前回はプロローグとして、札幌の「冷やしラーメン」について説明しました。
前回の記事はこちら
今回は早速お店を紹介しましょう!
「冷やしラーメン(冷やし中華)」を提供している2店と「本当は冷やしラーメンを名乗りたかった(かも知れない)」の中で注目店の2店をピックアップしました。
※サービス内容、営業時間、定休日等は変更となる場合がございますので、来店前に店舗にご確認ください。
ラーメンの大公
プロローグにあたる前回の記事で書いた通り、札幌ではいわゆる「冷やし中華」を「冷やしラーメン」と呼ぶことが多い。
前回の記事「冷やし中華じゃなくて冷やしラーメン!?」

▲老舗ラーメン店三代目月見軒では森住製麺の「冷しラーメン」ののぼりが掲げられている
特に老舗の札幌ラーメンのお店では、夏になると当然のように「冷やしラーメン」の提供をのぼりやPOPで告知されることが多い。

▲暖簾に書かれた「昭和41年創業」の文字に注目
さて、ということで老舗ラーメンの代表格の一つ。「ラーメンの大公」をご紹介したいと思う。
昭和41年創業、今年で創業57年になる老舗中の老舗だ。
店名 | ラーメンの大公(たいこう) |
所在地 | 札幌市中央区南二条西5丁目1 |
アクセス | 札幌市営地下鉄「大通」駅「すすきの」駅からともに徒歩7分 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 11:00~23:00 日曜営業 |
定休日 | 水曜日 |
席数 | 28席(カウンター10席) |
(店舗情報の引用元:食べログ)
正統派ノスタルジック札幌ラーメンが食べられる店

▲これは通常メニューの「みそラーメン」
大公と言えば「正統派ノスタルジック札幌ラーメン」が食べられるお店だ。ラードであおり調理をされたモヤシがイイ!

▲アッツアツのこのラーメンを真冬に食べると身も心も芯からあったまる
西山製麺のプリップリの黄色い縮れ麺もThe・札幌ラーメンの味わい。
味噌ラーメンに代表される札幌ラーメンって、北国の寒い気候風土から生まれたラーメンだよなぁとつくづく思う。

▲ラードの暑い油膜でスープはいつまでもアッツアツ
そう!北国の寒い気候風土から生まれたであろう札幌ラーメン!真冬には最高のご馳走。

7~8月しか食べられない「冷やしラーメン」

▲POPでは「冷し」で店内のメニュー表記は「冷やし」で送り仮名が違うけど気にせずに
ということで、夏になると提供される大公の冷やしラーメン。

▲「あっ冷やしラーメ…7月~8月だけか…」と何人が残念に思ったことだろう
店内のメニュー表で一年中目にするのだが、提供は期間限定。
6月の初夏の暑い日や、残暑厳しい9月に行っても食べられない貴重なメニューだ。

▲堂々とした王道の盛り付けで登場した「冷やしラーメン」
ということで、こちらが大公の冷やしラーメン。まさにこれぞ札幌の冷やしラーメンといったビジュアル。

▲爽やかなキュウリ
冷やしラーメンの三種の神器と言えば、まずキュウリ、

▲手作りのあたたかみを感じさせてくれる、少し太めの錦糸卵
錦糸卵、

▲縁が赤い赤耳ハム。これがたまらなく懐かしいという人も多いと思う
そして、ハム(またはチャーシュー)。
この3つということで異論はないでしょう!
これらを細切りにして麺と一緒にずずずっと啜ると「ああ、夏が来たなぁ」と思うのは私だけじゃないはず。

▲ワカメでさらにクラシカルな見た目と味わいに
大公ではそのほかにワカメや、

▲コリコリとした食感の中華クラゲ
中華クラゲ、トマト、紅ショウガなどが彩りを添えてくれる。
コシが強い札幌の縮れ麺が甘酸っぱいタレと相性抜群!

