令和6年2月7日(水)~2月8日(木)、食品メーカーや飲食店等の商品開発ご担当者様を対象にした1泊2日のエゾシカジビエツアーを、エゾシカの生息地でもあり、エゾシカ料理開発に先進的に取り組んできた釧路市で開催しました。
当日の釧路市は氷点下15度を記録。厳寒の街には札幌市を中心に、道南の乙部町、十勝の陸別町、オホーツク地方の遠軽町、遠くは関東から、総勢16名の食品関係事業者が集結。1日目は安全安心なエゾシカ肉の提供のために取り組む「エゾシカ肉処理施設認証制度」の説明と、管理栄養士によるエゾシカの栄養特性と商品開発の実例紹介などの講演に耳を傾け、2日目は食肉処理施設や阿寒湖畔の森林被害や捕獲の現場を視察。参加者はエゾシカが増えることによる社会的課題や、エゾシカ肉処理施設の安全安心の取り組み、そして最後に商品開発のヒントを学びました。
【本事業のコンセプト】 |
Ⅰ.道内の食品事業社の開発担当者やバイヤーへの認証施設とエゾシカ肉の周知 北海道にゆかりや想いのある企業・団体の食品開発担当者やバイヤーに、北海道がエゾシカ衛生処理マニュアルに基づいた適切な処理を行う食肉処理施設を認証していること、エゾシカ肉への取り組みや魅力を認知してもらう。 Ⅱ.認証制度と栄養特性の周知 エゾシカ肉は管理の行き届いた場所で生産された安全安心なお肉であることや、栄養価に優れており、その他のお肉と比較しても魅力的な食材であることを認知してもらう。 Ⅲ.現地での視察とエゾシカの解体実演 エゾシカによる食害現場と認証施設の視察、エゾシカの解体実演を、現地で体験することで、エゾシカ肉有効活用の意義を認知し、エゾシカ肉の扱い方を学ぶ。 Ⅳ.商品開発につながる実例、手法の紹介 実際の商品開発の事例や販路拡大の取り組みを講演し、商品開発の手法を学ぶことで、新たな商品開発につなげる機会とする。 Ⅴ. エゾシカジビエツアーの実施内容を道民へ発信 エゾシカジビエツアーで実施した内容をウェブサイト上にレポート作成し、道民やツアーに参加していない企業・団体の食品開発担当者やバイヤーにエゾシカを取り巻く現状や認証制度、認証施設、エゾシカ肉の魅力を知ってもらい、エゾシカ肉の消費拡大に繋げる。 |
【参加者】 |
エゾシカの商品開発に興味のある食品加工会社の食品開発担当者やバイヤーを中心に、農家やハンターの方など、計15名にお集まりいただきました。 |
■目次
1日目
エゾシカによる農業被害と、北海道による捕獲と有効活用の取り組みについて解説
ツアー1日目の冒頭は、今回の事業の主催者である北海道庁野生動物対策課エゾシカ対策係大和田氏による、本事業の趣旨や道庁の取り組みについての説明からスタートしました。
令和4年度のエゾシカの推定生息数は78万頭、農林業被害額は48億4600万円。参加者からは「農業被害の多さに驚いた」「被害の現状をグラフやデータで知ることができ分かりやすかった」などの声が聞かれ、北海道としてエゾシカの捕獲等を重点的に推進することを説明し、北海道の取り組みに理解を深めました。
エゾシカ有効活用の取り組みでは、令和5年度に新規の認証施設が3施設増えたことを報告。東京と大阪での料理セミナーや、エゾシカ肉PRのための出前講座、パネル展示を実施した際の様子を紹介。また、令和6〜7年度には、今回のエゾシカジビエツアーの参加者を対象に、試食会やセミナー、首都圏プロモーションを実施する予定があることについて発表しました。
※エゾシカ肉処理施設の一覧はこちら
【令和5年度の北海道の主な取り組み】 |
