【札幌ラーメン最新事情2018⑤】新境地へいざなうプラスワンの魅惑食材!

ラーメンのバラエティ豊かさはますます広がりを見せています。
もはや試されていない食材は無いんじゃない?ってぐらい、色々な素材がラーメンに取り入れられています。
それなのに、依然としてラーメンの味の広がりはまだまだ限界を見せていないように思います。

これは「新たな食材で新しい味を生み出す」のもラーメンなら「今まで使われてきた食材でも新しい味わいを生み出せる」のもラーメンだからなのだと思います。
ただ、どちらにも共通しているのは店主さんの「信念」や「思い」なんてものが、その素材を通してラーメンの味わいに反映されている点だと思いますし、それがラーメンの面白いところでもあると思います。

ということで、最終回の今回は特徴的な食材を使ったお店にスポットを当ててみました。

雨はやさしくNO,2

巨人の星ってアニメをご存知でしょうか?
主人公星飛雄馬が巨人入団を目指し幼少期から父一徹の元で修業をする物語なのですが・・・。
そのアニメで登場する「大リーグボール養成ギブス」なるエキスパンダーのお化けみたいなもの。
普段はそれをつけているのでボールもヒョロヒョロとしか投げられないのですが。。。

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ある時それを外すのだが、いわゆる「封印を解いた」星飛馬のボールは剛速球ですさまじく・・・って何の話?

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人気店「雨はやさしく」の2号店「雨はやさしくNO,2」のお話です。
「雨はやさしく」と言えばスープを焚いていないって事はご存知の方も多いでしょう。

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最初にオープンした際の店舗は上が住居となっており、その方とのお約束とかで動物系スープが焚けないという制約があったんですね。
店主さんはそれを逆に自分に課したテーマとして捉えたようで、
「動物系スープを使わずに美味しいラーメンを作る!」と決意したところからスープ作りは始まった。

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動物系スープを使わないという制限。
その中で生みだされた煮干しや昆布・椎茸などの水出汁技法による極上スープを作り上げたこと・・・
ノーアニマルスープにプラス動物系素材として、「レバーペースト」を作り上げたこと・・・。
ここから「雨やさ伝説の始まり」と言っても良いぐらいじゃないでしょうか。

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それがこの2号店で、まさに「封印を解いた」ってお話。

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もうね。 前置きが長すぎるって話だよね(^^;

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で、封印を解いた雨やさが選んだスープは「鶏」!
鶏をグツグツと炊き上げ、濃厚な鶏白湯スープを作り上げた。
そしてこの「濃厚鶏白湯塩」のスープの美味しいこと!!!
鶏の濃厚な旨味がグイグイ押し寄せてくる!

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そしてそして、さらに素晴らしい働きをしてくれるのが、このホタテペースト。
ホタテを醤油とバターであえて焦げるぐらい焼いてペーストにしたものらしい。
ホタテの旨味に香ばしい香り・・・一発で虜になってしまいました。

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本店(No.1?)に比較するとやや太めの麺も力強いスープに合わせてのチョイス。
相性抜群だし、何より麺そのものが美味しい!

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おなじみのメンマ代わりのゴボウ。

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炊いたものと揚げたものの2種類。
食感も味も違って贅沢なアクセントになっている。
スープそのもの、麺そのものの完成度が高いにも関わらず、そこで妥協せずに味の変化やアクセントまで考えられているのが店主さんのすごいところ。

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見てこのタワー!
インスタ映えだって忘れちゃいない!
美味しいのはもちろん、見て楽しんでもらいたいという気持ちの表れなんでしょうね。

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大リーグボール養成ギブスを外した・・・いや、動物系スープの封印を解いた店主さんの渾身の一杯は予想以上にすごかったです。

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ちなみにもう一つお伝えしたい情報があります。
それが「おかかチーズごはん」の存在。

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もちろんラーメンのお供としてそのまま食べてもいいのですが・・・。

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残ったスープに入れることをご推奨!!

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そーれ!ドボン(^o^)

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濃厚な鶏白湯スープにチーズのコクと鰹節の旨味。 これは幸せ・・・。

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北海道弁で言うところの「飲まさる」ってヤツですね。
もうこれは自分に責任はない!!
仕方がない出来事だよね ┐( ̄ヘ ̄)┌(ヤレヤレ)

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ちなみに再び巨人の星のお話・・・。
主人公の星飛雄馬は「ボールが軽い」という致命的な欠点があり「大リーグボール」という魔球を編み出しました。 大リーグボール2号はなんと「消える魔球」というすごさ!
もはやだれにも打たれないボールだよね!!