▲中華麺ではなく札幌らしい縮れ麺で食べる冷やし中華は一味違う!
プロローグで書いた通り「冷やしラーメン」は首都圏の「冷やし中華」が渡って来たものだと思う。
だが、一般的な中華料理店で使用されるいわゆる「中華麺」より、縮れが強くて一般的な中華麺よりやや太くコシの強い札幌の縮れ麺。これが実にいいのである。
思いっきり偏った地元びいき発言をしていいですか?
「札幌麺の方が冷やしラーメン(冷やし中華)では美味しいと思う!」

タレは麺に絡めるだけじゃもったいない

▲レンゲですくって飲みたくなる甘酸っぱいタレ
タレというよりは少なめのスープという見た目。食べやすく仕上がっているのも大公の特徴だ。

▲麺も具材もタレでひたひたにして食べてみてほしい
冷やしラーメンではタレ(スープ)は飲まない人が多いけど、ここ大公ではスープも一緒に味わいながら食べます。


▲これぞ様式美!といっても過言ではない
添えられたカラシをちょいと麺に付けながら食べるもよし!ピリッとした辛さも食欲を刺激してくれます。
優しい味わいのチャーハンもおすすめ

▲冷やしラーメン+半チャーハンのセットは無いので注意!
食欲を刺激してくれるのがわかっていたから……実は半チャーハンも一緒に注文していたりして。

▲小さいながらもピーマンが独特の風味を加えてくれている
ここのチャーハンは薄味で優しい味わい。

▲ランチタイムの案内
ちなみに平日のランチタイムには味噌・醤油・塩ラーメン+チャーハンのお得なセットもあります。
が、冷やしラーメンは対象外ですからね。ご注意ください。食べたい方は単品で半チャーハンをご注文ください。


▲ごちそうさまでした!
札幌のオールドファンにとってみれば「これぞ冷やしラーメン」。名称の混乱はあるにしても、札幌で冷やしラーメンと言えばやはりこれなんだと思う。
このお店が札幌の冷やしラーメンのルーツというわけではないけれど、札幌冷やしラーメンの原点の一つだろうし、この味が昔から愛されてきたのも間違いないと思う。

▲カウンターにある店名が彫られた置物
まずは、現存する老舗ラーメン店の中から代表的なお店をご紹介しました。
定番の味噌・塩・醤油もいいけれど、夏の短い期間しか提供されないこの冷やしラーメン。歴史を感じる意味でも今年は一度行ってみませんか?
麺や 貴一
2019年に札幌市北区の北34条エリアでオープンした「麺や 貴一」。2021年12月に現在の元町エリアへと移転した。

▲移転前の店舗へ訪れた2019年の写真
移転前の背脂中華を食べた時の印象としては、煮干のしっかり効いたパンチのあるラーメンで「煮干しをワイルドに効かせているけど嫌みが無い」というもの。
煮干の使い方が上手いなぁと思ったのを覚えている。

▲移転後の外観
コロナ禍もあり、移転してから訪問できずにいたが、友人からの評判は「全部のメニューが美味しい」というものと「夏の冷たいメニューが両方とも美味しい!」というものだった。

店名 | 麺や 貴一(たかいち) |
所在地 | 札幌市東区東苗穂12条3-1-5 |
アクセス | 地下鉄東豊線「元町」駅から4,070m |
駐車場 | あり(3台/店舗前) |
営業時間 | 11:00〜15:00、17:00〜21:00(L.O.20:30) 日曜営業 |
定休日 | 火曜日 |
席数 | 13席(カウンター7席) |
(店舗情報の引用元:食べログ)
夏期限定メニューの「冷たい煮干し中華」

▲両方とも美味しいと評判の二つの夏の冷たいメニュー
券売機の前で悩むこと20分……ウソウソ!そんなに券売機前で悩んでいたら迷惑でしかたないわっ!


▲「冷たい煮干中華」
結局選んだメニューは「冷たい煮干中華」。もちろんオプションの「洗い飯付き」をチョイスしてますよ。

▲涼し気な気分にさせてくれる薬味の盛り合わせ
大葉・みょうが・わさびの薬味が嬉しい。途中での味変も楽しめそう。
冷たいのに存分に香りが立っているスープ

▲ベースの煮干の旨味に香味油の香ばしさが加わっている
で、このスープだが……想像していたものの数倍美味しい!
冷たいラーメンはどうしても香りが立ちにくいものだが、口に含むととても良い香りが広がる。
上品ながらしっかりと重層的な旨味を感じるスープは極上!スープ美味しいわぁ。

▲縮れの強い細麺
そして、この麺のはじけるような食感もいい。

▲脂が少なくもっちりとした赤身のチャーシューにほっぺが落ちそう
しっとりチャーシューの肉のおいしさったらない。
あ、あとスープが美味しいです。(しつこい)
3種類の薬味で味変も楽しめる

▲麺に絡みやすい細切りの大葉
大葉やミョウガなどの薬味を加えるとアクセントが加わってまた印象が変わる。
元々こちらの貴一の店主さんは確かに煮干しの使い方が上手い方と思っていたけど、どちらかと言えば繊細というよりワイルド系の印象だった。
だが、このスープは旨味こそ強いけどとても繊細なスープで驚いた。