①エゾシカ肉処理施設の認証 令和5年度の新規認証施設数 3件 ②エゾシカ肉などのPR ・エゾシカ肉PRのための出前講座、試食、エゾシカ革や角を活用したクラフト製作を実施(19回、709名) ・イベントへの出展 9/28~9/29エゾシカパネル展(北海道庁1Fロビー)(238名) ・包括連携協定に基づく取り組み ・道外でのエゾシカ肉のPR(11/8東京セミナー、11/19大阪セミナー) ・エゾシカ肉消費拡大キャンペーン「エゾシカフェア」の開催(12/15~2/12) ③エゾシカ肉品質向上に向けた取組 ・エゾシカ肉品質向上に関する調査 ・エゾシカ肉品質管理のための検討懇話会の設置、開催 ④SNS等を活用した広報 ・Facebookページ「おいシカ!エゾシカ!」の運営 |
【今後の事業展開について】 |
<令和6年度:道内でのエゾシカ商品の開発・PR> ・本ツアー参加者等を対象にした、商品やレシピの試食会・有効活用推進セミナーの開催 ・例年開催しているエゾシカフェアにてエゾシカ肉商品を紹介 <令和7年度:道内外でエゾシカ商品・取組を広くPR> ・商品開発したエゾシカ商品を道内他、首都圏等にて広くPR |
北海道庁のサイト |
●北海道庁野生動物対策課エゾシカ対策係 https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/est/index.html |
講演① 安全で美味しいエゾシカ肉生産の取り組み
2つ目のプログラムは、エゾシカ食肉事業協同組合代表理事の曽我部元親氏による講演です。
●エゾシカ食肉事業協同組合 http://www.yezodeer.jp/ 牛や豚などの家畜には、と畜・解体処理の適正を確保し公衆衛生の見地から必要な規制を行う「と畜場法」という法律が定められています。ところがエゾシカやクマなどの野獣肉には、と畜・解体処理のルールを定めた法律はありません。そこで北海道は、エゾシカ肉を安全安心な食材として流通させるため、平成18年10月にエゾシカ肉の処理を行う食肉処理施設の自主的な衛生管理を推進するための「エゾシカ衛生処理マニュアル」を制定しました。 平成27年(2015年)12月には、安全安心なエゾシカ肉の提供と販路拡大を図り、地域ブランド化を推進することを目的に、エゾシカ肉ブランド力向上検討会やエゾシカ肉処理施設認証制度設計委員会において検討を重ね、「エゾシカ肉処理施設認証制度」を創設。平成28年(2016年)10月から認証制度を運用しています。 現在、上記の認証制度を運用している認証施設は北海道に20施設あります。 北泉開発(株)では、契約ハンターから仕入れるエゾシカの他に、囲い罠で生体捕獲し牧場で育てる養鹿事業も行っています。養鹿事業は餌代によるコスト高や、肉の締まりや脂のつき具合が狩猟肉には劣るというデメリットもありますが、クセがなく柔らかい肉質になる、衛生的な処理が行える、そしてなんといっても通年での安定供給が可能になるというメリットがあることについて説明をしました。 認証制度を知らなかった多くの参加者は、野獣肉のと畜・解体処理等に関する法制度がないことへの驚きと、認証制度の重要性について認識を深めることになりました。 3つ目のプログラムは、えいようラボラトリ合同会社の岡本匡代氏による自身のエゾシカ研究についてや、鉄分を豊富に含むエゾシカの栄養特性についての講演です。 ●えいようラボラトリ合同会社 https://eiyolabo.com/ 岡本氏がエゾシカ肉の研究を本格スタートさせたのは平成12年(2000年)。日常的にハンターの猟に同行し、エゾシカ肉の成分解明に取り組みました。エゾシカ肉の一般成分を畜肉と比較し、タンパク質と鉄分が豊富で脂質が少ないこと、さらに季節によって変動があることから、季節による違いを楽しめる食肉であることなどを、写真やグラフを用いながら説明。参加者は「情報が沢山で充実していた」「最後まで飽きずに聞き入った」「研究への熱意を深く感じた」など、岡本さん熱意あふれる講演に引き込まれていきました。 