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そして私には「体重が重い」という致命的な欠点があり・・・
自宅の体重計を「消す」という荒業を生み出しました。
心が「打たれる」ダメージはなくなりますが、なんの解決にもなりませんでしたとさ(-_-)

【雨は、やさしく NO,2】
住所:札幌市東区 北7条東3丁目1番地1、28番地8 1F
営業時間:11:00~15:00/18:00~20:20
定休日:月曜日(祝日の場合翌日休み)
TEL:011-722-5511

麺処まるは RISE

もうね。原稿の締め切りが迫って焦っているわけですよ。 なのに、冬季オリンピック・・・しかも、今日は男子フィギュアスケートの日だったりするわけです。
羽生結弦選手の圧巻の金メダル!!
感動したね~!

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怪我さえもこの感動のための伏線だったんじゃないかと思うぐらい。
23歳の若さで日本中・・・いや世界中に感動を与えてくれた羽生選手に拍手です。

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いかん!いつまでたってもラーメンの話に発展しない。

ということで、やや無理やりですが・・・。
札幌でも20代の若者が感動を与えてくれているお店があるんだよって話に持っていこうと思います(^^;

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ご紹介するのは昨年5月にオープンした麺処まるは RISE。
店主の長谷川凌真氏は 2014年の本特集でもご紹介した麺処まるはBEYONDの店主でもあり、
なんとまだ20代の若き天才。

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麺処まるはBEYONDでも我々に感動を与えてくれたけど、このRISEでまたさらに進化を遂げている。

2連覇達成!!と言ってもいいんじゃないでしょうか?

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こちらのお店の主役は「貝」!!

まず真っ先にあさりやムール貝由来の「貝」の旨味が洪水のように押し寄せてくる!
そして主役は「貝」なのだが、それだけじゃなく煮干しなどの魚介風味に動物系、素材も加わった複雑な旨味が口の中に広がる。
構成点は10.0点の満点ですね!

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見てこのスープの美しさ。

芸術点の高さもハンパ無い!

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前半の写真は「銅メダルラーメン」で後半の写真は「銀メダルラーメン」だったかな?

・・・もちろんうそです。
そんなメニュー名じゃありません(-_-) 正しい商品名は、最初が「貝出汁醤油」と後半が「貝出汁塩」です(-_-)
でもどちらも「金メダル級の美しさ」ですよね。

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しかも、美しくて味が良いだけじゃなく香りがまた素晴らしい!!

貝出汁だけに頼るのではなく複雑で芳醇な香り。
貝の風味に加わるのはポルチーニオイルにカキ油・・・。 香りのトリプルアクセルですよ。

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こちらは貝出汁つけそば。

これがまたすごい。
宇野昌磨選手なみの存在感。

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貝出汁そのものの旨味が強いとは言え、麺そのものも旨味が強い。

まさに世界の強豪が集うオリンピック並み!

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そこでさらに繰り出す技はバターを加えてさらに強いコクを与えるというコンビネーションジャンプ技!

その味わいはまさにショートプログラム(SP)・・・じゃなくてスペシャル(SP)な一杯。

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麺処まるはBEYONDがオープンしてから丸4年。

4年に一度の祭典・・・じゃなくて、麺処まるはRISEで感じたのは4年間の成長と進化・・・。
若き絶対王者長谷川店主がまたやってくれたな!と思いました。

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ということで、なんだか脳神経が4回転ジャンプで絡み合ってしまったのか、どうしてもオリンピックから頭が離れず、まともな原稿が書けないのでした(>_<)

すみません。。。。

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ちなみに羽生結弦選手の金メダルは冬季オリンピックでちょうど千個目の金メダルだそうで・・・。

文字通り「値千金」の金メダルですよね。
さすが、絶対王者はやっぱり「持っている」と思う。
・・・ちなみに、次回はラーメンもつけ麺も「盛ってやろう」と思うワタシなのでした。
レベルがなんて低いんでしょう( -_-)

オリンピック期間中に書いた原稿なのでいつもにも増してグダグダなのをお許しください(^^;

