れません。
でも、今年は「味噌ラーメンってやっぱり美味しいじゃない!!」と私自身が再認識させられたお店がいくつも登場しました。

ということで、第4回の今回は、やっぱり美味しい「札幌の味噌ラーメン」をテーマにスポットを当ててみたいと思います。

みそ吟 札幌本店

「3年だけ東京で修業して来い!3年でオレが戻してやるから!」
札幌本社の会社に就職した私が入社わずか2週間で上司に告げられた宣告だった。

みそ吟 札幌本店の外観

インターネットも携帯も無い時代、東京と札幌では中々連絡も取れず、3年目に初めて届いたその上司からの年賀状には短くこう書かれていた。
「先に会社を辞める・・・ごめん」

ええええ(*o*)

「先に辞めるゴメン」と書かれた年賀状

3年で戻るどころかようやく来た連絡がそれ?
結局19年東京在住となりましたとさ(-_-)

タブレットが設置されたカウンター

いや、愚痴をいうわけではなく、その19年で得たものは自分の中にある「北海道愛&札幌愛」の再発見。
離れているからこそ感じる「愛」、客観視できるからこそ見えてくる「良さ」なんてのがあると思う。

プロローグ長ぇよ・・・^^;

タブレットを起動

ということで、最初にご紹介するのは「みそ吟札幌本店」です。2018年2月にオープンしたお店です。
実はこちらのお店は名古屋を中心に「札幌ラーメン」のお店としてチェーン展開しているんです。
そのお店が満を持して札幌に逆輸入的に初進出。
店名も「みそ吟札幌本店」として、味噌ラーメンの本場札幌に本気の上陸!

メニューが表示されたタブレット

店に入り席に着くとまず目に飛び込んでくるのがタブレット端末。これを使ってオーダーが可能ってのが斬新ですね。
回転寿司店などでは導入しているお店もありますが、ラーメン店では珍しい。

みそ吟ホワイト

さて、名古屋と言えば味噌の文化であり、赤味噌の本場でもありますよね。
味噌ダレには、その赤味噌をベースに白みそや香味野菜なども合わせた「特製味噌」を使っているそう。
今回ご紹介するのは札幌出店に合わせて開発された、その特製味噌+道産ジャガイモのポタージュとチーズを合わせた「みそ吟ホワイト」なるメニュー。

みそ吟ホワイトの白いスープ

おほほっ!
まさしくホワイト!
全面を白いソースが覆う中バーナーで炙られたところが色も香りもアクセントになっています。

ベースのスープは鶏ガラベースの割とすっきり系。
すっきりとしながらも。赤味噌の持つコクに白みそや香味野菜の複雑な味わいが特徴的で、これは普通の味噌ラーメンも美味しいに違い無い!
で、そこにジャガイモのコクとチーズの濃厚な旨味が重なったのが、「みそ吟ホワイト」
その味わいはまさにポタージュのようなスープ。

みそ吟ホワイトの麺

小林製麺の加水率高めの麺はややムッチリさん。
先入観で「パスタっぽくなるかな」と思ったんだけど、チーズ&ジャガと絡むとこれが不思議と「濃厚味噌ラーメン」にきっちり仕上がっているから面白い。

みそ吟ホワイトのトッピング、チーズを纏ったもやし

札幌味噌ラーメンの具の代名詞「もやし」もチーズを纏ってワンランクアップの美味しさに。

みそ吟ホワイトのスープ

徐々にジャガ&チーズがスープになじみ、コクが全体に広がる。これはクセになるかも!

スープだけ残った丼

あーあ・・・もうなくなっちゃったよー・・・。

こんもり盛られたご飯

って私の記事を読んでいる方なら大体想像がつきますね^^;
はい!
リゾット用追い飯がなんと無料なんです!