とりわけ参加者が惹きつけられたのは、エゾシカの成分が季節によって変わるというストーリー性についてでした。季節による肉質の違いはデメリットと思いがちですが、「季節性を楽しむ」と捉えることで、畜産(牛・豚・鶏)にはない魅力になる、アピールポイントになるという考え方に、大いに刺激を受けたようです。 続いての講演は、えいようラボラトリ合同会社岡本匡代氏と佐々木可奈恵氏によるエゾシカを商品開発する際の手法や、具体的な商品事例、販路拡大に向けた取組についてです。 ●えいようラボラトリ合同会社 https://eiyolabo.com/ エゾシカ肉の商品開発で重要なこととしてお話しいただいたのは、まずは安全第一であることでした。「北海道認証肉を用いること」「HACCPに則って製造すること」「中心温度85℃以上、1分以上加熱すること」。これらを遵守することが大前提となります。エゾシカ産業化は産官学が連携してコツコツ築き上げてきたものですが、一度の食中毒ですべてが吹っ飛びかねないのです。 また、エゾシカ肉を食べるのが「初めて」「食べ慣れていない」または「嫌悪感を持っている」という人に、どうやって食べるきっかけを作るのかについて、いくつかの示唆をいただきました。 そのほかにも栄養学に基づいてターゲットを広げたり、ふるさと納税で商品化するときに、どこが差別化するポイントになるかなど話は多岐に渡り、参加者は「ストーリー性を提案する際の参考にしたい」「エゾシカという食材の特性を、多角的に理解することで商品開発の可能性は大きく広がることを実感した」など、多くの知見を得ることができる貴重な機会となりました。 1日目最後のプログラムは、セミナーの会場であるレストラン「フランス料理ガストーラ」で、エゾシカ肉料理を囲みながら講師・参加者同士による交流会。エゾシカ食肉事業協同組合代表理事の曽我部元親氏による乾杯のあいさつで楽しい交流の時間が始まりました。 料理を提供してくれたのは、今回の講演会場である「フランス料理ガストーラ」の安藤済シェフ。東京の代官山にある「レストラン・パッション」にて6年間勤務したあとフランスに渡り、スペインとの国境にまたがるバスク地方の「ホテル・レストランCHILO(シロ)」にて約2年半修業。帰国後の平成16年にガストーラを開店。地元ハンターが集まるパーティの会場にもなるなど、エゾシカ料理でも高く評価されるシェフです。
本日のメニューがテーブルに置かれると、参加者からは驚きの声が上がります。前菜からメインまでエゾシカづくし。エゾシカ肉は本日の講師を務めた曽我部元親氏が運営する北泉開発からの仕入れ。自ずと期待に胸がふくらみます。 安藤シェフは、料理を1品出すごとに調理のポイントやエゾシカ肉のうまみを引き出すコツなどを詳細に説明。参加者からの多くの質問や感想が飛び交いました。 【北泉開発のエゾシカ肉を使用したオリジナルディナーコース】 交流会では、参加者が既に販売していたり、現在開発中のエゾシカ肉商品のや、エゾシカ肉とよく合うタレ・スパイスなどもご紹介いただいき、情報交換を行いました。 ●株式会社ノースフレンズ「知床玉ねぎとエゾシカ肉のキーマカレー」高たんぱく低脂肪のヘルシーな知床産のエゾシカ肉と、知床斜里町の中村農園の甘味たっぷりの玉ねぎの甘みのを味わうことができる風味豊かなキーマカレー。 ●やせいのおにくや「エゾシカ肉のグリーンカレー」 ●しれとこ中村農園「玉ねぎが主役の赤身にあう焼肉のたれ」 ジビエツアー2日目は、早朝8時にホテル前の貸切バスに集合。エゾシカによる森林被害の視察現場である目的地の阿寒湖畔は、今朝の気温が氷点下20度。参加者一行は暖かい服装に身を包み、バスに乗り込みました。 阿寒湖周辺の森は、昭和59年頃からエゾシカが急激に増えはじめました。