【麺処まるは RISE】
住所:札幌市南区澄川3条3-4-7
営業時間:[月・水~金] 11:00~15:00 17:00~21:00(L.O.20:45)
[土・日・祝] 11:00~20:00
定休日:火曜日・第3水曜日
TEL:011-795-8276

らぁめん ぶんた。

続いてご紹介するのは「らぁめん ぶんた。」です。

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札幌ラーメンにつきものの香味野菜と言えば「ニンニク」と「ショウガ」は欠かせないところ。

主役とは言わないが、まぁ欠かせない素材の一つで「ショウガが入っています」と言われても、正直あまり新発見という気はしない。

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ところがそれだけ一般的な食材にもかかわらず、ここまで「しょうがしょうゆらぁめん」を推されるとその秘密を探ってみたくなるのが人情ってもの。

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お店に入るとカウンターの上にある黒板にも「しょうがしょうゆ」推しのメッセージが書かれている。

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正直言えば最初はあまり食指は動かなかった。

「ショウガのことはよく知っているよ」ってな感じでね。
なんだったら 「ああショウガ君ね。子供の頃近所に住んでいたよ。」 ってぐらい良く知っているつもりになっていた。

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まずはショウガを溶かさずにいただきましょう(^^)

ベースのスープは清湯(チンタン)系醤油スープ。
動物系素材の旨味に野菜の旨味・・・背脂の甘さも少し加わり、バランスよく仕上がっているこれはとっても美味しいスープだ!

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せっかくバランスが整っているこのスープ・・・。

ショウガを溶くのがちょっとためらわれる。
でもスープに溶きながらいただくと・・・頭の中のイメージを上回る美味しさが押し寄せる。
いい!いいじゃない!

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「え?ショウガ君ったらびっくりするぐらい立派な大人になったねぇ」

ぐらいの驚きがあったね(笑)

良く知っている素材のはずなのに、あらためて良い意味での裏切り。
考えてみたら、札幌でも「心繋(しんわ)」の生姜醤油らーめんや、「いせのじょう」のしょうがラーメンのように個性的で美味しいラーメンがそろっていたね。

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(↑写真は「心繋(しんわ)」の生姜醤油らーめんと「いせのじょう」のしょうがラーメン)

良く知った素材でも使い方では個性的なラーメンにできること。
過去にも経験してたはずなのに、なんとなく先送りしていきたことを後悔。

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で、話はこれで終わらない。

もう一つ紹介したいメニューがある。

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幟で気になっていた「白菜麺」

白菜もそれ自体は珍しい食材じゃない。
これの魅力もそこそこ知っているつもりだ。
言うなら
「あ、白菜君ね。中学校の時生徒会長やってたよね」 ぐらいの距離感。

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炒めたときのシャキシャキした食感もいいし、鍋にして長めに火を通してクタっとさせてもいいんだよね。

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説明書きには

「しょうゆスープに豚バラ・ひき肉・白菜を入れてひと煮たち!
シッカリ冷やして冷蔵庫で一晩寝かせました」
と書かれている。

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スープにしっかり旨味を移してくれたクタッとした食感の白菜に・・・。

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調理直前に加えられたシャキシャキの食感の白菜。

白菜の魅力が120%!

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ベースの札幌ラーメンスープに白菜の自然な甘みがプラス。

豚肉から出ている旨味がさらに厚みを加えてくれる。 これはイイ!

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そしてここに投じられたワンタンの美味しいこと。

餡にはショウガが加えられ、一口かじってスープをいただくと、先の「しょうがらぁめん」同様に新しい魅力が出てくる。

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ベースの醤油ラーメンのスープが美味しいにも関わらす、「これで完成」とか「これをイチオシメニューにする」という安易な発想じゃなく、そこから”ショウガ”や”白菜”という素材を「プラスワン」して、オリジナリティあふれるラーメンに仕上げているのが素晴らしい。

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ショウガも白菜も自分の中では知っている素材のふりをしたけど・・・。

「ああ、ショウガは生徒会長で白菜は野球部キャプテンだったね。オレは二人とはクラスも部活も一緒だったし、毎朝一緒に登校してた仲だよ!」
ってぐらい店主さんの方がショウガとも白菜とも近い距離だったってところかな。

【らぁめん ぶんた。】
住所:札幌市北区北29条西13-2-1
営業時間:11:00~21:00(L.O.20:30)
定休日:月曜日
TEL:011-299-5143