残ったスープにご飯を入れる

「追い飯」に「負い目」を感じながらも・・・。

スープとご飯をまぜる

この美味しさには抗えない!
なにこのコク!
極上リゾットだわ。
「負い目」を感じている場合じゃない。

ふたたび、みそ吟ホワイト

ジャガイモもチーズも北海道の名物。
だけど、それと味噌ラーメンを合わせるという考えは地元の人間の発想では中々生まれてこないかもしれない。
この辺は道外で長く札幌味噌ラーメンを提供し続けてきて、外から札幌味噌ラーメンを見てきたこのお店ならではの視点なのだと思う。

全て食して空になった丼

改めて食べてみて思った。
これ・・・「アリ」です!^^

入り口前に置かれた立て看板のメニュー

味噌にジャガイモにチーズ。
「重そう・・・」というイメージがあるかも知れない。
でも実は決して重たくは無く、むしろ気づかなかった新たなコクが生まれている。
是非一度試してみて欲しい。

ちなみに、私の体型を見た人は
「重そう・・・・」と思うかも知れない。
でも、実は決してそんなことはなく、むしろ・・・。
いや、ごめんさない。
当然大ウソです(-_-)

あーあ。
味噌+ジャガイモ+チーズの良さを伝えようとしたのに最後に台無しにしちゃったかも。

【みそ吟 札幌本店】
住所:札幌市中央区南6条西9丁目1024-36
電話:011-522-7538
営業時間:平日 11時〜15時 18時〜翌3時
土日祝 11時〜翌3時
定休日:なし

麺や赤鬼

長い期間変化が無い事を「十年一日のごとく」なんて言いますが、札幌のラーメンシーンにおいては「ここ10年の進化は凄まじい」と思っています。
変化ありまくりの10年だったように思います。
さて、そんな背景の中でご紹介するお店は2018年7月にオープンした「麺や赤鬼」です。
実はこちらのお店、この地で10年前まで「名物らーめん あか鬼」という店名で営業していたお店なのです。
当時自分の「宿題店リスト」に入っていたのですが、訪問しそびれたお店だったりします。

麺や赤鬼の入り口

当時は評判が高かったけど、前述の通り「まぁここ10年のラーメンの進化のスピードは早いからなぁ」なんて、実はそれほど期待せずに訪問したことをカミングアウトしておきます^^;

カウンターの鬼の置物

カウンターには鬼君がお出迎え。
棍棒にぶら下がっている小鬼君がなんだか可愛い^^

味噌ラーメン

こちらが筆頭メニューの「味噌らーめん」
ほんのりオレンジ色。
もしかして辛いスープかな?

味噌ラーメンのスープ

で、このスープ・・・。
一口食べて圧倒されました!
豚骨+鶏ガラベースとのことですが、すっきりとした旨味とコク。
そこにほんのりの辛みがプラスされているけど、自然な甘さがあり、辛さはそれほど気にならない。
丁寧な仕事が伝わってくる臭みの無いスープは圧巻!

味噌ラーメンのトッピングのネギ

ネギの切り方一つをとっても丁寧な仕事とこだわりが伝わってきますよね。

麺のアップ

札幌らしい中太縮れ麺。
もっちりした食感はスープとの相性も抜群。

チャーシューのアップ

でっかいチャーシューも見た目のインパクトだけじゃなく、旨味のしっかり残った極上品。

スープからレンゲですくったひき肉

そしてスープにたっぷり使われているひき肉。
食感も味も良い働きをしてくれています^^

スープが絡んだトッピングのメンマ

いやー・・・。
「美味しいと言っても10年前でしょ?」
なんてちょっとなめたことを考えてしまったことを反省。
さらに言うなら、当時このラーメンを食べていたらひっくり返っていたかも^^;

味噌ラーメンのアップ

「札幌味噌ラーメン」というカテゴリに於いては当時はちょっと抜きんでていたんじゃないかな。
うまっ!^^

スープまで飲み干したラーメン丼

赤鬼という店名、ちょっとオレンジ色のスープ・・・。
第一印象では「ワイルド」な味わいを想像していましたが、ワイルドとは真逆な「優しさ」あふれる一杯でした。

鬼も笑えば福来るの旗をかかげた鬼の置物

カウンター上の「鬼も笑えば福来たる・・・」というメッセージと笑い顔。
なんだかいいですね^^
「鬼」というよりむしろ「仏」を連想させるような優しさ・・・。

一麺入魂、感謝の書

宿題店を10年経ってようやく食べることができたワタクシ。
『来年の事を言えば鬼が笑う』なんてことわざがありますが・・・。
『10年経って食べてみたら鬼と私が笑顔になった^^』って感じでしょうかね^o^

