地元で買って地元で飲もう
ワイン持ち込み(BYO)で楽しむ空知ワインと料理のマリアージュ

冬は葡萄畑も雪に埋もれてしまい、ワイナリーに行っても見るところがない。そこで、冬ならではの楽しみ方として、地元で買ったワインを地元のレストランに持ち込むBYO(ワイン持ち込み)の楽しみ方を紹介します。地元のワインを熟知したシェフに、ワインのことはもちろん、ワイナリーや造り手のこだわりを聞いたり、地元の食材を使った料理とのマリアージュを相談したりすれば、より深く空知のワインを楽しむことができるはずです。

BYOってなに?

北海道の中央部よりやや西方、札幌と旭川の間に位置する空知地方は、いまや多くのワイナリーやヴィンヤードが存在する道内有数のワイン生産地です。ワインの楽しみ方は、ショップやワイナリーの直売所などで買って家で味わう、または、レストランで食事とともにメニューからオーダーして楽しむ、というのが一般的でしょう。

その両方の良さを合わせた楽しみ方が「BYO(Bring Your Own Bottle)」です。ショップで買ったワインをレストランに持ち込んで、プロの料理とともに味わう。そのサービスを取り入れている、深川市のフレンチレストラン「空音(そらね)」のオーナーシェフ・今泉光則さんに、BYOの魅力や料理とのマリアージュなどを伺ってきました。

BYOの楽しみ方

まずは、「空音」と今泉さんの紹介を。

札幌生まれ、神奈川県茅ヶ崎育ちの今泉さんは高校卒業後、東京の調理師専門学校で学び、フランスや東京などのレストランで修業。ワーキングホリデーを利用してオーストラリアに渡り、約1年農園の仕事も経験しました。

そこで出会ったのがレストランの「BYO」でした。「オーストラリアではレストランがお酒を提供する許可を取るのが難しく、ほとんどのレストランが買ってきたお酒を飲んでいいというシステムでした。お金がなかったので助かりましたし、合理的なシステムだと感心しました」と今泉さん。帰国後、2010年にオープンした「空音」で、もちろん当初からそのシステムを導入したそうです。

今泉さんに「BYO」のメリットを伺いました。

「お客さまにとっては、やはりお好きなワインを安価で楽しめること。そして、うちもそうですが、田舎のレストランの料理はその地の食材をふんだんに使っていることが多いので、近いところで作られたワインを合わせれば、いわゆる“テロワール”を楽しんでいただけると思います。お店側からすると、高いお店のワインをオーダーしていただくのもうれしいですが、その半分の費用で楽しんで、もう1回食べに来ていただけるならありがたいというのが、私の考え方です」。

BYOの発祥といわれるオーストラリアを体験した今泉さんらしい言葉ですね。

ワインと料理のマリアージュ

今泉さんにおすすめのワインと、それに合う料理も紹介してもらいました。

ワインは「空音」がある深川市の隣町・滝川市江部乙(えべおつ)にて、家族ぐるみでぶどう作り、ワイン造りに取り組む「えべおつWein」の「Regebogen 虹 2022」です。7種類の赤白ぶどう品種混醸の白ワインだそうで、今泉さん曰く、果実味豊かでキレイな酸味が広がるとのこと。

「生産者の髙橋さんは東京出身で、昔からの知り合い。定年後、滝川に移住され、好きなワインを自ら造りたいと、ぶどう栽培から始めた方です。そうしたストーリーも、地元ワインを応援したくなる理由ですね」と今泉さんはいいます。

このワインに合わせてくれた料理は、ディナーコースの一例、前菜と魚料理。深川産野菜たっぷりの前菜には、地元米農家が作った塩こうじを使ったドレッシングを、魚料理も自家製醤油こうじとバターで味付け。近い地域の食材同士を合わせ、ワインの酸味と米こうじのコクをペアリングしたそうです。「こんな風に楽しめるのも、ワイン作りが盛んで、食材が豊富な空知ならではだと思います」。

空知ワインの最新事情
今泉さんの推し空知ワインはやはり「えべおつWein」。昨年念願の醸造所を完成させ、今年初出荷なので「楽しみにしています」とのこと。
レストラン 空音
住所/深川市音江町広里71-4
電話番号/0164-25-2276
営業時間/11:30〜14:30(LO13:30)※ランチは予約推奨、ディナーは完全予約制18:00〜、19:30〜
定休日/水、第1・3火曜
席数/26
駐車場/10台
ワイン持ち込み料/ワインを飲む方1人350円
ランチコース2000円〜、ディナーコース4300円〜

BYOのマナー紹介

「BYOが浸透しているオーストラリアでは、それほど面倒なルールはなく割と自由に楽しんでいたので、うちもキレイなグラスを用意するくらいで、後は自由に楽しんでもらえればいいですよ」という今泉さん。ただ、お互い気持ちよく楽しむための最低限のマナーは守りたいもの。

*まずはBYOが可能か、事前に必ず確認。
*予約の際に持ち込むことを伝える。
*ルールを確認し、それを守る。

BYOができる空知のレストラン紹介

くりやまアンド・アム 夕張郡栗山町湯地22-64
0123-76-7558
【BYO】1本につき1100円
IZAKAYAすぱいす 滝川市本町1-2-26 東映ビル1F
0125-23-8155
【BYO】無料
おおげつ 滝川市大町1丁目1-7 2F
0125-74-6296
【BYO】1本につき1100円+グラス代1個550円
パンとワインの店PAN VINO 岩見沢市上幌向北1条6丁目770-40
0126-26-5582
【BYO】1500円までは1本につき500円
1500円以上は1本につき1000円
南蛮屋 玄太 岩見沢市4条西2丁目1弘文社1F
0126-24-9006
【BYO】1本につき1100円

 


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