麺’s 気炎万丈

「気炎を吐く」とか「気炎を上げる」なんて言葉がありますよね。
「やる気が非常にある様子」の事らしいけど、学の無い私は「気炎を吐く」という言葉を使用したことはない(^^;
そして「気炎」ってなんだろ?って思ってしまう。
どうにも「気炎を吐く」という字面を見ると映画「ゴジラ」を思い浮かべるのは私だけでしょうか?
・・・ゴジラが吐いているのはもちろん「気炎」ではなく「放射火炎」なるものらしいですが・・・。

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て、話があまり脱線し過ぎないうちに本題に入ろう。 2018年1月にオープンしたばかりの「麺’s 気炎万丈」のお話。

【気炎万丈】(きえんばんじょう):意気込みが他を圧倒するほど盛んであること。
らしいですね。

確かに表の看板からも「勢い」や「意気込み」が感じられます。
圧倒されるわ!

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でっかいチャーシューが目を引く味噌ラーメン。

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3種類の味噌をブレンドしているというこのスープ。

しっかり旨味の出た豚骨スープに合わさるとスッゲーコクです(^^)

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平打ちのピロピロした麺は味噌ラーメンには新鮮に感じると思うけど、想像以上に相性が良いので是非食べてもらいたい。

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圧巻のチャーシュー!

まさに「他を圧倒するほど」のインパクト!!

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こちらは「担々麺」!

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パンチに頼った「インパクト系」なのかと思ったら、それがどうしてどうして・・・。

むしろ繊細なスープにゴマの風味。
高級中華料理店の極上担々麺に引けを取らない本格的な味わい。

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コクはありながら繊細なスープ。

それにこの肉みそを溶きながらいただくと、一気にパワフル系スープに変身!

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さらに驚いたのはこの麺。

ゴマが練りこまれた麺をすすると、さらにゴマ風味が口の中に広がる。
ゴマゴマパラダイス!

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そして個人的にイチオシなのがコレ!!

「醤シビラーメン」
『山椒を強く感じる一杯』と説明書きにありました。
昔は山椒の「麻(マー)」な痺れ感は苦手だったけど、今は大好物です!
「山椒よ!かかってきなさい」って感じです(^^)

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豚骨しっかり、ニンニクしっかり、そして山椒ガッツリ!!

旨味と辛み&痺れの大洪水。
これはクセになるし抜群に美味しい!

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味噌と同じくピロピロ平打ち麺。

いいねぇ(^^)
この麺にもシビレルわ!

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店長さんが「辛さ・・・大丈夫ですか?」と聞いてきた。 「れんれん、らいじょうぶれす」と答えるワタシ。

滝のような汗を流しながら呂律の回っていない返答をしている自分がなんだか情けないね。

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私なんか比較にならないほど、辛さや痺れには慣れっこの辛いものスキーさんも沢山いると思います!

でも、あえて言います。
「辛さや痺れをわかっている人こそ今一度ここで食べてみて!」と。
改めて新しい魅力を発見できると思いますよ。

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決して優しめの辛さじゃなく、口から火が出るぐらい辛めの設定だけど、その奥にある美味しさにむしろ惹かれる一杯でした。

はっ!!(*o*)
もしかして、今私ったら「気炎」ってヤツを「吐いている」って状態じゃない?

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心なしか身体も熱くなりやる気がみなぎっている気もするしね!
生まれて初めて「気炎を吐く」という意味を理解した気がする。
・・・違うか(-_-)

【麺’s 気炎万丈】
住所:札幌市中央区南6条西4-11 Cビル 1F
営業時間:20:00~翌5:00(L.O.翌4:45)
定休日:日曜日
TEL:011-596-6376

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ということで、今年も全5回にわたりお送りしました「札幌ラーメン最新事情2018」いかがでしたでしょうか?
新店から札幌のラーメンのトレンドを探るというこの試みを毎年続けていますが、今年もテーマを分類するのが中々大変でした。
お店そのものは魅力的なのに、テーマに沿わないために泣く泣く外してしまったお店もあります。 ご紹介できなかったお店の中にも沢山魅力的なお店があります。

本特集記事を食べ歩きの参考にしていただけたら嬉しいですが、掲載できなかったお店の中にもきっと皆さまを楽しませてくれるお店があるはずです。
最終的には是非ご自身の足と舌でお店探しを楽しんでいただけたら嬉しく思います。
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WRITER/大石 敬(札幌ラーメンコンシェルジュ)

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