森の中には凍らない水飲み場と餌となるササや広葉樹があり、エゾシカの格好の越冬地となっていたのです。エゾシカによる樹皮食害は年々拡大したため、財団は独自の対策事業を展開しました。 このように、前田一歩園財団では独自のエゾシカ対策することで森林保全に尽力しています。 参加者からは、木の皮が丸々剥がされている木の幹を目の当たりにして「生々しさにショックを受けました」、「囲い罠の見学は、写真とは違い自然の中に存在するその施設の意味合いを実感することにつながった」などの感想が聞かれました。 2つ目の目的地は、北泉開発株式会社が運営するエゾシカ肉処理施設「阿寒グリーンファーム」です。 阿寒グリーンファームは北泉開発が運営する、エゾシカ肉の食肉加工センター。道の定める認証基準をクリアした認証処理施設です。ここでは北泉開発業務部長の赤澤貞美氏が、施設の衛生管理やエゾシカ肉製品が出来るまでの作業工程について解説しました。 事前に視察した、前田一歩園の囲い罠で捕獲したエゾシカは、阿寒グリーンファームのと畜施設でと畜され、トラックで処理施設まで搬送されます。搬入されたエゾシカ肉は、皮を剥ぎ、内臓を摘出し、頭部と四肢を切断する一次処理を行い、冷蔵施設へと運ばれて熟成させます。 赤澤氏から一次処理場と冷蔵施設の説明を受けた後は、枝肉を部分肉などに解体・加工する二次処理の様子を、目の前で実演してもらいました。解体しながらエゾシカ肉からどのような部位が取れるかを解説していただきました。 本ツアーを通し、参加者は様々な角度からエゾシカ肉に対する認識を深め、実際に被害現場を視察することで、商品開発への意欲に繋がりました。 本レポートを参考に、ツアーに参加できなかった食品事業者や道民など多くの人々が、エゾシカ肉の認証制度や栄養特性、エゾシカを取り巻く現状を周知できることを願います。 【主催】 【運営】 【協力会社】
●北泉開発(株)阿寒グリーンファーム https://www.hokusen-kk.com/akan-greenfarm
【エゾシカ衛生処理マニュアルと認証制度】
エゾシカ肉には牛や豚などのような獣畜肉と違い、と畜場法やマニュアルが無かったため、
北海道がエゾシカ衛生処理マニュアルを作成。平成27年(2015年)12月、「エゾシカ肉処理施設認証制度」を創設。【認証基準】
(1)道内に食肉処理施設を設置する食肉処理事業者であること。
(2)エゾシカ衛生処理マニュアル(平成18年10月北海道作成)を遵守していること。
(3)HACCP(北海道保健福祉部)に基づく衛生管理を行っていること。
(4)出荷する製品について、トレーサビリティが可能であること。
(5)道が定めるエゾシカ肉処理施設認証制度カットチャートを遵守していること。
(6)道が定める包装されたエゾシカ肉に表示するラベルの記載事項を遵守していること。認証を受けた施設で生産されるエゾシカ肉及びその肉を使用した加工品には、ロゴマークを表示できます。
(※事前に使用許諾を受ける必要があります)
曽我部氏の経営する北泉開発(株)も「エゾシカ肉処理施設認証制度」を運用する認証施設「阿寒グリーンファーム」を運営しています。講演ではエゾシカの仕入れから、と畜施設・と畜方法を紹介。HACCP(北海道保健福祉部)に基づく衛生管理や、出荷する製品のトレーサビリティについて解説しました。
講演② エゾシカ肉の栄養特性、認証肉の魅力について
講演③ エゾシカ肉の商品開発と販路拡大について
・シカ肉は昔からある食文化であるという歴史的視点
・肉も皮も骨も全てを活用するアイヌ文化としての視点
・純国産で地産地消であるというSDGs的視点
・食品学的に優位性があるという視点
上記の視点をヒントにストーリーを持たせることは、初めて手を伸ばす商品をアピールすときにはとても大切になります。
