モエレ沼公園のデザインや、大通公園の彫刻というか滑り台、ブラック・スライド・マントラで札幌でも知られている彫刻家のイサム・ノグチ。
映画「レオニー」は、イサム・ノグチのお母さん、レオニー・ギルモアの半生を描いたもの。よくあるお上品な伝記もの映画とは一線を画する、予想以上の作品に仕上がっていてびっくり。
『レオニー』11月20日(土) 札幌シネマフロンティア・シネプレックス旭川他 全国ロードショー 配給:角川映画 ©レオニーパートナーズ合同会社
一番印象的なのは、この映画の最後。
ユニークで美しいモエレ沼公園が、主人公・レオニーとともに映しだされる。
でね、そのラストシーンで、ぞぞぞっときちゃったわけよ。背筋が。
いろんな要素が混ざり合っていい映画になってると思うだけど、まずは
フランス映画「エディット・ピアフ〜愛の讃歌」で、
フランス・セザール賞の撮影賞をとっている永田鉄男のカメラがいいこと。
どのシーンも、それはもう絵が決まってて美しい!
さらに良かったのは、主演のエミリー・モーティマーの演技。
特に表情で何かを表現するのがとても上手。
そんなに美人でない(失礼!)女優さんだけど、
非常に魅力的で芯が通っていて、なおかつ女性的な主人公・レオニーを、
存在感たっぷりに描き出していた。エクセレント!
脚本や構成もよくできている。
人の半生を描くのに2時間ちょっとじゃ無理じゃんという作品の多い中、
松井監督は、しっかりと稀代の芸術家を生み出した女性の生き様を、
観客に焼き付けてくれる。う〜ん、巧みだね。
唯一、ちょっと違和感ありは中村獅童。なんか芝居が浮いてるし、
彼が演じる野口米次郎という人物が、さっぱりわからないんだよね。
これはまあ、そういう部分もあるということで。
20世紀の初頭に日本で力強く生きた、あるシングルマザーの物語。
その彼女の意思が、偉大な芸術家を生み出すことに…。
特に女性はこの映画を観ることで、すっごく勇気をもらえるんじゃないだろうか。
先入観抜きで観てごらん。絶対得した気分になるはずだから。
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