【麺や赤鬼】
住所:札幌市北区新琴似8条7丁目2-1
電話:011-763-0108
営業時間:11:00~15:00(L.O.15:00) /17:00~19:30(L.O.19:30)
※スープが無くなり次第終了
定休日:日曜日・祝日

麺や廉

続いてご紹介するのは2018年11月オープンの「麺や廉」です。
いくつもの名店で修業された店主さんが満を持してオープンさせたお店。

麺や廉の外観

最後に修業されたお店は中央区にある行列の絶えない人気店の「らーめん信玄」とのこと。

メニューに人気NO1と書かれたコクまろ味噌750円

では早速いただきましょう。
一番人気らしい「コクまろ味噌」を注文。

コクまろ味噌

大きなチャーシューが目に飛び込んできますね。
ところで「コクまろ」ってなんだ?

コクまろ味噌のスープのアップ

スープは「鶏ガラ、豚骨、煮干し、昆布、野菜をブレンド」とのこと。
一口・・・。
おおお!コクまろ~~^^
食べると納得!

ラーメンのアップ

ベースのスープにしっかり旨味が乗っていて、そこに味噌が加わって「コク」が抜群。
その一方でしっかりしながらしつこさが皆無の「まろやかさ」!
まさにコクまろのネーミングがぴったりの味わい。

麺のアップ

やや黄色みの強い、小林製麺製の麺。
代表的な札幌麺のスタイル。
この強い黄色は食欲を刺激してくれます。

信号機だと黄色は「注意」ですが、麺だと黄色は「食べすぎ注意」ですかね(苦笑)

すりおろしショウガ

別皿で提供される生姜。

ショウガを入れた丼のアップ

ほんのちょっとの量しか提供されませんが、実は香りが豊かで十分に味にインパクトを与えてくれる。
まろやかなスープに良いアクセント。

卓上に置かれたすりおろしニンニク

ちなみに卓上にはすりおろしのニンニクがありますので、お好みでこちらも加えるとさらにパンチ力がアップ。
まろやかな味わいから始まり、お好みでショウガやニンニクでパンチを加えていくと最後まで楽しめます^^

丼を覆うほど大きいチャーシュー

でっかいチャーシュー。
見た目のインパクト重視かと思ったら、これもしっかり美味しい。
肉の周囲に染み込ませた醤油ダレの風味がスープと相まってこれまた相乗効果が楽しめます。

トッピングのメンマ

動物系の素材の旨味だけじゃなく、野菜の甘みや昆布の旨味も効果的なとても美味しいスープでした。
前の修業先である「らーめん信玄」と同じような「まろやかさとコク」を持つ味噌スープ。
それでいてきちんと店主さんのカラーが出ているところはさすが。

メニューあっさり塩650円

今回は未食ですが、どうやらあっさり塩やあっさり醤油も評判が良いらしい。
CPも抜群だし、これは次回チャレンジしないとね。

全て食べ尽くした丼

「まろやか」なスープはしっかりした味わいながらあっという間に飲み干してしまう美味しさ。
・・・これでまた私の身体もさらに「まろやかさ」を増しちゃいそうだな(-_-)

【麺や廉】
住所:札幌市北区北15条西4丁目1-12 シュトラールハイム 1F
電話:011-374-7018
営業時間:11:00~21:00
定休日:火曜日

THE MISO

日本には古くから「味噌」を使った慣用句がありますよね。
「手前味噌」とか「そこがミソ」とか「味噌がつく」とか・・・。
手前味噌を並べる人をあざけって「駄味噌を上げる」なんて言葉もあります。
・・・「駄味噌を上げる」なんて知らなかったし、これから先も一生使う事はなさそうだけどね^^;

それぐらい日本人にはなじみが深く日本を代表する調味料である味噌ですが・・・。
続いてご紹介するお店の看板には「THE MISO」と英語で表記されています。
2018年12月にオープンしたお店です。

THE MISOのエントランス

お店の外観には日本語が一切表記されていない。
日本を代表する調味料「味噌」も「MISO」で通じるぐらいワールドワイドな調味料になりましたよね。
また、ここは狸小路内というインバウンドの聖地とも言えるエリアですから、その辺の意図もあるんでしょうね。

味噌ラーメン

第一印象を正直に言いましょう。
なるほど・・・味噌ラーメンを知らない人達に向けてのものね。
味噌ラーメンに慣れ親しんでいる札幌っ子の舌を満足させるようなものじゃないんだろうなぁ・・・。
なんてなめてかかっていました。

おしゃれな白い丼とレンゲ

で、結論を言うと・・・ごめんなさい!
なめていました(T_T)
本気の味噌ラーメンが食べられるお店でした!