▲夏っぽい香りとほのかな苦味がいいアクセントのミョウガ
繊細でありながらも大葉やミョウガ、そしてワサビなど香りの強い薬味を加えても負けない骨太なしっかりした味わいだった。

▲粒感を残している刻みワサビ
最初から最後まで美味しいね。

▲スープが残ってるよ……?
はい、ご馳走様でした!
別料金でもぜひ付けたい!〆は洗い飯

▲白米の上に乗っているのはネギとバラ海苔
ウソです。ここからはお楽しみ2ndステージの開幕です!〆の洗い飯(別料金)はぜひ食べたかったんだ。


▲海苔の香りがスープに合うんだ、これが
提供される時に
「スープ飲み干せないようならご飯の方にスープを入れて、飲み干せるようならラーメン丼にご飯を入れてください」
との説明があったけど、ここはラーメン丼へドボンの一択!

▲洗い飯のために薬味や具材を少し残しておくのもいいかもしれない
ほらね、こんなん美味しいに決まっているじゃない。
他にも美味しそうなメニューが沢山あるし、実際ラーメン友達の評判もいい。でも、夏のこの時期だけ提供される冷たいメニューは、今食べるべきメニューだろうね。

▲これで本当に完食!
食べ終わってから気が付いた!最初に券売機前で「冷たい煮干中華」と「冷たいぶっかけ」をどちらにすべきかしばらく悩んだけど、正解は「両方を注文する」だったかも……。
私も夏が終わる前にもう一度、いやチャンスがあれば数回は行きたいな。
自分の写真をあらためて見ながらそう思ってしまった。
麺屋 漣華
続いてご紹介するのは、札幌市北区の新琴似に2020年12月にオープンした「麺屋 漣華」です。漣の文字は「さんずい」がつきます。

▲「麺屋 漣華」の外観
今回は冷たい麺特集なので冷たいメニューをご紹介するのですが、最初に言っておきます!誘惑多すぎ!!!
店名 | 麺屋 漣華(れんげ) |
所在地 | 札幌市北区新琴似7条14-6-27 楼蘭ビル 1F |
アクセス | JR「新琴似」駅から2,071m |
駐車場 | あり(4台/店舗から少し離れた指定駐車場) |
営業時間 | [月・木・金・土・日]11:00~15:00 [水]11:00~15:00、17:30~20:00 日曜営業 |
定休日 | 火曜日 |
席数 | 13席(カウンター5席) |
(店舗情報の引用元:食べログ)
いったいスープは何種類ある!?温かい麺の誘惑

▲バラエティに富んだメニュー
温かい麺だけでも鶏白湯、鶏清湯、あご出汁、海老……一体どれだけスープを取っているの!?ってくらいメニューが豊富なお店。

メニューを見ながら迷えるってのは実に贅沢で幸せなことか。

▲冷たい麺の案内看板
もうね、クリーミーな鶏白湯もすっきりながら旨味濃厚な鶏清湯も、香り豊かなあごだしワンタンもご紹介したい。
けれど、それはご自身で足を運んで食べていただくとして、今回は冷たい汁たっぷりラーメン2種類をご紹介。

▲メニュー表の夏期限定商品の紹介
冷たいラーメンのラインナップは「冷たい煮干塩」に「冷たい海老とあご正油」!
トマトやレモンなどのトッピングで冷たさを演出しているものの、先入観なしで見たら「(温かい)ラーメン」と思っちゃうかもね。
レモンの輪切りが夏らしい「冷たい煮干塩」

▲「冷たい煮干塩」
プロローグでも書いたけど、これが札幌じゃなければ「冷やしラーメン」の席が空いているので、「冷やし煮干塩ラーメン」とか名付けたかったのかも知れないね(笑)

▲ちょっとため息が出るぐらい美味しいスープ
で、このスープが実にイイ!「温度も味のうち」というけれど、ヒンヤリしたスープの口当たりが外の暑さを忘れさせてくれる。
こんなにクリアなのに口いっぱいに広がる煮干の香りと旨味。

▲麺とスープの絡みが抜群
そしてこのハリと弾力のある麺。パーフェクト!

▲脂が多いように写っているが実際は皮目も薄く肉の旨味を感じる
鶏チャーシューもうまっ!

▲夏にぴったりな爽やかさ
途中でレモンを少し絞るとスープがまたキリッと引き締まる。
自家製のラー油で味変

▲二種類の自家製ラー油
冷たい煮干塩には自家製煮干辣油、冷たい海老とあご正油には自家製海老辣油が提供される。


▲ピリリとしたアクセントが冷たいスープに良く合う
自家製辣油を使うとこれまた雰囲気が変わってイイ!