【えいようラボラトリが開発に関わった主な商品】
ボロネーゼ缶(加工食品)
阿寒グリーンファームによるANAふるさと納税。レシピ提供および調理を担当。現在も販売あり。
ミートソース缶(加工食品)
「第2回くしろエゾシカシンポジウム-みんなでエゾシ会議inくしろ-(釧路短大、釧路市主催)」の参加者プレゼント。レシピ開発および調理を担当。
シカ団子とキノコのカレー(レシピ開発)
岡本氏が教授職時代のゼミ生が開発したレシピを飲食店に提供。限定販売された。
シカのチタタプの豆乳スープ(レシピ開発)
岡本氏が教授職時代のゼミ生が「みらいの食べる北海道スープレシピコンクール」で最優秀賞を受賞。副賞はイオンでの限定販売ほか。
シカマヨおにぎり(レシピ開発)
佐々木氏が専任講師職時代のゼミ生が「こめしん(米穀店)主催・おむすびコンテスト」で身体に良いで賞を受賞。限定販売された。
漬物(釧路もみじのみそ漬け)(レシピ開発)
佐々木氏が専任講師職時代に指導した有志学生が「T-1グランプリ北海道ブロック大会」で「なまら北海道部門賞」を受賞。
介護食4種(和風ステーキ、洋風ステーキ、ハンバーグおよびシュウマイ)(レシピ開発)
佐々木氏と岡本氏の共同研究。エゾシカ料理を囲む交流会
前菜 赤ワインブレゼの冷製テリーヌと白糠ゴボウ(スネ肉、モモ肉)/写真右上
スープ コンソメロワイヤル(大腿骨、スネ肉、ミンチ)/写真左下
主菜 ミートボールのブランケットとレモンピラフ(ミンチ)/写真右下
デセール ムースショコラと木いちごのソルベ
【参加者自社製品の紹介】
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内容量190g中60g以上にこだわった、エゾシカ肉をたっぷりいれたグリーンカレー。ココナッツの風味がよく効いた辛めの味付けで、キャンプなどアウトドアのお供にぴったり。
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農園自慢の玉ねぎから製造したダイスカットソテーとバラ凍結の玉ねぎをボトルに合わせて50%も閉じ込めたタレは赤身肉によく合います。
公式サイトはこちら2日目
視察① エゾシカによる被害現場の視察
エゾシカによる森林被害の視察現場は、一般財団法人前田一歩園財団が所有する阿寒湖周辺の森です。財団職員の時田勝広氏の案内の元、普段一般の人が入ることができない敷地に特別に入れてもらいました。
【樹皮被害から森を守るための対策事業】
①樹幹のネット巻き
硬いプラスティックのネットを樹幹に巻くことによって、物理的にシカが立木の樹皮を食べることができないようにしています。
②ビートパルプ給餌
冬期間、森の中でビートパルプ(ビートの搾り滓)の給餌を行っています。この方法は立木の樹皮食害を防ぐために、高い効果を発揮しているそうです。
③囲いワナによる生体捕獲
平成16年度から現在に至るまで囲い罠による生体捕獲を実施しています。囲い罠の中に餌であるビートパルプ(ビートの搾り滓)を設置してエゾシカをおびき寄せます。入り口に取り付けられた侵入感知センサーが一定数のエゾシカを感知すると、センサーと連動した扉が自動的に閉まる仕組みです。ガイドをしてくれた財団の時田氏によれば、前田一歩園では週に2回、ビートパルプを設置して生体捕獲を実施しているそう。捕獲したエゾシカ生体は、罠の奥の狭いスペースに追い込み、角があるオスは1頭ずつ、メスは数頭ずつに分けて運搬用の箱に入れて、北泉開発の認証処理施設へと運ばれます。
視察② 認証施設の見学とエゾシカ肉の解体実演
まとめ
北海道環境生活部自然環境局野生動物対策課エゾシカ対策係
北海道バリュースコープ株式会社
北泉開発株式会社
えいようラボラトリ合同会社
一般財団法人 前田一歩園財団