味噌ラーメンのスープ

ニンニクの風味などもするが、やや軽めで札幌ラーメンスタイルのそれとはちょっと違うものの、その分「味噌感」がとても強い。
そして味噌そのものの風味がとても良くて美味しい!

丼から、すくいあげた麺のアップ

麺は札幌スタイルのそれに近い黄色い縮れ麺。
複数の味噌をブレンドしているらしいが、麺をすする度に味噌の風味が口いっぱいに広がる。

スープには箸休めのキャベツが

箸休め的存在のキャベツや・・・。

キクラゲのトッピング

キクラゲもいいアクセントになっています(^^)b

通常の味噌ラーメンのチャーシュー

噂によるとチャーシュー麺は分厚いチャーシューがドドーンと乗るらしいが、通常の味噌ラーメンでも迫力満点のチャーシューが乗っている。
このサイズでも十分にテンション上がります^^

トッピングの煮卵

「観光客の多いエリアにとりあえず味噌ラーメンを出しておけばイイって考えなのかな?」なんて、ものすごーく失礼な先入観を持っていたことをお詫びしたいところ。
札幌味噌ラーメンとはちょっと違うアプローチながら、むしろ新たに「味噌という調味料の可能性」を示唆してくれているような気さえする味わいでした。

スープまで飲み干した空の丼

スープそのものがすっきりしているというのもあるだろうが、量はしっかりあるのに胃袋に余裕がある感じ。
途中でライスを追加注文しようかと思ったけど、その間もなく飲み干してしまった^^;

ちなみに味噌にまつわることわざで健康に関係するものは非常に多いんです。
「味噌の医者殺し」「味噌汁は朝の毒消し」「医者に金を払うよりも、味噌屋に払え」「味噌汁は不老長寿の薬」etc.
昔から「味噌は身体にいい」とわかっていたんですね。

さらに最近では「脂肪燃焼」「脂肪の吸収ブロック」「代謝アップ」「便秘解消」など、「味噌は身近なダイエット食品」なんてことも言われています。

何ですと!ダイエット食品ですと??

「よーし!もっと味噌ラーメンを食べて痩せてやるぜ!」
と誓うのであった。

・・・逆効果な気がするのはなぜだろう??(-_-)

【THE MISO】
住所:札幌市中央区南3条西6丁目9 T6西ビル1F(狸小路6丁目)
電話:011-206-8640
営業時間:11:00~15:00/17:00〜21:00
定休日:月曜日

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ということで、札幌ラーメン最新事情2019の第4回では「やっぱり味噌ラーメン」というテーマでお店にスポットを当ててみました。
「札幌=味噌ラーメン」と言われると「それだけじゃないよ!!」と反論もしたくなりますが、逆の質問で「味噌ラーメンと言えば?」の質問に対しては「札幌に決まっているでしょう!」と言いたくなるのも本音。
今更言われるまでもなく札幌味噌ラーメンの美味しさは知っていると言われるかもしれませんが、あらためて味噌ラーメンの美味しさと可能性の再認識をした一年でもありました。
昔から日本人になじみが深く格言やことわざでも頻繁に登場する「味噌」・・・まだまだ奥が深いかも知れません。
ちなみに、「直伝屋(拙プロデュース店)の味噌ラーメンも美味しいですよ~!」
・・・というのが本当の「手前味噌」ということわざです。

直伝屋(拙プロデュース店)の味噌ラーメン

例文とともに宣伝してみました(笑)
はっ!!(*o*)
こういうのを「駄味噌を上げる」って言うのか!!
『一生使うことは無い』と書いたのに、早速使ってしまった(苦笑)

こんな私ですが懲りずに来週の最終回までお付き合いいただけたら嬉しいですm(_ _)m

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WRITER/大石 敬(札幌ラーメンコンシェルジュ)

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