▲ミニトマトだと果肉が汁に流れる心配がなくていいよね
たくさんのメニューがあるということはスープの仕込みにかなりの時間を要するということ。
それにもかかわらず、具やこうしたトッピングの一つ一つにも手間がかかっているのが伝わってくる。
ちょっと心配になってしまうぐらい手間暇がかかっていると思う。
口の中で香りが爆ぜる「冷たい海老とあご正油」

▲「冷たい海老とあご正油」
こちらは「冷たい海老とあご正油」。
湯気が無いから香りが立ち上るというのとはちょっと違うのであるが、スープを口に運んだ途端に風味が爆発する!

▲煮干塩に負けず劣らずクリアなスープ
海老の香ばしさにアゴ出汁の上品な香り。
冷たいスープはどうしても香りを立たせるのが難しいのに、これはそれぞれの個性がとても良く出ている。

▲長めの麺はすすり心地がいい
細麺を啜ると、それと一緒にまた香りが口の中に広がる。まさに「口福(こうふく)」。

▲ぷりっぷりの海老は豪華さも演出してくれて美味しくて楽しい
冷たいメニュー2種をいただいたが、どちらも甲乙つけがたい美味しさ。
どうやら今年の夏は北海道も暑さが厳しいらしい。暑くて夏バテしないためにはしっかり食べること!
ここの冷たいメニューならどんなに食欲が無くてもスルスルといけちゃうんじゃないかな。

▲ちゅるんちゅるんのワンタン
本当は冷たいメニューに限らず「あごだしワンタン」も「鶏白湯」も主役級の美味しさなので、全部を食べてほしいところ。

▲「鶏白湯 正油」
それにしても、これだけ色んな種類のスープを仕込み、様々なメニューを提供しているこちらのお店。
我々は冷たいメニューで夏を乗り切るとして、むしろ店主さんが夏バテしちゃわないか心配です。
札幌ラーメン 直伝屋
さて、本シリーズ最後のお店はちょっとPRを兼ねたご紹介となります(笑)まぁ番外編的な感じですかね。
拙運営店舗「札幌ラーメン 直伝屋」の夏メニューをご紹介!


▲あおり調理は他店より強めのあおりで香ばしさを引き出しています
直伝屋は札幌スタイルの調理にこだわったラーメンを提供しています。長めにあおった「香ばしい」札幌ラーメンが特徴のお店です。

▲「札幌味噌ラーメン」
味噌ラーメンを筆頭に、熱々のラーメンが特徴ですが、「夏は冷たいものが食べたい」というお客様のお声も当然っちゃ当然かと思います。
そこで夏には毎年1~2種類の「夏の限定メニュー」を提供しています。
店名 | 札幌ラーメン 直伝屋(じきでんや) |
所在地 | 札幌市中央区南1条西27-1-1 マルヤマクラス 3F |
アクセス | 地下鉄東西線「円山公園」駅6番出口直結 |
駐車場 | あり(マルヤマクラス駐車場/1000円以上のお買い物で1時間30分無料) |
営業時間 | 11:00~16:00、17:00~21:00(L.O.20:30) ※スープなくなり次第終了 日曜営業 |
定休日 | 当面の間は無休営業 |
席数 | 17席(カウンター3席) |
(店舗情報の引用元:食べログ)
2023年の夏限定メニューは札幌の定番「冷やしラーメン」!

昨年は初夏に「和風かつお出汁冷麺」なんてのを提供しましたが、おかげさまでご好評をいただきました!
そして今年2023年は原点回帰の意味も込めて札幌の定番「冷やしラーメン」をご提供いたします。

▲この時期お客様の声で一番聞くラーメン第一位「冷やしラーメン」の提供が決定!
連載第7回で何度もお話をしている「札幌では冷やし中華を冷やしラーメンと呼ぶ」という件。当店でもネーミングには正直少し悩みました。
実は以前はすすきのに店舗があった直伝屋。
観光客の多いエリアで「冷やしラーメン」は道外の方に誤解を招きかねないとの思いもあり「冷やし中華」という名前で提供をしておりました。

▲すすきの時代に提供していた「冷やし中華」
その後移転し現在のマルヤマクラスという施設内にオープンしたわけですが、ここでは地元のお客様がほとんど。そして、ご年配・ご高齢の方の来店が多い。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もありましたが、最近は地元の「札幌ラーメンのオールドファン」の方々にたくさん来ていただけるようになりました。

▲2023年の夏期限定メニュー「冷やしラーメン」
札幌ラーメンオールドファンの方にはやっぱり「冷やし中華」じゃなくて「冷やしラーメン」の方がしっくりくるようですね。
提供前から「冷やしラーメンはまだやらないの?」なんてお問い合わせをずいぶんいただきました。
シンプルイズベストな「冷やしラーメン」をご賞味ください

▲鉄板の具材でシンプルにまとめてみました!
今年の夏はド定番の「冷やしラーメン」をご提供!7月中旬から8月末までの予定です。
具材はキュウリ、細切りチャーシュー、

▲麺に絡みやすいよう細く刻んだ錦糸卵
錦糸卵、の三種の神器に……

▲シャキッとした食感を残した茹でモヤシ
札幌スタイル定番具材のモヤシをトッピング!

▲個人的なこだわりを詰め込んだ麺
麺はこれまた安心の札幌スタイルの黄色い縮れ麺。


▲甘酸っぱい醤油味。色んな具材と一緒に頬張ると幸せを感じてしまう
「あー……札幌の夏はこれだよなぁ」なんて思うのは、自分が年を取ったから、ということがあるにしても、やっぱり札幌っ子のDNAなんじゃないかなと思う

▲札幌の「冷やしラーメン」らしくタレは少なめ
今回は一般的な冷やしラーメンよりやや酸味をキリリと強めに仕上げております。
食欲のない時でも食べやすいですし、酢の疲労回復効果も期待できるのではないでしょうか。
誰がなんと言おうと、これが札幌の「冷やしラーメン」だ!

▲ド定番で私好みの味に店長が仕上げてくれた!
「あのね、首都圏をはじめとして、全国的には冷やしラーメンというのは汁がたっぷりのラーメンのことを言うんですよ!」なんてありがたいアドバイスをしていただく人が出て来そうな気がします(笑)

道外の方にはちょっとわかりにくいかも知れませんが、「札幌で冷やしラーメンと言えばコレ!」という主張も込めて定番の味と定番の名前をチョイスさせていただきました。
皆様のご来店をお待ちしております!
番外編!居酒屋の定番「ラーメンサラダ」
実はやや番外編的になるものの、ここ札幌にはもう一つご紹介しておきたいメニューがあります。それが「ラーサラ」こと「ラーメンサラダ」です。
札幌の人にとっては定番の居酒屋メニュー。まぁお酒を飲む方で知らない人はいないでしょうね。

誕生したのは昭和60年(1985年)のこと。札幌グランドホテルのレストラン&バー「ビッグジョッキ」で生まれ、オープンから現在に至るまで不動の人気を誇る名物メニューです。
少しずつ全国区の料理になりつつあるとはいえ、まだまだ「札幌名物」の一つといえるのではないでしょうか?
このメニューの発案にも「札幌麺の黄色い縮れ麺が冷やしても美味しいから」という背景があるような気がします。

▲居酒屋ではサラダのカテゴリに「ラーメンサラダ」の文字
そして、不思議なことにラーメン店ではあまり提供されておらず、居酒屋でも「お食事」ではなく「サラダ」のカテゴリーに入れられていることが多いですね。
そしてこれをツマミに飲む人も少なくないと思います。
これは個人的な考えですが、札幌グランドホテルの功績はその「味」だけじゃなく「サラダ」と言い切ったことにもあるような気がしています。

よくぞ「サラダ」と言ってくれた!カロリーの罪悪感ゼロ(笑)
これが「グランドホテル式冷やしラーメン」とかだったら罪悪感も感じるし、今のように北海道の居酒屋で広がってはいなかったかもしれませんね。

さいごに
さて、ということで「札幌(北海道)では冷やし中華を冷やしラーメンと呼ぶ」ということを紐解きつつ、札幌の冷たい麺のオススメ店をご紹介してきました。
バラエティ豊かになっている札幌のラーメンシーン。これからも冷たい汁たっぷりのラーメンが登場するでしょう。
中には全国的な流れに沿って、それを「冷やしラーメン」と名付けるお店も出てくることと思います。

それでも「札幌では昔から冷やし中華を冷やしラーメンと呼んでいた」という事実は変わらないですし、老舗のラーメン店を中心に「冷やしラーメン」という名称でいわゆる冷やし中華を提供するお店も続いていくことでしょう。
せっかくですから、それらを理解した上で冷たい麺を楽しんでほしいなと思います。
